安倍「国葬大失敗」で岸田総理がヤケクソ…!この秋、イチかバチかの「電撃解散・総選挙」へ
衝撃の事件から2ヵ月、岸田政権は坂を転げ落ちるように支持を失った。露呈した無策ぶりから国民の目を逸らし、自民党内を黙らせるには、もうこれしかない。イチかバチかの大勝負が始まる。 【写真】森喜朗元首相が「血まみれ」で倒れ、集中治療室へ…一体、何が起きたのか
やる前から失敗確定
9/13/2022
写真:現代ビジネス
安倍晋三の国葬まであと2週間――岸田文雄は後悔している。いつものように「検討する」と言って、お茶を濁そうと考えていたのだ。副総裁の麻生太郎にすごまれて、思わず折れたせいで、歯車が大きく狂った。
「総理が初めから国葬を開くつもりだったら、安倍さんの死後すぐに半旗を掲げていたはず。当初は自民党内でも『政府と党の合同葬でいい』という意見が大勢だった。しかし、自身の後ろ盾で安倍さんの親友でもある麻生さんに『国葬だ』とクギを刺されては、総理も頷くしかなかった」(自民党幹部議員)
弔問外交で、安倍のレガシーを偲ぶ。捻り出したそんな言い訳も空しく、各国首脳は次々に「不参加」の連絡をよこした。
「ドイツは元大統領のウルフ、アメリカは副大統領のハリスが来るというが、各国の三、四番手以下と会っても仕方ないよ。それに費用が総額16億6000万円、うち警備費がたった8億円というのも怪しい。警察だって今度は絶対に失敗できないんだから、入念に警護体制を整える。少なく見積もっても30億円くらいはかかるんじゃないか」(別の自民党幹部議員)
森喜朗「連絡不通」の衝撃
万が一、事故やテロでも起きようものなら、国民の呆れと怒りは爆発する。そうでなくとも、世論調査では6割近くが反対しているのだ。政権発足から最低となった支持率が、9月27日の本番まで、いや終了後も下がり続けるのは間違いない。
だが、そんな岸田の内心を知ってか知らずか、安倍を崇拝する議員らは空気の読めない発言を続けている。自民党北海道議会議員の道見泰憲は、ツイッターで「国葬に反対する方々にお伝えしたい(中略)もう黙ってろ」と暴言を書き込み、大バッシングを浴びた。
岸田と筆頭秘書官の嶋田隆、官房副長官の木原誠二らのモットーは「世論調査で過半数が反対する政策はやらない」。もちろん安倍の国葬も条件に合致するが、今さら止めることもできない。
〈やりたくもない国葬を押し付けられて、ここまで追い込まれるとは。これは呪いなのか〉
追い討ちをかけたのが、自民党の長老OB・森喜朗の問題だ。東京五輪のスポンサー契約をめぐる汚職事件で、紳士服大手・AOKIからの収賄疑惑が浮上していたが、9月7日、その森と連絡がつかなくなり、官邸に大きな動揺が走った。
「同日昼、(ホテル)ジ・オークラに岸田総理、麻生副総裁、松野博一官房長官、茂木敏充幹事長が集まりました。表向きは国会の閉会中審査について話し合ったとされますが、実際はこの日、森さんが東京地検特捜部の事情聴取を受けた。そのまま逮捕や起訴された場合の対策を緊急協議したのです」(官邸関係者)
開き直るズブズブ大臣
旧統一教会絡みの炎上が9月になっても収まらないどころか、自民党全体に延焼したことも、岸田にとって完全に計算違いだった。痛かったのは、以前から岸田が懇意にしてきた安倍の元子分、萩生田光一の体たらくだ。安倍派の次期領袖候補である萩生田を、岸田は政調会長で処遇し、安倍派内の「スパイ」にしようと目論んでいた。それが今や、萩生田の政治生命そのものが危ぶまれつつある。
「萩生田さんの地元の八王子では、これまで統一教会との関係をあまり知らなかった昔からの支持者が激怒し、離れ始めた。創価学会からも猛烈な突き上げを食らっている。もともと彼は選挙に強くないから、下手をすると次の総選挙で負けかねない。党内では『とにかく政調会長から外すしかない』という声が大勢だ」(自民党東京都連幹部)
経済再生担当相で入閣させた山際大志郎の往生際の悪さにも、岸田は頭を抱えた。秘書が旧統一教会信者であるとの疑惑が報じられても「いちいち思想信条の確認なんてできない」と開き直り、全く引かなかったのだ。前出の中堅議員が言う。
「総理が山際さんの首を切れなかったのは、本人が残留を強く希望しただけでなく、彼の後見人の甘利(明前幹事長)さんが加勢したせい。動静には出ていませんが、8月7日に甘利さんが官邸入りして山際さんの留任を強く要請した。甘利さんは麻生派の大御所ながら、去年の総裁選で派内を河野(太郎デジタル相)支持でまとめず岸田選対に加わったから、総理は頭が上がらないのです」
崩れた体調と方程式
現実から目を背けるようにして、夏休みにはゴルフにかまけた岸田だが、コロナにかかって「リモート公務」の醜態をさらした。岸田が映るモニターに番記者たちが密集する滑稽な光景は、国民の失笑を誘った。
「コロナから復帰した後も、総理は体調が思わしくないようです。官邸の中を歩くときも足取りが弱々しく、後遺症があるのではないかと囁かれています。9月3日には赤坂の病院で健康診断を受けましたが、前回の検査から1ヵ月しか経っていない。潰瘍性大腸炎に苦しんだ安倍さんでさえ検査は半年に1回でしたから、よっぽど参っているのでしょう」(前出・自民党中堅議員)
岸田政権が高支持率を保っていたのは「何もしなければ批判もされない」という、ある意味で「最強」の戦法をとってきたからだ。ところが安倍の死という想定外の事態に見舞われ、その方程式は崩れ去った。ある自民党閣僚経験者が言う。
「今、総理が危惧している展開は二つ。同じ宗教絡みの創価学会叩きに発展すること、そして『日韓トンネル』問題に本格的に火がつくことです。特に統一教会の教祖・文鮮明が提唱した日韓トンネル構想は、その研究会に麻生さんが顧問として関わっていたし、統一教会の寄付金集めの口実に使われていたとも言われている。マスコミがこの件を探り始めたと聞いた麻生さんは『もう一段、厳しいフェーズに入るかもしれないな』と、珍しく弱音を漏らしていました」
政権発足から丸1年たたずして、岸田の進退は窮まった。もはや打開策は、ひとつしか残されていない。総理大臣だけが持つ、政界唯一にして最強の「宝刀」を抜く―国葬直後に衆院解散・総選挙に踏み切って、すべてをリセットするのだ。 岸田に残された打開策は、もはや総理大臣だけが持つ「伝家の宝刀」すなわち衆議院解散しかない。後編記事p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; font: 12.0px 'Helvetica Neue'} 『安倍「国葬大失敗」で自民党重鎮「岸田政権はガタガタだな」…この秋「ヤケクソ解散・総選挙」へ! 』 で、その策略を引き続き紹介する。
「週刊現代」2022年9月17日号より
週刊現代(講談社)