新型コロナウイルス
検査拡充などで実態把握・自主休学を出席扱いに
市長・教育長に要望書提出
検査拡充などで実態把握・自主休学を出席扱いに
市長・教育長に要望書提出
新型コロナウイルスの感染が続いています。4月18日に東京都で181人が確認され、全国では1万人を超え、いわき市でも4人の陽性者が確認された18日時点で、感染者は合計12人となっています。市は、安倍首相が16日に緊急事態宣言を全国に拡大する決定をしたことにあわせ17日、5月6日までの小中学校の休校や、幼稚園、保育所、学童保育などの休園等、新たな感染拡大防止策を公表しています。同日、会派として市長等に要望書を提出しました。
安心につなぐため
会派の要望書は、市の対応方針と、小中学校の保護者の児童・生徒への感染懸念の声を受けたもので、
①PCR検査等の拡大を図り感染の実態把握につとめる、
②感染の懸念から自主的に休校する児童・生徒に不利益となる扱いを行わない、
③一律1人10万円の生活支援の早期給付と国の事業者への休業補償の実現等を要望する――の3点を柱として、具体的には、軽症者の宿泊施設の確保、学校給食関連事業者への支援、高校の休校要請等を盛り込みました。
要望を受けた清水敏男市長は、検査技術者数が限られていると説明しながら、軽症者の宿泊施設の確保は県が対応するもので現在施設の募集をしているとし、今後、県に、確保を市に委託するよう求め、本市の医療崩壊につながらないようにしたいなどと話しました。
また、教育長は、自主的な休校者の扱いは、文科省の「感染の可能性が高まっていると保護者が考えるに合理的な理由がある」場合に、学校長が「出席停止」等として、「欠席とはしない場合もありうる」としていることを受け、学校長が柔軟に判断しているとしました。
取り扱いの周知は、諸問題が想定されるため「積極的には行っていない」としました。
感染拡大防止の給付
会派要望では、安倍内閣の対応策の問題にも触れました。
安倍内閣が全国に広げた緊急事態宣言は、ウイルス感染拡大の防止のための措置です。その実効性をどう高めるかが課題です。
生活支援の給付について、安倍内閣は、条件付き1世帯30万円をやめ、条件なしの一律1人10万円給付に舵を切りました。
もともと生活支援給付については、政府与党内にも一律10万円給付の主張があったものの、リーマンショック時の一律給付が批判にさらされた「苦い体験」から、麻生財務相が反対、安倍首相もこれに同調し、条件付き30万円給付になったと報じられています。
給付はもともと、3月の安倍内閣の突発的な休校要請で、収入が減った世帯への支援の必要から浮上しました。生活の心配をせずに、保護者が仕事を休んで子どもの休校に対処し、人との接触の機会を減らすことで、感染拡大を抑える目的だったはず。そのためにスピード感を持った対応も求められていました。
ところが条件付きとすることで給付を生活困窮対策にしてしまい、政策目的があいまいになってしまいました。また、本来、成立した本予算に計上し、ただちに実施することが求められていたのに、補正予算に計上を先送りし、給付をいたずらに遅らせてしまいました。
宣言の効果高める休業補償
同時に、緊急事態宣言で、東京都など感染拡大区域に休業が広がったため、パチンコ、遊戯場、スポーツジム、ゴルフ等のサービスを求めて、宣言外の地域に、感染拡大区域から住民が移動する事態となってしまいました。
これを防ぐために、区域外でも事業者に休業していただくことが求められます。しかし、補償がなければ、休業に踏み切ることが難しい。東京都のように財政に余裕があれば独自の支援策も可能でしょう。財政規模が小さい自治体には困難があります。このため、感染拡大防止の実効性を上げるため、国による休業補償が望まれます。
要望書では、①一律1人10万円の生活支援給付の早期実現、②国としての休業補償の制度構築――を国に要望するよう求めました。
会派として、引き続き、市民のみなさんの声を受け止めながら、必要な措置を求めていきたいと考えています。
文=伊藤浩之
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