山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

欲タガリにショパン

2020年08月01日 | 山菜採り
 50年に一度の豪雨も去ったので、定例の山菜採りに出掛ける。途中の最上川は勿論、支流やダムは濁流で溢れんばかりだ。
 頭の中には、この大雨で道路や地形がどう変わったのかを確認し、今後の山業に備えたいという思惑がある。
 もう一つ。H川も増水はしただろうが、ここは源流部。一番早く増水するが、一番早く水が退く場所なのだ。したがって、山菜採りには支障なしという見通しもある。
 渓に降り立ち、最初の沢の様子を観察すると、若干水位は増しているが遡行には問題なさそうだ。安心して奥部へと分け入る。
 本日の目的地は、流域の中でも、入り口から3番目の沢の下流部だ。
 欲タガリマタギは、この広い広いH川流域の山菜採り場で末永く山遊びを続けたいと思っている。そのため、採り場も毎回変えていく。
 今回は、豪雨による増水が少々心配だったので、流域で最も穏やかな流れの、この沢に決めたのだ。

この森を抜けると、

2番目の沢に降り立つことが出来る。
しばらく遡っていくと、

右から沢が出合う。
これが、3番目の沢。とても穏やかな沢だ。
 この沢に入った途端に不思議なことが起こった。
 頭の中をピアノ曲が流れ始めたのだ。
 ショパンのプレリュード。
 頭の一部では、欲タガリマタギが、「どこのミズを貰おうか。」と考えながら、目を血走らせて上流を目指している。
 しかし、べつの一部では、絶えることなくピアノの調べが流れる。

今回の豪雨で倒れたミズ(多分、蘇る)


心癒やされるエゾアジサイ


本日の畑


十分収穫できたので戻る(第2の沢へ)

 豊かなブナの森は、大雨にも増水にも崩れることなく健在であった。

今週分の収穫


 渓から去るまで、この調べは頭を離れることがなかった。

 繰り返し繰り返し奏でられる雨音の調べ。

 渓を離れると、プレリュード15番の調べはピタリと止んだ。

 何だったのだろう、あれは。
 渓を歩いていると、時々、説明がつかないこんな不思議なことが起こる。