遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

友に

2011-10-31 22:56:17 | 大学生活
電話をくれてありがとう。まあ、相変わらず景気の悪い話しだったが、愚痴ったり迷ったりする力が残ってるんだな。まだ大丈夫だと思うよ。すまんね。全然頼りになんなくて。

僕は知識も情報もアイデアもなくて、求められているような言葉を引き出せなかったけど、そちらも電話する前からそうとわかってたんだろ? 僕自身、どこにも行けず、何にもなれず、ジダバタ無様にあがいたり、カッコ悪い失敗重ねて今の状況に至るわけで、運が悪かったり、ついてなかったり、壁にぶつかったり、小石に躓いたり、途方に暮れたり、自分にがっかりしたりの繰り返しなんだ。道は自分で探さないと後悔するぞ。すぐに答えは出ないし、簡単に出口も見つからないだろう。しかし、むしろ容易く見つかるものはたいてい大外れだ。注意しろ。

成功を収めていい地位にいてたくさん研究費をとってる人も、振り返ると「もうこの人はダメじゃないか」と思えるような窮地にかつてはいたりしてたなんて、長年この業界でメシ喰ってたらいくらでも例を挙げることが出来るよ。順風満帆で来た人の方が少ないんじゃないか? だから、少なくとも成功した人は『諦めなかった人』の中にいるんだよな。月並みだけど。

もちろん誰もがその人なりに生きているんで、道を途中で変えたとしても、そん人の人生なのだから他人がとやかく言うのは大失礼だと思うよ。自分は生命科学をやっているからこそ、生きているというだけでそれは奇跡のように貴重なことだと知っている。どんなメシを喰ってるかとか、どんな服きてるかとか、どんなとこに住んでるかとか、そんな表現形質なんて些末なことだ。

八方ふさがりだというのは、本人がそういうのならそうなんだろう。それならそこにしがみついてろ。どんなにつらくてもだ。「見えない」ことは苦しいだろう。僕に想像できるような半端なつらさではないだろう。でも、それは自分で引き受けて自分で乗り越えるしかないじゃないか。誰かに代わってもらえるものではないのは、自分でよくわかってるんだろ。

また電話してくれ。
コメント (4)
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