北校舎

2011-10-28 08:29:04 | Autobiography
1981 年…おいらが小5の2学期初日。
大宮に舞い戻ったウチら家族…おいらは懐かしい小学校の校舎にいた。

おいらがいなかった3年ちょっとの間に木造2階建ての『中校舎』は取り壊され、『南校舎』がL字型に増築されていた。

新しいクラスは5年2組…『北校舎』の2階。
小1の時に使った教室の真下。
当時のままの校舎はこの北校舎のみで、昇降口から階段ホールに真直ぐ抜ける広い造りが懐かしかった。

教室に入ると…知っている顔が何人かいた。
凄く『ホッ』とした…あぁ、帰ってきたんだ。

南校舎が邪魔で教室から見える景色は面白いものではなかったが、ベランダが付いた校舎は久しぶりで、窓に落下防止の手すりがない分だけ気持ちよく窓に持たれて外を眺められた。
早くみんなと話がしたい…あの頃の様に…。

そわそわとした授業時間がおわり、
『待ってました!』の休み時間、知っている顔のところに話しに行く…だが…。

『…。』
あれ?なんか違うなぁ…。

他の人のところにも行ってみる…。

『…。』
やっぱり…なんか違う。

そして、やっと気が付いた。
おいらの持っている彼らの記憶は3年前で、それから彼らもおいらも成長しているってことを…。
5年生になって、2年生の服が着られるわけがない…。

記憶は立ち止まり、時間とともに美化され風化する。
あの頃と変わらないのは…北校舎だけだった。

知っているようで、知らない。
近い様で、遠い。

知っていることが、かえって難しい環境を作るなんて…そのタイミングでは、まだ分かっていなかった。

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