雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

山(T.Yさんに寄す)

2013年12月29日 | ポエム


 山 ( T.Yさんに寄す )


遠く山並は
深く大地に根をはって
やさしく横たわっている
動こうとしないでいる

雲は灰色の空にひろがり
青い山並を静かに撫でて行く
山の向こうで明るく光る空は
山の端を影絵 (シルエット) にして
ギザギザの音を奏でている

(あるときは するどく
 あるときは まあるく)

響きは おれの心臓をにぎりしめて
離さない
そうして
おれの心は
山に抱きつき
小さな下生えの草木をつかみ
その山を這いずり回る

(なんという きびしさだろう
 なんという ひろさだろう)

おれは喜びの汗をかき
美しい苦しみの涙を流し
唇を噛み
あまずい想いが
おれの体いっぱいにひろがる
(1997.3.22~2011.12.25)
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