今年の天候を考えると、既に海抜高度の高い湯殿山での月山筍採りに出かけても、それなりに収穫できそうな気がするのだが、その前にやっておきたいことがある。それが、毎年恒例の『広場』でのワラビ採りだ。
ぶっちゃけ、ワラビはどこに行っても採れるのだが、ここのワラビは別格なのだ。それが欲しくて仕方がない。
明日は夜勤だから朝仕事なら採りに出かけても問題ない。ただ、この場所の発見者であるA氏には、断りを入れておく必要があるだろう。電話をかけてみる。
「ああ、前回行ったとき出始めていた所が多かったから、明日行けば、かなり良いと思うよ。」
とのこと。で、朝仕事という前提なのだが同行することになった。心強い限りだ。
そして翌日。
1年中で一番日の出の早い時期になったので、山の夜明けも早い。午前4時には行動開始できそうな感じだ。
実際には4時半頃に行動を開始したのだが、それでも、一頃よりは、遥かに早い。つまり、時間の余裕も遥かに大きいということだ。
谷下に広がる『広場』(マタギはここを『ワラビの花園』とも呼んでいる)に降り立つと、これは素晴らしい!
超高品質のワラビが
食べ頃に育って
前後左右に
まるで、ワラビに包囲されている感じ。
しかも、太いから10本も採ると持ちきれなくなります。更に、
「折り取ると、途中からまた折れてしまうね。」
これは、長すぎて柔らかすぎることの証明。
あっという間にハケゴが満杯になって、リュックに詰め替えます。そして、
嬉しいおまけも
顔を出していました
オオナルコユリとシオデです。こちらは、数は少ないけれど、やっぱり高品質です。いただきます。
さて、1時間の作業でハケゴも2回満杯になってしまいました。まるで観光ワラビ園みたいに高密度なんですね。ワラビ園との違いは、多分、品質。やっぱり、『藪ワラビ』なので、太い・長い・柔らかいの3拍子が揃っています。
「土質がいいのかねえ。」
「そういうのもあるかもしれないね。」
などと話しますが、もう一つ大事なのが、『再発生したワラビには手を出さない』ということだと思う。ワラビの場合、採ってしばらくすると新たな芽を伸ばすんだけど、それをも採ってしまうと、徐々に株が細くなっていくのだ。
その辺の配慮をきっちりとやっているから、こうして毎年、素晴らしいワラビを戴けるのだと思う。
「もう、満足だ。」
「じゃあ、戻るか。」
「うん。ありがと様。」
早くも朝日が差し始めた踏み跡を辿る
タニウツギが盛りを迎えようとしていました
湯殿山も見える
来週からは、そちらでお世話になることになるでしょう。よろしくお願いします。
そして、Y川の山の神様、本日はありがとうございました。
お陰様で、充実した朝仕事になりました。