採ってきた山菜を美味しく戴くためには、それぞれの料理ごとに欠かすことのできない脇役がある。煮物系の調味料で定番なのは、酒と醤油とみりん。また、よく使うのが味噌と砂糖だ。出汁には鰹節を使うことが多いかな(和だねえ)。
それから、山菜を単品で食べるよりも、一緒に添えて調理した方が美味しくなる素材も多々ある。タケノコ料理だったら、魚介でも肉類でもよく合うんだけど、マタギ家でタケノコの蕎麦やご飯を作るのであれば、断然、鶏のもも肉が人気だ。
で、今回タケノコを採ってきたのは良いのだけれど、冷蔵庫には鶏もも肉がなかった。そこで、下ごしらえが一通り済んだところで鶏もも肉を買いに出かけたんですね。
さすがに、鶏もも肉を置いていないスーパーはない。400g程のパックをかごに入れる。ついでに、祝杯用のお酒も入れて・・・。おっと、そう言えば、いいウドが出ていたから連れ帰ってきたんだっけ。お魚コーナーに行ってみると、本日は、ちゃんと置いてました。『身欠きにしん』です。これも、ウド料理には欠かせないお友達ね。その他、使いそうなものをいくつか買って帰宅した。
帰宅すると、妻が山菜をまとめて荷造りをしている。
「石巻にも送ろうと思うのよ。」
「いいねえ。」
「茹でタケノコと、生タケノコと、ウドでどうかしら。」
「いいねえ。」
こんな感じ
「きっと喜んでくれるね。」
いつも美味しい海鮮を送ってくれる石巻の叔父叔母だ。こういう時にこそ、山の幸を送って楽しんでもらおうじゃないの。
って、待てよ。
じゃあ、身欠きにしんは使えないということか?
まあ、しょうがねえべ。石巻に喜んでもらうことが優先だ。それに、
前回作ったドンコロ煮
まだ、かなり残っているではないか。
ここで考えた。
今あるドンコロ煮を食べ切ってから、次のウドの収穫ってあるかなあ。確か、塩漬けにした分があるにはあるけど、それを戻して使うのは、ずっと先だよな。
だったら、今回の身欠きにしんは、調理してしまいましょう! 作るのは、
≪身欠きにしんの甘露煮≫
蕎麦の具材として使われることが多いんですけど、自宅では、一度も作ったことがない。この際、せっかく余ったんだから作ってみることにしましょう。
下ごしらえの部
・身欠きにしん2本をざるに並べて、熱湯を回しかけて油抜きしました
調理の部
・水300mlと酒100mlを入れて火にかけ、沸騰したら火を弱めて、更に10分煮ます
・砂糖大さじ3と醤油大さじ1に、はちみつ大さじ1強を加えて、落し蓋をして15分
・蓋を取って醤油大さじ1を追加。弱火で煮詰めていきます
※もう、焦げ付く!というところまで煮詰めたら出来上がり
なかなか綺麗に仕上がりました
圧力鍋を使うレシピもあったんだけど、今回は、オーソドックスに作ってみました。ニシンを切るところから最後まで、約1時間。このぐらいの手間なら文句ありません。これは、身欠きにしんがソフトタイプだったおかげでもあります。
ちょっと摘み食いしてみたんだけど、
おお~、正に、甘露甘露!
次のお蕎麦の時に使ってみようと思います。
ウド料理の脇役として買ってきたんだけど、思いがけない料理に変身してくれました。
次は、主役ですよ。
こういう偶然の恵みにも感謝です。
ありがたや、ありがたや。
・・・実はこの後、にしん蕎麦、作ったんだけど、写真忘れて食べちゃった。ちょっと残念です。