ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

中頓別鍾乳洞(前編)

2021-10-10 17:49:49 | ホルマリン漬け北海道 大自然の驚異編

・中頓別鍾乳洞(枝幸郡中頓別町字旭台)
(2020年8月訪問)

北海道内の鍾乳洞といえば、高純度の見事な鍾乳石が見られる上川郡当麻鍾乳洞が有名ですが、道北の中頓別町にも一般公開の鍾乳洞があると知ったのは比較的最近のことです。
日本の鍾乳洞の多くは、サンゴをはじめとする石灰質の殻などが暖かい海底に堆積した後、地上に押し上げられた石灰岩層に出来たもの。
対して、中頓別鍾乳洞はサンゴのいない冷たい海で、フジツボ類やホタテガイの殻が堆積した貝殻石灰岩にできた大変珍しい鍾乳洞であるといいます。
形成時期は比較的新しいものの、昭和13年には道の天然記念物に指定されており、一帯は日本最北のカルスト地形として、数々の特徴的な風景が見られるとのこと。


2020年8月16日。オロロンラインを北上、稚内宗谷岬を経由し、猿払、浜頓別のオホーツク海沿いを南下して中頓別町にやってきました。遠いですね……。
看板に従い、鍾乳洞のある「中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園」を目指します。


公園入口のゲストハウス「ぬく森館」に着きました(入館無料)。
1000万年前は海の底だったという中頓別町。鍾乳洞の概要や発見に至る経緯をはじめ、町内で採取された化石などが展示されているのでまずはお勉強しましょう。

鍾乳洞内にはコウモリもいるようです。

モモジロコウモリとウサギコウモリが生息しているとか。
運が良ければ出会えるかも!」とありますが、狭い洞窟内で飛び回られたら嫌だな……(^_^;)
その他、ニホンザリガニやカマドウマ、トビムシなどが住んでいるそうです。


ここ「ぬく森館」から鍾乳洞まで数百メートル歩くのですが、公園内と言えども周辺にはヒグマが多いのか、ご覧の通りクマよけの鈴が貸し出しされています(!!)
さまざまな大きさや音があり、好きなものを選べます(笑)。適当に革製ベルトでぶら下げられる大きめのをチョイスしました。
いきなりの探検ムードに気分が高まってきました……。

なお、公園、鍾乳洞ともに無料ですが、同館で協力金を受け付けています。


公園内マップです。敷地内にはメインの第1洞のほか、第3洞、第4洞があるようです(第2洞は土砂崩れにより入口消滅)。
そして鍾乳洞の他にも、カルスト地形に関連した見どころが点在しています。

階段を登って行くと、最初の見どころ「軍艦岩」が現れました。



これぞ、約1000万年前、まだ海の底だった頃にフジツボやホタテガイの死骸が堆積した貝殻石灰岩です。
隆起と河川による浸食で、このように取り残されるような形になったと考えられています。
縞状の模様になっているのは何度も堆積を繰り返したことによるもので、フジツボ類の密集度の違いによって、侵食時に段差がついたのだそうです。
近づくと、フジツボの細かな破片によって岩が形成されているのが分かります。

ひとけの無い遊歩道、ケータイは圏外……。



昭和31年、北海タイムズ社の「文化財百選」に選定されたときの記念碑が、石灰岩の上に建っていました。


そして鈴をガラガラ鳴らして歩くこと約15分、ついに鍾乳洞入り口(第1洞)に着きました!!


この第1洞は長さ約170メートル、高低差15メートルの範囲が入洞可能との事ですが、全体で見ると4層(階)構造となっており、道中に第2支洞(約60メートル)、第3支洞(約90メートル)が直角で交わっています(いずれも入洞不可)。
我々見学者は1階から3階部分へ登って行く形になるわけです。



入り口ではご親切に懐中電灯がレンタル可能。これまた気分を高めてくれますね(^_^)。
さっそく一本お借りし、探検スタートです。


まずは、高さ数メートルはある縦長の見学路を進んでいきます。
天井を見上げると岩が波打って開けており、これはかつて蛇行する水の流れがあった痕跡、「メアンダートレンチ」と呼ばれるものだそうです。


少しずつ奥へと進んでいきますが、一定間隔でライトアップされているため、懐中電灯を使わずともそれなりに明るいです。
見学路から奥を覗きこむと、流水による浸食などで岩が滑らかに形成された「波状溶食痕」が確認できます。



そして、ここから階段を上り「2階」部分へ。
だんだん狭くなってきましたよ……。


後編へ続く。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« (広島県福山市)福山自動車... | トップ | 中頓別鍾乳洞(後編) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ホルマリン漬け北海道 大自然の驚異編」カテゴリの最新記事