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卓越性の探究者、波田野が皆さんに販売戦略・営業手法についてや、コミュニケーションについて思う事をお届けします。

マーケティング研究 他社事例 その92 ブランド延命の極意②

2017-10-21 08:19:50 | ビジネス
こんにちは、彩りプロジェクトです。

このブログでは、中小企業支援を目的に様々な情報提供を行っております。

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彩りプロジェクトは経済産業省・内閣府 経営革新等認定支援機関(関財金1第492号)です。



ブランド延命の極意②

ただ、革新的な技術もいずれ陳腐化してしまうものです。

消費者は新たな価値を持った商品に流れていくものです。

花王がアタックのブランド延命を狙った戦略が「改良」だったのです。

それも過剰だと思うぐらい徹底したものでした。

粉末タイプは以下の改良を加えていきました。

2001年に冷たい水でも粉末がすぐに溶ける「エアーイン構造」と呼ぶマイクロ粒子洗剤を実用化しました。

2006年には、漂白成分と柔軟成分を配合したタイプを発売しました。

2009年には、高活性バイオ酵素を開発し、洗浄力をさらに高めた洗剤を発表したのです。

粉末タイプは、こうした大型リニューアルの含め、30年間で大小30回以上の改良を繰り返してきたのです。

順風満帆に見える花王の戦略も、2000年代に入り、アメリカ大手のP&Gなどの競合他社が液体タイプで攻勢をかけてきたのです。

液体タイプへの対応が遅れていたために、花王は一時シェアを落としてしまいます。

しかし、花王は強みの研究開発力を総動員し、水の使用量を大幅に抑え、すすぎを従来の2回から1回に抑えられる濃縮液体タイプの「アタックNEO」を2009年に市場投入したことで、反転、シェアの取戻しに成功したのです。

もしも過去の粉末タイプの成功にこだわり続けていたら、現在のシェアがどうなっていたかわからないと思います。

その後も、主力商品と位置付けた濃縮液体タイプだけで十数回の改良を実施しました。

立ち位置を柔軟に変え、過去の成功を「捨てた」ことで、ここ10年でシェアは7ポイントもアップしました。

消費者離れは、メーカーの独りよがりです。

しかし、それを排し、ブランドの強さを維持し続ける花王の強さは何なのでしょうか?

(続く)



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