いきもの録 Vol.19

　ソメイヨシノも開花し、もうすっかり春です。暖房のスイッチを入れる機会もめっきり減りました。花粉症も幾分治まってきたような感じがします。春先になると良くチョウを見かけます。走行中の車の前をヒラヒラ飛んだりするのです。

　3月28日もそうでした。しんぶん赤旗日曜版を配達する途上、車のトランクルームの上をチョウが飛んでいきました。車を止めてみると、そこにいたのはキタテハでした。


キタテハ

　そこでは近くにアセビが花をつけていました。そこにシジミチョウらしき、小さなチョウがいました。1匹は飛び去り、1匹残っていました。シジミチョウの仲間とは分かりますが、名前は分かりません。そこで調べてみるとコツバメというようです。アセビのツボミを常食とし、早春のこの時期の短い時期だけ発生するとか。冬はサナギで超すようですが、後の時期はどこで何をしているのだろうか。3月28日撮影。


コツバメ

　黒っぽいチョウもいました。何だろうということで、止まって羽を広げた姿は、見間違えることはありません。ルリタテハです。翅の空色のラインが美しい。キタテハもそうですが、初期発生のこの時期は姿が小ぶりです。3月28日撮影。


ルリタテハ

　3月29日、朝、ノア（ラブラドールのミックス）とマメ（本当の名は“マメ太”シバのミックス。生後2ヶ月頃までノラ犬）の散歩をしていると、足下からチョウが飛んだ。キタテハと思ったのですが、模様が違う。テングチョウでした。鼻先がとても長い。そういえば昨年もこの時期によく見かけた。


テングチョウ

　この頃、シロチョウ科のチョウも見かけていることに気付きました。モンシロチョウとキチョウだと思います。きょう（4月2日）になってモンシロチョウが撮影出来ました。ずいぶん苦労してきたみたいで、翅がボロボロです。


モンシロチョウ

　チョウの天敵の一つが野鳥でしょうね。ずいぶん前のことですが、ヒラヒラ飛ぶアゲハをヒヨドリが襲う場面に出くわしたことがあります。その瞬間、ガチッと聞こえた鋭い音を、いまでも鮮明に思い出します。虫を襲う肉食の鳥がここにもいました。この場所は、平のいわき市議会が入る建物の裏側。ここではめったに見ないモズが来ていたのです。高みから見下ろしながら、時折、地面に舞い降り、何かをついばんでいるようでした。3月27日撮影。


モズ

　ここには、ツグミ、ジョウビタキ、スズメは常連で、昔々はオナガを見たこともある場所です。この日は、やはり常連の一人、キジバト（何となく一人と書いたけど、実際には2羽でいることが多い）が、時間をかけて何かをついばんでいました。3月26日撮影。


キジバト

　通りかかった道の脇に池がありました。田んぼを池にしてしまったようです。大きめの鳥がいました。カワウのようでした。いっしょに並んでいるのはカルガモだと思います。3月26日撮影。


カワウ（手前）

　時間を逆上ってその日の朝。いつものように犬と散歩をしていました。この日は小鳥のさえずりでざわめいているようでした。実際、野鳥をたくさん見かけました。一番最初に撮影したのはシジュウカラ。3羽の群れでした。左側に垂れ下がっているのはヘクソカズラの実。これを食べにきたのですね。3月26日撮影。


シジュウカラ

　その散歩の帰り際、今度は花盛りの梅の木でたくさんの野鳥がさえずっていました。シジュウカラなどは、立ち止まって撮影するその場所のすぐ脇の笹ヤブのかげにいて、しきりにさえずっていました。ほんの1ｍ脇にいるのですが、ヤブ越しなので撮影は無理。ウメの木ではヤマガラがさえずっていました。


ヤマガラ

　いっしょにいたのはエナガ。枝をちょこまかと渡りながら餌をついばんでいました。動きに何とか追い付きながら数カット撮影出来ました。


エナガ

　横からは可愛らしいのですが、上から見下ろした目つきは怖い。


エナガ

　自宅に帰ると芽をつけはじめた花桃の上でスズメガさえずっていました。この日も含めて何日か続きました。3月27日撮影。


スズメ

　そして空に目を向けると雲を引きながら飛行機が青空を横切っていきました。遠野の上空は朝と夕に多くが飛んでいるように思います。拡大してみると大韓航空機のようです。一昨年、ドイツからドバイ経由で帰国する際に、登場したエミレーツ機が、成田に向かう際には茨城県と福島県の境辺り、つまりいわき市上空となりますが、ここを西から東に飛び、海上に出たあたりから南に進路を変えていたことを思い出します。偏西風の関係でこういう空路になるようです。この大韓航空機も成田に向かっているのだろうと思います。

　今回のいきもの録は、チョウと野鳥だったので、「飛ぶ」のつながりで最後は3月29日に撮影したその写真を紹介。


大韓航空機