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日本ユーラシア協会広島支部のブログ

本支部は、日本ユーラシア地域(旧ソ連邦)諸国民の相互の理解と親善をはかり、世界平和に寄与することを目的とする。

第22回日本語による平和弁論大会

2011-11-21 08:09:33 | 日記
第22回日本語による平和弁論大会 第23回谷口清平和賞贈呈式(受賞者:坪井直さん)
主催:ヒロシマ・ピースセンター
日時:2011年11月13日(日曜日)10時~
場所:鶴学園(広島工業大学)広島校舎(中区中島町)

第1位受賞 アイダナ・アシキウパエワさん(山陽女学園高等部2年)
「今、平和を考えることが、次の世代に平和をもたらす」

 初めまして、私はアイダナです。カザフスタンのセメイから来ました。セメイの昔の名前はセミパラチンスクです。今、山陽女学園高等部の2年生です。これは私の国の国旗です。
 
 日本に来るのは、私の子どものころからの夢でした。私が日本に行きたがっていることを知った両親は、佐々木禎子さんの話や広島と長崎の悲劇についても話してくれました。その時私は、広島と長崎はセメイに似ていると感じました。
 1949年から1989年まで40年間、セメイの人々はセミパラチンスクの核実験に苦しんでいました。
 セメイには佐々木禎子さんと同じ子どもたちがたくさんいました。そんな子供の一人は私の伯母さんでした。アルフィア(Alfiya)伯母さんは、私の母のお姉さんでした。1962年にチャロバイという田舎に生まれました。チャロバイはセメイから約150キロ離れています。そこの住民は、セミパラチンスクの核実験場で、もう10年以上核実験が行われていることを知りませんでした。
 伯母さんは元気いっぱいな子どもでした。でも、10才の時、突然発作が起こりました。田舎の先生は発作の理由がわかりませんでした。両親は彼女をセミパラチンスクの病院につれて行きました。そこで診断を下されました。白血病でした。「何の病気?どうして彼女は病気になったのかしら?今まで家族のみんなは元気だったのに...」と両親は思いました。先生に核実験のせいですと言われました。伯母さんは入院させられました。病院で彼女は、自分と同じ病気になったたくさんの子どもたちと会いました。
 母から伯母さんは本を読むことが好きで、学校では優等生だったと聞きました。病気になったころから、彼女に医師になりたいという夢ができました。病気で苦しむ人々を助けたかったからです。
 でも病気のせいで、伯母さんはほとんどの時間を病院で過ごしました。彼女は16才になりました。高校での最終学年です。また一年、医師になる夢の実現が近づいてきました。伯母さんは卒業式の準備をしました。かわいいドレスと靴を買いました。でも、6月の20日に最後の発作が起きました。私の伯母さんの心臓は、それにたえられませんでした。彼女のかわいい服は着られないままでした。彼女の大学で医学を勉強するという夢はかないませんでした。
 私の母と伯母さんは、とても仲良しでした。二人はよく未来のことや平和について話をしたそうです。そんな恐ろしい病気になっても、伯母さんは平和な世界を信じ続けていました。
 これは私の家族の佐々木禎子さんの話です。もし病気になったのが伯母さんではなくて私の母だったら、私は生まれていませんでした。
 
 今、福島の人々のことを思う時、悲しくなります。原発事故の結果として、たくさんの人々が病気になるかもしれません。一番恐ろしいことは放射線が次の世代に影響することです。今の世代は核兵器や核実験によってもたらされる悲劇を忘れていけません。ずっと覚えておいて、次の世代に伝えなければなりません。
 カザフスタンでは、20年前に核実験は廃止されました。オルジャス・スメレノフ(oljyas Suleimenov )さんの呼びかけで、核実験の廃絶を訴えるネバダ・セミパラチンスク運動がつくられました。この活動に賛同した人々の抗議活動が始まりました。セメイの近くで働く13万人以上の坑夫たちもデモ行進に参加しました。この抗議運動は各地に広がり、規模はだんだん大きくなりました。そしてついに核実験をやめさせることが出来ました。カザフスタンで出来た事が他の国で出来ない事はありません。私は将来国と国のかけ橋になる仕事をしたいと思います。そしてふつうの人々の力で核実験をやめさせる事が出来たカザフスタンの事を知らせたいと思います。
 未来は私たちに掛っています。今、国を越えて平和を訴える事が、次の世代の安全を守ると思います。

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