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第1志望に「3分の2が不合格」中学受験の現実 

2024年01月22日 08時03分04秒 | 受験のこと
第1志望に「3分の2が不合格」中学受験の現実 入学して“今はここで良かった” #こどもをまもる


12/10(日) 17:00配信


Yahoo!ニュース オリジナル 特集
3年前に使っていた塾の教材と写る葵さん


A校の入試では力を出し切った満足感があった。午後の受験校へ向かう途中、1日午前のB校の不合格を知った。「疲れていて『あぁ、そうか』という感情ぐらいでした」。電車の中で母が作った弁当を食べ、眠った。疲れが出てD校は問題が頭に入らなかった。


2日夜に本命A校も不合格になり、2日目を終えた時点で合格はゼロ。潤さんは3日午後に行われるC校に再チャレンジの出願手続きをした。3日午前に都立中高一貫校を受けた後、葵さんと潤さんは地元の店でパスタを食べた。口数が少ない葵さんに潤さんは「つらかったら、もう受けなくていいんだよ」と声をかけた。


「このまま地元の中学に行くことになるのかな……」。葵さんの頭には塾の仲間や応援してくれた学校の友達の顔が浮かんだ。「今さら地元には行けない」。再びスイッチが入り、C校へと向かった。その夜の11時、C校の結果が判明。計6回目の受験で初めて合格を手にした。嬉しいというより、ほっとした。


クラスの大半が「第1志望じゃなかった」に挙手
C校に入学して間もない4月上旬。葵さんが驚いたことがあった。男性の担任教員が「この中で第1志望じゃなかった子は?」と聞くと、クラスの大半の生徒が手を挙げた。「じゃあ第1志望だった子は?」。手を挙げたのは数人だった。「そうだよね、第1志望の子もいれば、そうじゃない子もいるよね」と担任は言った。


「私だけじゃないんだ」。葵さんは自分と同じ境遇の子が多いことにほっとした。同級生と互いの受験をオープンに話すことで、気持ちがほぐれ、友達が増えていった。そして学校が好きになった。


受験の家族は“桜”が咲くのを心待ちにしている


一方で、中1の1学期ごろまで「A校に通っていたらどんな生活を送っていただろう」ということが頭をよぎるときがあった。友達の中には、入れなかった第1志望の学校のキーホルダーを中1の冬までカバンにつけていた子もいた。葵さんはいま思う。


「『あの学校に行きたかった』という気持ちはたぶんみんな持っている。でも同じぐらい『思った以上に今の学校はいい学校』と感じているんだと思います」


中3の今は、心の底からこの学校で良かったと思っている。


平均の出願数は6.9校 10校以上受ける子も
少子化が進む中、首都圏の中学受験は過熱している。2023年入試の受験者数は、私立と国立中学を合わせて過去最多の5万2600人だった。増加の要因として、中学受験に関わる教育関係者が指摘するのがコロナ禍だ。休校期間中、私立校は公立校と比べオンライン授業への切り替えが早かったことなどから、私立人気が高まった。湾岸エリアや新規開発が進むエリアを中心に教育熱心な親が増えていることも要因とみられる。


首都圏模試センターの調査によると、直近2023年の入試では、男女とも願書を出した学校の平均は6.9校。実際に受けるのは平均3.9校だが、10校以上受ける生徒もいる。


こうした受験熱の高まりの中、シビアな現実がある。受験生が多いということは、言い換えると、その多くが第1志望の学校に入れないということだ。


中学受験のコンサルティングを行う森上教育研究所の森上展安さん


中学受験のコンサルティングを行う森上教育研究所の森上展安さんは言う。「コロナ禍以降のここ2、3年は高倍率が続いています。(大手学習塾の)四谷大塚の偏差値で40台半ばぐらいまでの学校はだいたい3分の2の受験生が不合格となる現実があります」。模試では合格可能性が高くても、12歳の受験はプレッシャーや体調で実力をうまく出し切れないこともある。


一芸に秀でた同級生を見て「すごい」
中学受験に臨む子は、公立中学を選択する場合を除き、第1志望ではなくても受験した学校のどこかに入学することになる。


都内の中学2年生の有坂航さん(仮名、14歳)は、小5で塾に通い始めた。両親とも中学受験の経験者で、父の浩紀さん(仮名)が勉強を教えた。小さいときから本が大好きだった航さんは国語が得意だった。自然豊かで自由な校風に惹かれ、「男子御三家(開成、麻布、武蔵)」を第1志望に決めた。


1月に埼玉の2校を受験。1校は合格、もう1校は合格にあと1点届かなかった。2月1日午前に本命校を受験、午後は近年人気が上昇している共学校を受けた。2校とも手応えはあったが、夜になって午後受験した共学校の不合格が分かった。

2日午前は父の母校の男子校、午後は1日午後に受験した共学校を再び受けたがともに不合格。浩紀さんは「1、2日午後の共学校は人気が上がっていて、前年の偏差値を参考にしにくかった」と振り返る。


3日、現在通っている学校の試験を受け、午後3時に本命校の不合格が分かった。これまで不合格が続いても気丈に振る舞っていた航さんだが「何がダメだったんだろう」と感情があふれ、塾の先生への報告の電話では泣いた。浩紀さんも不合格を突きつけられ続ける息子を見るのがつらかった。でも5日、合格の知らせが届いた。「あの時の感情は言い表せません」と航さんは言う。


入学前は新生活を楽しみにしながらも「心のどこかで、本気でやらなくても学校生活をこなせる」と思っていた。


有坂航さんが読んでいる本の数々。中学生になってから読む本のジャンルが広がった


だが、実際に入学し、学校生活を送る中で気持ちに変化が出てきた。同級生や先輩にはスポーツや芸術分野に秀で、全国レベルの大会で活躍する生徒がいた。好きなことに打ち込む姿を素直に「すごい」と思い、刺激を受けた。


今はテニス部に所属し、学外のスクールにも通うほどテニスに打ち込んでいる。大学との連携が多く、学校の授業も面白い。そんな航さんを見て、浩紀さんは「行くべき学校に進んだ」と感じている。母の理子さん(仮名)は保護者として、学校行事の参観や手伝いなどに積極的に参加する。「親も子も進学先の学校に興味を持って関わると、学校の良さに目が向き、楽しめるようになると思います」


レゴブロックで交流促進 愛校心を育む取り組み
文部科学省の2022年度の学校基本調査によると、首都圏の国・私立中学校は315校。偏差値も個性も異なるさまざまな学校があるが、全ての受験生が第1志望で入ってくるわけではない。


こうした学校の多くは、生徒が入学した学校に愛校心を持ち、自己肯定感を高めてもらう取り組みを行っている。


首都圏模試センター教育研究所長の北一成さんは「各家庭の価値観が多様化し、御三家といわれる難関校に受かっても別の学校を選ぶケースもあります。その意味では、ほぼ全ての学校が併願校といえます。こういう状況なので、全ての学校が子どもたちに学校生活に慣れ、楽しんでもらう工夫をしています」と話す。


そうした「工夫」とは、どんな取り組みなのか。


JR山手線・駒込駅から徒歩数分。東京・北区の聖学院中学校・高等学校は、キリスト教教育の男子校だ。「Only One for Others」の理念を基に、誰もが神から必ず才能を与えられていると教え、自己肯定感を高める教育を行う。

以下はリンクで、

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