こんにちは。恋愛コンサルタントの菊乃です。 婚活中の女性からよく聞く「“普通の男性”でいい」。でもそれって、本当に“普通”の男性でしょうか?
「私、バカとは付き合いたくないんです」
「旅行が好きという話になって、どこに行きたいのって聞かれたからウラジオストクって言ったら『それどこ?』って聞くんです。頭悪いなと思って冷めてしまって。 でも、こういうことに妥協できないから婚活がうまくいかないんですよね。彼ともう一度会った方がいいんでしょうか?」
真由美さん(仮名)はそう言って肩を落とした。34歳有名私立大卒、身長は160センチ台半ば、上場企業の営業職の彼女とお会いしたのは、数年前の11月後半。冒頭のウラジオストクを知らない男性とは、マッチングアプリで知り合ったらしい。 「別に告白されたわけじゃないですし。告白されてから、プロポーズされてから断ることもできますし、向こうだって会いたいと思っているとは限りませんよ」 「まぁそうですけど。でも……」
真由美さんの男性に求める条件は非常に厳しいものでした。ヒールを履いた自分よりも背が高い、年収は自分以上、大学も自分と同じかそれ以上。彼女いわくそれが「普通の男」なのです。 「私、バカとは付き合いたくないんです」
「でも」「だって」彼氏ができない明確な理由
真由美さんは大学時代の彼氏に不満を持ちながら、ずるずると27歳まで交際していました。
「彼とは何となく付き合っただけで、好きだったのかと言われると正直自信がありません」 「若い時はそんなものですよね。でも27歳はまだ若いし、その次に出会いはなかったの?」
「合コンに誘われることもありました。二人で会った人もいたんですけど、女性の影がちらつく人で」 「何かあったのでしょうか?」 「名前を間違えられたのです」 「それは……他の女性がいますね」
決してモテないわけではなかったようですが、彼氏ができなかったのには理由が……。 「その後も出会いはなかったわけじゃないですが、なんか違って」 「何が違うの?」 「向こうから連絡先も聞いてこないし」 「自分で聞けば良いのでは?」
「でも、グループLINEを作っても個別に誘ってこないし」
「自分で誘えば」
「だって、誘ってこないんですよ」
「誘ってもらいたいの?」
「う~ん。私が誘うほど会いたいわけじゃないし」
「合コンの2時間で大したこと分からないでしょう。会いたいというより、知りたいぐらいで誘っていいのよ」
真由美さんはとにかく「でも」「だって」が多いのです。理由をつけて自分から動くことはしないので、せっかくの機会も無駄になっていました。
「う~ん。でも~、私が会いたいと思っていると勘違いされても迷惑だし」 「勘違いさせておけば?
真由美さんは向こうが誘ってくるなら、『しょうがないなぁ。そこまで言うなら会ってあげてもいい』って思っていない?」 「……そうですね。女性から誘うってありなんですか?」 「ご飯ぐらいありだよ」
こうして、愚痴と不満を言っているうちに20代が終わったのでした。
30代で始めたアプリはまさに地獄……
30代になり合コンの誘いも減り、マッチングアプリを利用するようになった真由美さん。そこで、今まで出会ったことのないような男性と出会うように……。
「ほっっんとうにいろんな人がいました。たくさんいいねが付くんですけど、20歳年上のおじさんからだったり、30代ってこういう人からも対象と思われるのかとがっかりしました。
それに、いいねをくれた人でも、会ってみたいと思える人はぐっと減って。マッチングしてやり取りをするようになっても連絡が途絶える人もいました。
初デートなのに待ち合わせ場所がデパートのレストラン街とか。LINE交換をしたら、彼女でもないのに『おはよう』とか毎日連絡が来る人も……。
別れ際にキスしてくる人もいて。ほんと“普通の男性”っていないですね」 「アプリはいろんな人がいますね。
でも、別にレストラン街でもいいんじゃないの?お店予約していないのが不満なの?」
「そういう時って、“普通は”男性が予約しているものじゃないんですか?」
「そういう男性もいるけれど。デートの誘い方がスムーズなことと、結婚後の幸せはあまり関係ないですよ」
「そうですけど……。なんかモテなそうな人ばっかり」
「そうかもしれませんね。でも真由美さんがそのレベルなんだよ、厳しいことを言うようだけど」
真由美さんはまた肩を落とします。 「それぐらいわかってます。もう彼氏いない歴7年目でモテないんです」
“普通の男性”は普通じゃない
彼氏いない歴7年目。経験は大学時代に付き合った彼氏のみ。ようやく、真由美さんは自分がモテないことを受け入れました。
さらに、失敗が怖くプライドが高いため自分から誘うことをしないので、ぐいぐい来る人に遊ばれてしまう。
彼女が求めていた“普通の男性”は普通ではないことに気づいたのです。
「アプリはやめます。向いていないみたいだし、結婚相談所とか婚活パーティーも参加してみようかな」
「いいんじゃないでしょうか」
「でも、婚活パーティーに参加したら、彼氏欲しくて必死なんだなって感じですよね」 「必死に婚活するのってみっともないかな?」
「いや……。そうじゃないですよね」
その後、真由美さんは婚活パーティーに申し込んだり、結婚相談所の説明を聞きに行ったりしました。ある婚活パーティーでは、これまでの真由美さんならば眼中に入らないであろう身長が同じぐらいの男性とマッチングしました。
彼から「付き合ってください」と言われたときに、
真由美さんは「来年35歳になる女に『付き合って』だけ?」と迫って、
結婚前提の交際にクロージング。
今は結婚して、ワーキングママとして仕事も育児も頑張っているそうです。