日本ユーラシア協会広島支部ニュース 2016年11月30日
【広島県連理事会を開催します。】
日時 2017年1月17日日曜日 11時開催 場所 ビューポート呉
【カザフスタン共和国大統領広島訪問歓迎行事。】11月9日に開催された歓迎行事に広島支部、呉支部からも参加しました。以下はその報告です。
[カザフスタン共和国大統領広島訪問~ネバダ・セミパラチンスク反核運動で歌われた「ザマナイ(時代よ!)」合唱で市民が歓迎]
「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変しました。」で始まる2016年5月27日広島平和公園でのアメリカ合衆国オバマ大統領の演説を前にして多くの市民は「核兵器廃絶への第一歩にしよう」との願いを抱いた。その演説の陰で、広島県外から動員された警備要員の過大な数や、輸送に使用されたオスプレイの機影に眉を顰め、演説の言葉とは裏腹の米国の核兵器開発予算の拡大、広島演説の前に岩国基地での米兵・自衛隊員に対して行われた演説「オバマ大統領によるアメリカと日本の軍隊への言葉」の言い回しの中に「日米軍事同盟」強化の臭いを嗅ぐ人も多い。
9月14日地元新聞にカザフスタン共和国大統領が広島訪問を検討中との報道がなされた。10月になって、日本政府の招きでのカザフスタン大統領の日本への公式訪問が発表され、広島訪問(11月9日)に際しては広島市主催によるカザフスタン共和国大統領が歓迎行事が開催されることが決定した。歓迎行事での大統領スピーチに先立っての「ザマナイ(時代よ!)」の市民による合唱で歓迎することになり、当会会員も関わることになった。この「ザマナイ」は、カザフスタンの核実験場を閉鎖に追い込む市民運動の象徴となった歌で、カザフスタン国民のなかで歌い継がれている。カザフスタン共和国は、当時のナザルバエフ第一書記の主導・決断の下、当時世界第4位の核兵器を放棄し、セミパラチンスク核実験場を閉鎖(1991年8月29日)するとともに、中央アジア非核兵器地帯の創設(2009年アルマータ条約)を主導するなど、「核兵器のない世界」の実現に向けて国際社会をリードしている国の一つで、ナザルバエフ大統領は、長年にわたり、これらの取組の推進にリーダーシップを発揮して来た。
500名の参加者での歓迎行事では、「健やかな子らは なぜ消えた」、合唱は道田涼子さん(NPOシードオブピース代表、元劇団四季団員)とカザフスタンから来日のカシケイ・アイマンさん(日本留学経験があり。)とのソロの先導で始まり、それに市民の合唱団(道田さんの生徒と市民)が加わる形で歌われた。ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は会場を後にするにあたっては、合唱団に歩み寄られて、大統領と合唱団の子どもたちとの交流の姿が印象的だった。
[写真 優しく子ども達に話しかけるナザルバエフ大統領]
[写真 核兵器の廃絶を訴える大統領スピーチ 右は松井一實市長]
[ナザルバエフ大統領来日を記念した番組の動画が視聴できます。: https://www.youtube.com/watch?v=XFP-W9vCsXM ]
[以下は詳細です。その1]
11月6日より日本を公式訪問されていたカザフスタン共和国ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領一行は9日午前広島平和記念公園に到着された。訪問に先立つ10月27日国連総会第1委員会(軍縮)は、核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について来年から交渉を始めるとの決議を、123カ国の賛成多数で採択した。米ロ英仏などの核保有国や、米国の「核の傘」の下にある日本など38カ国が反対するとというニュースがとどいた最中の広島訪問だった。「交渉開始決議に日本が反対」これは耳を疑うような報道だった。本年5月27日のオバマ大統領の広島訪問が「核兵器廃絶への第一歩にしよう」との市民の願いを打ち消すかのごときニュースだった。
カザフスタン大統領の原爆慰霊碑への献花、原爆資料館での広島平和文化センター小溝理事長の説明の後に開催された歓迎行事に広島支部・呉支部の会員も参加した。歓迎行事は市長挨拶、特別名誉市民称号記及び市民章の贈呈、大統領スピーチに先立っての「ザマナイ(時代よ!)」の市民による合唱で歓迎することになり、当会会員も関わることになった。この歌は、カザフスタンの核実験場を閉鎖に追い込む市民運動の象徴となった歌で、カザフスタン国民の歌と呼ばれている。カザフスタン共和国は、当時のナザルバエフ第一書記長の主導・決断の下、当時世界第4位の核兵器を放棄し、セミパラチンスク核実験場を閉鎖(1991年8月29日)するとともに、中央アジア非核兵器地帯の創設(2009年セミパラチンスク条約)を主導するなど、「核兵器のない世界」の実現に向けて国際社会をリードしている国の一つで、ナザルバエフ大統領は、長年にわたり、これらの取組の推進にリーダーシップを発揮して来た。(その2は次回以降に。)
[資料:2016年10月28日岸田文雄外務大臣記者会見 外務省]
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_000417.html
国連総会第一委員会関連(2017年核兵器禁止交渉決議案に日本が反対。)(外相会見の抜粋)
【記者】賛成多数で採択されました核兵器を法的に禁止する条約締結を目指す決議案の方,これを反対したということですけれども,禁止する方向性について日本が反対するということについては,被爆者からもですね,反発も予想されると思います。こういう点については,政府としてはどういうふうに理解を得ていくお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】我が国の行動・立場は一貫しております。核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場に立ち,だからこそ,まずは我が国の決議に核兵器国も非核兵器国も,より多くの国に賛成してもらう,こういった努力を続けてきました。結果として昨年を上回る多くの国々から共同提案国にもなってもらいましたし,米国を含む多くの国に共同提案国になってもらいましたし,そして多くの国に賛成もしてもらいました。そして核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場だからこそ,核兵器禁止条約の交渉開始を内容とする決議には反対をしたということであります。そしてこの交渉が始まるのであるならば,核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場から主張すべきことは主張すべきであると私(大臣)は考えているというふうに申し上げました。このようにどの観点からも我が国の立場は一貫しているということは,是非しっかりと訴えていきたい,説明していきたい,このように思っています。
【広島県立高陽東高校出前授業】
2016年11月17日学校設定科目「世界事情」岡野先生の要請で広島支部黒川が今年度のヒロシマメッセンジャーのエカテリーナ シマキナЕкатерина Симакинаさんと参加しました。「ロシアについてのお話~ソビエト連邦の継承国~ロシア連邦の文化と風土を学ぶとともに,成り立ちから現在までを概観し,今後の我が国との関係の在り方を探る。」生徒さん達が20日の国際交流・協力の日の日本ユーラシア協会のブースを訪ねてくれました。
[写真 エカテリーナさんの授業風景]
[写真 国際交流・協力の日 山陽女学園留学生カリーナさんと交流]
【ご案内】ワークショップ 「内部被ばくの健康影響の評価をめぐって」
2016年12月10日9:30~16:40 シンポジウム
広島市南区民文化センター (広島市南区比治山本町16-27)
【秋のイベント報告等は次号以降に掲載します。】
【広島県連理事会を開催します。】
日時 2017年1月17日日曜日 11時開催 場所 ビューポート呉
【カザフスタン共和国大統領広島訪問歓迎行事。】11月9日に開催された歓迎行事に広島支部、呉支部からも参加しました。以下はその報告です。
[カザフスタン共和国大統領広島訪問~ネバダ・セミパラチンスク反核運動で歌われた「ザマナイ(時代よ!)」合唱で市民が歓迎]
「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変しました。」で始まる2016年5月27日広島平和公園でのアメリカ合衆国オバマ大統領の演説を前にして多くの市民は「核兵器廃絶への第一歩にしよう」との願いを抱いた。その演説の陰で、広島県外から動員された警備要員の過大な数や、輸送に使用されたオスプレイの機影に眉を顰め、演説の言葉とは裏腹の米国の核兵器開発予算の拡大、広島演説の前に岩国基地での米兵・自衛隊員に対して行われた演説「オバマ大統領によるアメリカと日本の軍隊への言葉」の言い回しの中に「日米軍事同盟」強化の臭いを嗅ぐ人も多い。
9月14日地元新聞にカザフスタン共和国大統領が広島訪問を検討中との報道がなされた。10月になって、日本政府の招きでのカザフスタン大統領の日本への公式訪問が発表され、広島訪問(11月9日)に際しては広島市主催によるカザフスタン共和国大統領が歓迎行事が開催されることが決定した。歓迎行事での大統領スピーチに先立っての「ザマナイ(時代よ!)」の市民による合唱で歓迎することになり、当会会員も関わることになった。この「ザマナイ」は、カザフスタンの核実験場を閉鎖に追い込む市民運動の象徴となった歌で、カザフスタン国民のなかで歌い継がれている。カザフスタン共和国は、当時のナザルバエフ第一書記の主導・決断の下、当時世界第4位の核兵器を放棄し、セミパラチンスク核実験場を閉鎖(1991年8月29日)するとともに、中央アジア非核兵器地帯の創設(2009年アルマータ条約)を主導するなど、「核兵器のない世界」の実現に向けて国際社会をリードしている国の一つで、ナザルバエフ大統領は、長年にわたり、これらの取組の推進にリーダーシップを発揮して来た。
500名の参加者での歓迎行事では、「健やかな子らは なぜ消えた」、合唱は道田涼子さん(NPOシードオブピース代表、元劇団四季団員)とカザフスタンから来日のカシケイ・アイマンさん(日本留学経験があり。)とのソロの先導で始まり、それに市民の合唱団(道田さんの生徒と市民)が加わる形で歌われた。ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は会場を後にするにあたっては、合唱団に歩み寄られて、大統領と合唱団の子どもたちとの交流の姿が印象的だった。
[写真 優しく子ども達に話しかけるナザルバエフ大統領]
[写真 核兵器の廃絶を訴える大統領スピーチ 右は松井一實市長]
[ナザルバエフ大統領来日を記念した番組の動画が視聴できます。: https://www.youtube.com/watch?v=XFP-W9vCsXM ]
[以下は詳細です。その1]
11月6日より日本を公式訪問されていたカザフスタン共和国ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領一行は9日午前広島平和記念公園に到着された。訪問に先立つ10月27日国連総会第1委員会(軍縮)は、核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について来年から交渉を始めるとの決議を、123カ国の賛成多数で採択した。米ロ英仏などの核保有国や、米国の「核の傘」の下にある日本など38カ国が反対するとというニュースがとどいた最中の広島訪問だった。「交渉開始決議に日本が反対」これは耳を疑うような報道だった。本年5月27日のオバマ大統領の広島訪問が「核兵器廃絶への第一歩にしよう」との市民の願いを打ち消すかのごときニュースだった。
カザフスタン大統領の原爆慰霊碑への献花、原爆資料館での広島平和文化センター小溝理事長の説明の後に開催された歓迎行事に広島支部・呉支部の会員も参加した。歓迎行事は市長挨拶、特別名誉市民称号記及び市民章の贈呈、大統領スピーチに先立っての「ザマナイ(時代よ!)」の市民による合唱で歓迎することになり、当会会員も関わることになった。この歌は、カザフスタンの核実験場を閉鎖に追い込む市民運動の象徴となった歌で、カザフスタン国民の歌と呼ばれている。カザフスタン共和国は、当時のナザルバエフ第一書記長の主導・決断の下、当時世界第4位の核兵器を放棄し、セミパラチンスク核実験場を閉鎖(1991年8月29日)するとともに、中央アジア非核兵器地帯の創設(2009年セミパラチンスク条約)を主導するなど、「核兵器のない世界」の実現に向けて国際社会をリードしている国の一つで、ナザルバエフ大統領は、長年にわたり、これらの取組の推進にリーダーシップを発揮して来た。(その2は次回以降に。)
[資料:2016年10月28日岸田文雄外務大臣記者会見 外務省]
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_000417.html
国連総会第一委員会関連(2017年核兵器禁止交渉決議案に日本が反対。)(外相会見の抜粋)
【記者】賛成多数で採択されました核兵器を法的に禁止する条約締結を目指す決議案の方,これを反対したということですけれども,禁止する方向性について日本が反対するということについては,被爆者からもですね,反発も予想されると思います。こういう点については,政府としてはどういうふうに理解を得ていくお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】我が国の行動・立場は一貫しております。核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場に立ち,だからこそ,まずは我が国の決議に核兵器国も非核兵器国も,より多くの国に賛成してもらう,こういった努力を続けてきました。結果として昨年を上回る多くの国々から共同提案国にもなってもらいましたし,米国を含む多くの国に共同提案国になってもらいましたし,そして多くの国に賛成もしてもらいました。そして核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場だからこそ,核兵器禁止条約の交渉開始を内容とする決議には反対をしたということであります。そしてこの交渉が始まるのであるならば,核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場から主張すべきことは主張すべきであると私(大臣)は考えているというふうに申し上げました。このようにどの観点からも我が国の立場は一貫しているということは,是非しっかりと訴えていきたい,説明していきたい,このように思っています。
【広島県立高陽東高校出前授業】
2016年11月17日学校設定科目「世界事情」岡野先生の要請で広島支部黒川が今年度のヒロシマメッセンジャーのエカテリーナ シマキナЕкатерина Симакинаさんと参加しました。「ロシアについてのお話~ソビエト連邦の継承国~ロシア連邦の文化と風土を学ぶとともに,成り立ちから現在までを概観し,今後の我が国との関係の在り方を探る。」生徒さん達が20日の国際交流・協力の日の日本ユーラシア協会のブースを訪ねてくれました。
[写真 エカテリーナさんの授業風景]
[写真 国際交流・協力の日 山陽女学園留学生カリーナさんと交流]
【ご案内】ワークショップ 「内部被ばくの健康影響の評価をめぐって」
2016年12月10日9:30~16:40 シンポジウム
広島市南区民文化センター (広島市南区比治山本町16-27)
【秋のイベント報告等は次号以降に掲載します。】