山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

でも ちかづかないで(さんぽうた189)

2023年06月05日 | いきもの

  でも ちかづかないで   のいばら たお

 

けさ

わたしは さいた

 

わたしは

かわいいかな

 

わたしは

きれいかしら

 

いくらでも

みつめてほしい

 

いつまでも

みつめてほしい

 

でも

それいじょうは

ちかづかないで

 

ほんとうの あなたを

わたしは

まだ しらないの

 

       いつもの散歩コースを歩いていると

藪の中に白い花が咲いていました。野茨のようです。

       かわいい花です

       五弁の純白の花びらが

 園芸種にはない素朴さと可憐さとを感じさせてくれます。

       背丈が低いことも

 親しみを感じさせる理由の一つかもしれません。

 近づいて、手を伸ばそうとすると、

「近づかないで。」

と、断られてしまいました。

「あなたは、私のことを知らないでしょ。私も、あなたのことを知らないの。」

とのことです。

 「はい、わかりました。

  その代わり、しばらくは、その姿を楽しませてくださいね。」

「どうぞ、いくらでも。そして、お気遣いありがとう。」

とのことです。

 可愛らしい可憐な花だけど、『薔薇』のプライドが言わせた言葉なのかな。それとも、傷つけたくなくてかけてくれた言葉なのかな。

 夏の訪れが間近に感じられる昼下がりのできごとでした。


秘湯探訪その後

2023年06月04日 | 山菜料理

 楽しかった滑川温泉ツアーから帰還。

 クーラーボックスの中からは、

       フロントのお兄さんが『お勧め』と言っていた瓶詰め

 妻は、米沢地域に勤務していた時代があるので、

「これ知ってる。美味しいの。」

とのこと。

 続いて、

       バーベキューで食べ切れなかった残りの肉

 我が家でも焼肉パーティーの余韻を味わってもらいましょう。

       夕食では、ホットプレートで焼肉大会

 醤油砂糖ごま油に、豆板醤おろしニンニクとショウガに炒りごまを和えた特製タレで戴きました。やっぱり美味しい!

 あれ?まだ何かあるぞ?

 出てきたのは、

       綺麗なフキですね

 変だなあ。山菜採りに出かけたわけじゃないのに・・・。

 というのはウソです。だって、

       風呂に浸かれば山菜が見える

       山菜シーズンの目印、タニウツギが咲き

       山菜たちも季節を謳歌しているんですから

 少しは、おすそ分けを戴かなくっちゃ、欲タガリの名がすたるってもんだ。ちょっとだけ貰ってきてしまったんですね。

 貰ってきたからには、調理しないわけにはいかない。始めましょう!

  ≪フキ料理(2種)≫

 下ごしらえの部

 ・軽く洗ったフキを沸騰7分茹でました

 ・再沸騰したら蓋をして弱火で茹でます

 ・茹で上がったら水にさらして、皮を剥きます

 ※今回は、細いグループと太いグループに分けてみました

 

       細い組は、煮びたし風にしてみます

 ・フキ200gに対して、みりん大さじ2と醤油大さじ1を加えて

 ・だしの素を振りかけたら、ゆすりながら煮ていきます

 ・煮詰まる前に火を止めて冷めるのを待ちます

 続いて、定番の炒め煮

 ・ごま油で軽く炒めて、油が回ったら

 ・酒にみりんと醤油各大さじ2を加えて煮詰めます

 ・最後に鰹節をまぶして完成

       どちらも、とても美味しかったです

 もしかしたら、これが一番の旅の土産になったかな?

 滑川の山の神様にも感謝です。

 ありがとうございました。


秘湯探訪(滑川温泉)2

2023年06月03日 | 日記

 せっかく温泉に来たのだから、当然、温泉を楽しむ。

 ここで一番親しみやすいのは『岩風呂』かな?

       宿からサンダルに履き替えて道を辿る

       森と渓谷の中に温泉が現れる

       男女別に脱衣所があるけど

 この時間に入ってくるのは男性だけ。

 宿の入り口にある看板を丁寧に読むと、

       基本的には混浴なんだけど、いろいろ配慮しているようです

 いずれにしても、

       渓流の音を楽しみながら くつろぐことが出来ました

 2日目の朝、『檜風呂』に浸らせていただきました。

       岩風呂よりも渓谷に近いお風呂です

 少し温度が高め。K氏は、

「岩風呂でゆっくり浸かっている方が好みだね。」

と語っていましたが、マタギは、こちらの熱さも好みかも。

 かなり、まったりとした時間設定の旅なので、宿の周りを何度か散歩しました。

       可愛いニャンコがいたんだけど、

 写真を撮ろうとしたら顔を背けられました。

 宿の周辺は、さすがに高所。

       コバイケイソウや

       シラネアオイが

 雑草のごとく、あちらこちらに咲き誇っていました。そして、

       こちらもレアな、エゾタンポポ?

 はっきりとは分かりません。でも、やっぱり自然探索は楽しい。欲タガリが欲を捨てて、こういうウォッチングもいいもんだね(嘘)。

 さて、渓谷の方に目をやると、

       やっぱりここは

       渓水が

       岩を滑って

       流れ下る

 まさに、『滑川』じゃあないですか。美しい。

 滑川温泉、いい場所を教えてもらいました。

 K氏、今回の旅の企画、本当にありがとう。

 また、遊びに出かけようね。


秘湯探訪(滑川温泉)

2023年06月02日 | 日記

 定期の診察が済んだところで、かかりつけ医のK氏が話しかけてきた。

 「ところで、マタギよう。〇月〇日と次の日、空いてない?」

「ん?・・・〇日は午前勤務だから夕方からなら空く。次の日は、OKだよ。」

「んじゃあよう、この日使って滑川温泉に行ってみないか?」

「はあ!?」

 このところのコロナ騒動のため、外食はおろか、外泊なんてもってのほかという状況が続いてきたし、自粛もしてきたのだが、よもや、かかりつけ医からこんな話が持ちかけられるとは思ってもみなかった。

 まあ、コロナも5類扱いに格下げされたし、お互いワクチン接種は万全なんだから、ちょっと出かけるぐらい問題ないかな。

「ところで、K氏の所では、コロナの診察ってやってるの?」

「うん、やってる。ただし、感染の恐れがある患者は、院内には入れないし、防護体制をとって対応してる。」

「そうか、大変だね。」

「やっぱり、死亡率は高くなくても、感染力は、インフルエンザよりずっと強いからね。他の患者さんに迷惑をかけるわけにはいかない。」

 おお、ちゃんとお医者さんやってるじゃないの。

 実は、K氏は、高校時代の同級生で、付き合いも非常に長く、半世紀にわたって一緒に釣りに出かけたり旅に出かけたりしてきた仲なのだ。

「奥さんは、行かないの?」

「こういうの全然興味ないから、誘わない。」

彼女とも、多少の面識があるから、さもありなんというところだ。

 じゃあ、久しぶりに二人旅に出かけてみましょうか。

「OK、じゃあ、詳しいことは、近づいたら連絡しましょう。」

話がまとまったところで、帰宅して滑川温泉について調べてみた。

 18世紀の前半に地元の郷士によって発見された秘湯で、一軒宿。海抜800mを越える高所に湧き出る源泉かけ流しの湯とのこと。豪雪地帯のため、11月から4月までは閉鎖される。

 現在は、普通の観光客も受け入れるが、もともとは湯治場として栄えてきた場所で、今も自給自足で長期滞在する湯治客を受け入れることができるそうだ。

 で、K氏は、湯治客コースを予約したんだって。つまり、自給自足で楽しむってわけね。

 望むところよ!

 そして、約束の日が近づいたころ、メールが届いた。

 

 ・山の上、谷間の温泉で、戸外で食事で寒いので、対策お願いします。

 ・夕食で食べる自分の分のご飯(白めし)は、持参お願いします。

 ・当日、買ってほしいもの。

   〇牛タン300g 牛肉 カルビやサガリなど、合計600g

 ・アルコール 焼酎は用意します。ビールは途中、コンビニで買う予定です。

 

 おお、いいじゃん!寒さ対策は何とでもなる。足りないものを強いてあげれば、日本酒とウィスキーを追加するぐらいかな。

 そして、当日。

 合流、積み込み、買い出し、全て済ませて滑川温泉に向かう。県南の米沢市までは、高速を使って、超簡単に辿り着けたのだが、そこからの山道が結構長い。

 ワインディングロードだが、全て舗装されているので、普段通っている山菜採り場への道に比べれば、大したことはない。しかし、とにかく長い。それはそれとして、走っていて、少々驚いたのが、

       森に響く歌声

 ウグイスやツツドリの声は予想の範囲内だったんだけど、エゾハルゼミの大合唱が、早くも森中に響き渡っていました。やっぱり、今年の季節の進みは早い。

 国道を離れてから30分ぐらい?延々と走り続けると、ついに見えてきました。

        やっと着きました

       なかなか整備が行き届いている感じ

       温泉の目の前に、立派な滑滝

 温泉の名前の由来はこれかな?と思ったんだけど、言い伝えでは、発見者が川で滑ったからということらしいです。

 で、案内されるままに部屋に行くと、

       灯りとテーブルだけの部屋

 念のために言っておくけど、普通のお客さんのためのお部屋は、すごく綺麗で行き届いているらしいんですよ。我々は、湯治客用の『一番安い部屋』を予約したから、こういうレトロな佇まいに浸ることが出来るのです。更に、

       これが、炊事場のガスコンロ

 なんと、10円入れると、10分間だけガスが使えるんだって。結局、お湯を沸かすために1度だけ使ったけど、貴重な体験でした。

 もちろん、部屋には何もないから、

       コンビニで買ってきたビールと酒を飲むだけ

 思い起こすと、K氏との旅は、いつも大体こんな感じ。何十年たっても変わんないんだよな、二人の習癖は(奥さん、行かないわけだ)。

 ただ、夜だけは、特別バージョンになりました。今回買い出しした肉が活躍します。

       炊事場では迷惑がかかるので、屋外で

       BBQパーティー!

 こういう湯治場の使い方もありっすね。これは、K氏のアイディアに拍手!

 風呂場に行き交うお客さんたちが、非常にうらやましそうに見ていく姿が、印象的でした。

 話が長くなってきたので、この辺にしておきますね。

 続きは、また明日。


名わき役が主役に

2023年06月01日 | 日記とレシピ

 採ってきた山菜を美味しく戴くためには、それぞれの料理ごとに欠かすことのできない脇役がある。煮物系の調味料で定番なのは、醤油みりん。また、よく使うのが味噌砂糖だ。出汁には鰹節を使うことが多いかな(和だねえ)。

 それから、山菜を単品で食べるよりも、一緒に添えて調理した方が美味しくなる素材も多々ある。タケノコ料理だったら、魚介でも肉類でもよく合うんだけど、マタギ家でタケノコの蕎麦やご飯を作るのであれば、断然、鶏のもも肉が人気だ。

 で、今回タケノコを採ってきたのは良いのだけれど、冷蔵庫には鶏もも肉がなかった。そこで、下ごしらえが一通り済んだところで鶏もも肉を買いに出かけたんですね。

 さすがに、鶏もも肉を置いていないスーパーはない。400g程のパックをかごに入れる。ついでに、祝杯用のお酒も入れて・・・。おっと、そう言えば、いいウドが出ていたから連れ帰ってきたんだっけ。お魚コーナーに行ってみると、本日は、ちゃんと置いてました。『身欠きにしん』です。これも、ウド料理には欠かせないお友達ね。その他、使いそうなものをいくつか買って帰宅した。

 帰宅すると、妻が山菜をまとめて荷造りをしている。

「石巻にも送ろうと思うのよ。」

「いいねえ。」

「茹でタケノコと、生タケノコと、ウドでどうかしら。」

「いいねえ。」

       こんな感じ

「きっと喜んでくれるね。」

いつも美味しい海鮮を送ってくれる石巻の叔父叔母だ。こういう時にこそ、山の幸を送って楽しんでもらおうじゃないの。

 って、待てよ。

 じゃあ、身欠きにしんは使えないということか?

 まあ、しょうがねえべ。石巻に喜んでもらうことが優先だ。それに、

       前回作ったドンコロ煮

 まだ、かなり残っているではないか。

 ここで考えた。

 今あるドンコロ煮を食べ切ってから、次のウドの収穫ってあるかなあ。確か、塩漬けにした分があるにはあるけど、それを戻して使うのは、ずっと先だよな。

 だったら、今回の身欠きにしんは、調理してしまいましょう! 作るのは、

   ≪身欠きにしんの甘露煮≫

 蕎麦の具材として使われることが多いんですけど、自宅では、一度も作ったことがない。この際、せっかく余ったんだから作ってみることにしましょう。

 下ごしらえの部

 

 ・身欠きにしん2本をざるに並べて、熱湯を回しかけて油抜きしました

 

 調理の部

 ・水300mlと酒100mlを入れて火にかけ、沸騰したら火を弱めて、更に10分煮ます

 ・砂糖大さじ3と醤油大さじ1に、はちみつ大さじ1強を加えて、落し蓋をして15分

 ・蓋を取って醤油大さじ1を追加。弱火で煮詰めていきます

 ※もう、焦げ付く!というところまで煮詰めたら出来上がり

       なかなか綺麗に仕上がりました

 圧力鍋を使うレシピもあったんだけど、今回は、オーソドックスに作ってみました。ニシンを切るところから最後まで、約1時間。このぐらいの手間なら文句ありません。これは、身欠きにしんがソフトタイプだったおかげでもあります。

 ちょっと摘み食いしてみたんだけど、

 おお~、正に、甘露甘露!

 次のお蕎麦の時に使ってみようと思います。

 ウド料理の脇役として買ってきたんだけど、思いがけない料理に変身してくれました。

 次は、主役ですよ。

 こういう偶然の恵みにも感謝です。

 ありがたや、ありがたや。

 ・・・実はこの後、にしん蕎麦、作ったんだけど、写真忘れて食べちゃった。ちょっと残念です。