模型を始めた頃、TMSや「模型とラジオ」を見ながら白ボール紙やケント紙を切り刻んで16番のペーパー車体を作りました。
近所の「ササハラ」で補強のヒノキ棒や屋根のバルサなどは安く容易に手に入ったから、車体は組み上がるのですが、下回りが高くて手に入らずそのまま放置するパターンでした。
このキットも発売当初に購入したので、もう30年近く経っております。
当時よく作ってたナローの電車に改造するつもりだったのですが、やはり路面電車は軽便電車に成り切らずやがて仕舞い込まれたままになっておりました。
最近になって、当時の動力キットを入手できたので、引っ張り出した件のキット。
箱はシミだらけ、デカールも黄ばんでしまっていましたが、肝心の中身は健在だったので手をつけました。
造形はとてもいい感じです。車体の抜き勾配が大きいので丁寧に直し、組み上げていきました。
子供の頃知寄町車庫でかいま見たツーマン仕様のスマートさが印象的で作例も見かけませんので、それを作るべく標識灯やスピーカー、ミラーの穴などを削り落としたりランナー引き伸ばし線で埋めました。
パンタ。某氏から譲っていただいたトミー名鉄510用をいさみやのカラープライマー黒で塗り。
折り畳みはプラ部分の塗装剥げ防止のため厳禁w
パンタ台はクレオス#33艶消し黒で塗り、ニュアンスの差を付けました。
屋根はクレオス#116ブラックグレーに#189フラットベースなめらか/スムースで艶を落としてあります。
方向幕はちょっと凝りまして、キットの幕部分をくり抜き。劣化したデカールをハガキ用紙にカラーコピーして切り抜き、表から1ミリくらい後退させて嵌め込みタミヤのクラフトボンドで固定。方向幕にエンドウのキャブロイドを嵌め込みガラス越しの幕を表現しました。
この作品で一番気に入ってる部分です。
ヘッド/テールライトも穴を開け自作のレンズを入れました。
乗工社から以前出ていた動力キット。地元のポに廉価で出ていたのを手に入れたことが、このキットを組む動機になりました。
既に組み上がっていたので一旦バラして戦場し、いさみやのカラープライマーの黒とグレーを調色して塗りました。
車体は全体をGMアイボリーBの缶スプレーで塗り潰し、マスキングしてGM京阪ライトグリーンを缶から出してエアブラシで塗りました。
上下の緑はクレオス#319薄松葉色。ちょっと燻んだ感じがこの電車にピッタリ。ワタシはこの色が気に入って多用しております。
窓ガラスはこのキットの鬼門ですね。
色差しダルい…Hゴムは三菱CDマーカー、アルミサッシはクレオス#9銀を筆塗り。
保護棒がモールドされておりますが、クドくなるのを嫌って透明のままにしておきました。
当初はN用のマグネマティックカプラーを付けて、ジャンパー栓も表現するつもりでしたが、ふと気が変わりカプラー無しとしました。
排障器の欠き取りはもう一両ぶんの排障器パーツから切り出して埋め。ちょっとすっきりしました。
カトーのワム80000用インレタから「627」を貼り(特定ナンバーではないことをお断りしておきます)模型歴49年目にして初の16番完成作品。
かなり気に入っております。
鏡川橋を渡り伊野の街に溶け込み、播磨屋橋の交差点で僚友とすれ違う彼らに、また会いに行きたくなりました。