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今の日本国に大事な物「漢学の復権」

2023年12月11日 07時39分47秒 | 日本文化論

 今の日本に欠けている物がある。それは明治以来というよりも、事に敗戦以来、順次日本社会と人が無くして行ったものである。具理性が持て囃され何に於いても合理性と尊ぶ事は好いとしても、段々に日本人はその精神性の背骨を失っていった。この歳に成るとその事を一層強く感じるものが在る。永く日本文化の根底には漢学が在った。例えば江戸の250年は、幕府の推奨が在った、新儒教である朱子学が国の精神性の根幹であった。朱子学は南宋の思想家、朱熹が四書五経を新たに解釈して作り上げた物である。勿論のことだが漢学とは朱子学のみを言うのではない。文献としては四書五経を使ったが、日本の漢学はその文献を更に日本流に加工し付け加えまた再解釈し新たに日本的世界観を付け加えた。それがいわゆる漢学である。日本的漢学は支那には存在しないし、とうに四書五経は廃れて其れを読める者は科挙に合格した者を中心に、少数の読書階級であり大多数の99%の庶民は漢字とは無縁であった。然もシナ大陸では民族の攻防が激しく古代の儒教を創造した民族はもう残って居ない。古代の秦帝国を作ったのは西域のウィグル系の民族であった。シナの語源ともなった秦は僅か20年ほどしか続かなかった。果たしてそれが帝国と言えるのか?。近々に於いても世界的帝国をつくった元はモンゴル人の帝国であり、最後の王朝である清をつくったのは満州人の王朝である。この様に漢学の元となった民族は、とうに消滅してシナ大陸には存在しない。誠に天地流転の世界である。

それに反して、日本人の日本列島は歴史の博物館とでもいえるほど、遠い古代の遺品が残されている。それは文献にとどまらず数々の珍品が正倉院の御物として残っている。日本は世界の荒々しい大波に洗われることなく時間的には2万年の歴史的連続性を保持している。日本は世界に類を見ない人間のタイムカプセルと言えるのではないだろうか。日本人の精神的骨格を作ったのはもちろん縄文時代に発する多神教であり神道の原型である。だが日本国の文化はその基本的な骨格を基にして。海外からも積極的に学び、日本の骨格に合わない物は捨て去る。日本の骨格に合うものだけを取り入れるのである。

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