山菜の季節が始まりました。この山菜というもの、地域によって調理の仕方が変わるのはもちろんだけど、『食べるかどうか』すら、大きく異なる。
まあ、ワラビやタラノメみたいな、もう半分野菜と言ってもよいようなポピュラーなものは、全国各地で栽培されているし、親しまれ、食べられている。
しかしですね、今回のフキノトウの茎みたいにマイナーなものは、地域や人によって食べたことがないし、もちろん調理の仕方も分からないから、だれも手を出さないなんてことになる。
本当はすごく美味しいのに、と思うような山菜が数多くあるんですね。毎年マタギ家の食卓を彩ってくれる葉ワサビも、そういう山菜の一つかもしれない。
「根っこが美味しいのは知ってるけど、葉っぱや花芽も食べられるの?」または、「ワサビって山菜なの?」という人が沢山いるのではないだろうか(妻が言うには、最近はスーパーにも出回り始めたらしい)。
しかし、マタギの山菜仲間たちは知っています。ワサビこそが、早春の山菜の王様なのです。まあ、世の中から王様として受け入れてもらえないことには、それなりの理由があるんだろうから仕方がないんだけど、実にもったいない。
考えられる理由の最たるものが、調理の仕方だと思うんですね。『フスベる』という工程に失敗すると、ワサビは、ただの苦いだけの雑草になってしまいます。今回は、その辺の作業について、いくつかの実験を試みてみました。それでは、いってみます。
≪(3種類の)ワサビのフスベ漬け≫
下ごしらえの部
・ワサビの根を茎から外して、ゴミや汚れを洗い落とします
瑞々しい葉ワサビが採れました
・茎を寸切りの半分ぐらいの長さに刻んで塩をまぶします
※結構たっぷりの塩でしっかり揉んでいくと
しんなりして汁が滲み出てきます
※ここまでは、いつでも同じやり方です
1回目
・ざるに広げて熱湯を回しかけたら、タッパーに移して、蓋をしてシェーク(ワサビを怒らせる)
・出汁醤油(かけそばレベルの濃さ)に浸して冷蔵
2回目
・80℃台のお湯で20秒ほど湯がいたらざるに移して冷水をかけて、タッパーに移して塩をちょっとかけたらシェーク
※以降1回目と同じ
冷水をかけたところ
3回目
・手順は2回目と同じだけど、汁が違います
・酢90mlに醤油大さじ1、砂糖50gを溶かしてみました
※去年初めて作ってみたら好評だった『甘酢漬け』にします
本日作ったのは、2回目と3回目で、1回目は、先週採ってきた時に作っておきました。
そして、翌日。
食べ比べますよ!
これが先週から漬けておいたもの
くわあ!辛旨スッキリ!!
これが昨日漬けたもの
くわあ!辛旨スッキリ!!
って、同じじゃん。
強いて違いを挙げれば、先週のものの方が辛味と旨みが全体に馴染んでいる感じ。昨日のものは、まだ、葉茎から出た辛味と調味料の味とが分離している感じ、というところかな。
さて、3回目の味見です。
こちらは、ほんのり赤みがさしてます
くわあ!甘辛旨酸っぱ爽やか!!
味付けが違うんだから、味が違うのは当たり前なんだけど、辛味の強烈さは同じです。そして、甘みと酸味とが加わった分だけ味が複雑で面白い。
ここまでの結論。加熱の仕方が違っても、どれもそんなに時間をかけないことは同じ。味付けが違っても、辛さに対する影響は、なし。
つまり、しっかり塩もみして、短時間高温で加熱して、怒らせて(シェークね)、急冷させること。
そこさえ押さえれば、美味しいフスベ漬けに仕上がるようです。
いやあ、どれも美味しいですわ。これは、暫く我が家の食卓を華やかに彩ってくれることになるでしょう。
ついでに言うと、
今回も素敵なお土産付きです
ああ、涙を誘う君の名は
根ワサビ様 降臨
こんな贅沢で美味しい山菜、他にあるでしょうか。
やっぱり、ワサビは早春の山菜の王様です。
もちろん、フキノトウも別な個性で王様だよ。アサツキは、女王様ってところかな。次に出てくるタラノメも王様だね。まだまだ出てきます。
いいと思いません?カードゲームや戦国時代みたいに、いろんな王様のいる世界って、ワクワクすると思いませんか?
さあ、群雄割拠の山菜時代ですよ。
山の神様、ありがとうございました。次回もよろしく!
来週あたりアップですが、私も甘酢漬けが好きです。1週間後のものが特にね。
お店で頂いたレシピにあって以後甘酢漬けは外せません。
ワサビ葉は、ご近所から頂くので、昨日漬けたところです。
山菜を頂いて、元気に春を駆け抜けましょうね♪
コメントありがとうございます。
覚えているかな?
マタギが甘酢漬けを作るようになったのは、去年のゆり3の記事を読んでからです。
おかげ様で、今年も美味しい甘酢漬けを作ることができました。
あらためて、ありがとうございました。