<日本経済新聞より>
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7~9月の公的年金、4.4兆円黒字 株高で押し上げ
- 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2日、2017年7~9月期の運用実績が4兆4517億円の黒字だったと発表した。運用利回りは2.97%で、黒字は5四半期連続となる。国内外の株価上昇が利益を押し上げた。
9月末時点の運用資産は156兆8177億円。01年の自主運用開始後で過去最高となった。
構成資産別では、世界的な株高の影響で国内株が1兆7959億円、外国株は2兆349億円の黒字だった。国内債券では748億円、外国債券は5399億円の利益を確保した。
野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストによると、株高が進んだ10月単月の収益額は約3兆6千億円。17年度を通じた足元の収益額は13兆円を超えているもようだ。過去最高を記録した14年度の15兆2922億円に近づいている。
9月末の資産構成に占める国内債の比率は28.50%と過去最低を更新した。日銀の金融政策で再投資しにくい環境が続き、預金などの短期資産は過去最高の9.10%まで積み上がった。すでに国内株は24.35%、外国株は24.03%と運用の目安としている比率に迫っている。
<Zaiより転載>
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上場銘柄約3600銘柄のうち15年前より
株価が上にある銘柄は6割以上もあった!
過去15年間を振り返るとITバブルやライブドアショック、リーマンショック、東日本大震災と、数々の危機が日本株を襲った。全体で見ると波乱万丈ではあったが、15年前より今のほうが株価が高い銘柄は6割もある。その間日経平均は2007年の高値から、一時約70%下落した。今振り返ると長期保有で儲かった銘柄でも、売らずに持ち続けられた猛者はわずかだろう。
「政府として見込んでいた数字を大きく上回っている。年金財政の安定に大きく寄与する成果だ」と、菅官房長官は年金運用で予想以上の黒字が出たことを報告しました。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2017年7-9月期の運用収益が4兆4,517億円の黒字だったと発表したのです。これで5四半期連続の黒字であり、しかも世界的な株高の恩恵を受けて黒字幅が拡大しているという状況です。
GPIFにおける株式の運用比率は国内株25%、海外株25%。両方合わせて運用資産全体における株式運用の比率は50%になります。これまでは国債に偏っていましたが、資産運用の形態を大きく変えました。
従来GPIFの資産は110兆円程度でしたが、現在では157兆円に迫る勢いです。GPIFの累積収益は63兆円ほどの黒字です。つまり年金積立金管理運用は、大成功しているということです。ところが、これだけ国民の年金基金が大幅に増えたのにも関わらず、このようなことはほとんど話題にもなりません。昨年は少々赤字になったため、野党からかなり批判を浴びていましたが、年金の投資が黒字になると野党はダンマリです。
日本ではバブルの後遺症がまだ相当あるので、株に関心を持つ人は10%です。ただ、25年も経ち、また株の時代になってきたようですので、ここらで一度考え方を見直すのもよいかと思います。