日本ユーラシア協会広島支部のブログ

本支部は、日本ユーラシア地域(旧ソ連邦)諸国民の相互の理解と親善をはかり、世界平和に寄与することを目的とする。

日本ユーラシア協会広島支部ニュース   2013年4月11日

2013-04-11 12:54:58 | 日記
  日本ユーラシア協会広島支部ニュース(2013年4月11日)

【定期総会】
2013年6月30日(日曜日)日本ユーラシア協会広島支部第57回定期総会、広島県支部連合会第23回定期総会が広島市留学生会館2階研修室で開催されます。
日程概要
①13:30広島支部定期総会 ②14:30広島県支部連合会定期総会・記念講演・懇親会

【2013菓子博に協力】
ロシアのお菓子プリャーニクПряникがお菓子博ひろしま2013に特別出品(展示・販売)されます。第26回全国菓子大博覧会・広島(2013年4月19日金曜日~5月12日日曜日)では広島市との姉妹都市提携都市にちなんだお菓子が出品されます。ロシア・ボルゴグラードについては、プリャーニクが予定されています。4月19日から開催されるひろしま菓子博の『広島と世界のお菓子バザール』で、広島に縁のある世界各国・都市のお菓子を、広島の菓子メーカーが工夫して作り、菓子博終了後も、広島のお菓子として根付かせたいという企画があります。そごう広島店が運営事業者となる『広島と世界のお菓子バザール』では、広島市の姉妹都市・友好都市のある国々のお菓子や食材を使ったオリジナルお菓子を特別出品します。

[番組紹介http://www.rcc-tv.jp/e-town/
4月13日17時~17時30分RCCテレビ RCCプロジェクト Eタウン 『広島は盛り上がるか? 菓子博開幕直前特集!』でプリャーニクの製作過程が放映されます。(HPより抜粋。)
来週19日からいよいよ始まる「ひろしま菓子博2013を2週連続で大特集!
第一弾は菓子博の準備風景に密着してきた様子をまとめて放送いたします。広島で92年ぶりに開催されるという菓子博。
一体どんなイベントなのか?まだ、もう一つわかっていないという方にどこよりも詳しくお伝えします。
会場の見所の一つは、工芸菓子。1年以上かけて厳島神社をお菓子で作ってきました。シンボル大鳥居の制作現場も完全網羅。洋菓子と和菓子の職人の初のコラボで、一体何が生まれたのか?
世界のお菓子も大集合するコーナーでEタウンが注目したのはあまりなじみのないロシアのお菓子『ロシア・プリャニク』。
その制作過程に独占完全密着、試行錯誤しながら、ロシアの味を再現できるのか?果たして日本人の口に合うのか?

【ひろしまフラワーフェスティバルに参加します】5月3日4日5日「ユーラシアの広場」でお会いしましょう。

【ロシア語能力検定が実施されます】
受検申し込みは、要項またはHPをご確認の上行ってください。
[61回検定] 4級・3級 2013年5月26日日曜日 内容等詳しくは日本ユーラシア協会HPを参照。
会場:広島市まちづくり市民交流プラザ(広島市中区袋町6番36号) 会議室B(南棟3階)

【国立トムスク教育大学研修】
http://tspu.edu.ru/iff/news/6940-gosti-iz-japonii2.htmlに「Гости из Японии(日本からのお客様)」として紹介されています。

【今期留学生】
4月1日山陽女学園高等部へのカザフスタン・セミパラチンスクからの留学生マディナさんをヒロセミのみなさんが広島空港に出迎えました。

マディナさんのフラワーフェスティバル出演が決まりました。
日時:5月4日 15:20~15:40
場所:カーネーションステージ

【憲法集会のご案内】
①輝け9条・活かそう憲法 5・3ヒロシマ集会
日時 5月3日 午前10時
会場 YMCA国際文化センター(広島市    中区八丁堀7-11)
講演 「浮上する憲法破壊の動き~護憲の原点に立ち戻るとき~」 纐纈(こうけつ)厚さん(山口大学副学長)
参加費 無料

②2013年憲法集会 マイライフ マイ憲法 
日時 5月3日13時開場 13時30分開演
会場 広島県民文化センター
)第1部 記念講演 「はだしのゲンを語って30年、いまフクシマは・・」神田香織さん(講談師)
  )第2部 憲法ミュージカルNo.20 憲法の底力~九条改正はイケン~  
  チケット 大人2000円(当日2200円) 小中高生1000円(当日1200円) 

【映画:ひまわり ~沖縄は忘れないあの空を~沖縄復帰40年企画作品】
ひまわり ~沖縄は忘れないあの空を~ http://www.ggvp.net/himawari/横川シネマ 広島市西区横川3-1-12 tel 082-231-1001
5月11日~17日 10;30~
5月18日~31日 ①10:30~ ②18:30~
前売り券1200円(当日1500円)シニア・学生1000円 広島映画センター 082-293-1119

【問題提起:「日ロ領土問題解決・平和条約締結促進を目指して 事態打開の方途をさぐる」】
[日ユ協会常任理事・京都府連会長長砂實さんより提案。(第8回)]
④「サンフランシスコ条約」で日本が「千島」を放棄したことは事実であるが、それがどの国に帰属するかは、未決であった。既にソ連が占領し実効支配していることは既成事実ではあったが、国際法上は未定であった。それは、日本との平和条約締結によってのみ「解決」されるべき問題であった。然るにソ連は、それを待たずに、1946年に国内法で「千島」(と南樺太)を自国領に編入した。これは、国際的道義に反する不当な行為である、と言わざるを得ない。一旦は「白紙に戻すべき」問題。
V.『全千島返還論』の問題点(略)
.事態打開の道を探る
1)領土問題解決と平和条約締結との関係 今日では「中間条約」構想は非現実的
2)平和条約締結遅延は日口両国とりわけ日本にとって不利、の自覚が必要
3)抜本的な発想転換が不可避 領土問題での思い切った妥協による平和条約早期締結のメリット追求が肝要 「公正・互恵・平和・友好・未来志向の五原則」実現を志向
4)領土問題解決の現実的道筋 日口両国の今日までの主張の抜本的反省・見直しの上に立って、「二島返還」と「四島返還」との間で妥協点を模索すべき。交渉に際しては次の四点について「フィフティ.フィフティ」、「ウイン.ウイン」の精神で貫徹を図る。
①「四島」についての明確な領土・国境区分、②「四島」(およびその海域)の共同利用・開発」による利益の相互享受(経済・文化・交流)、③「四島」の現住民(ロシア人)および元住民(日本人)の人権保障・擁護、④「四島」の非武装地帯化 
(日ロ領土・平和条約締結に関する重要参考文献は次回以降に掲載。)

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協議の場に参加して(内田節子さんアジア太平洋資料センター(PARC)事務局長)

2013-04-11 04:59:32 | 日記
「協議の場に参加して」(内田節子さんアジア太平洋資料センター(PARC)事務局長)
【ブログ記事:TPP交渉、日本の『聖域』は守られない!米通商代表部声明により判明】
シンガポールで行われていたTPP第16回交渉会合が13日に終了した。その閉幕に際し、アメリカ通商代表部(USTR)は声明を発表。その声明には、関税を含むいくつかの交渉グループは、最終段階の会合まで集まる予定はない、という驚きの内容が含まれていることが明らかとなった。
USTRによる声明には以下のようにある。
<関税(customs)、通信(telecommunications)、規制の統一(regulatory coherence)、開発(development)を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合で法的文書に関して再度集まっての議論は行われず、これらの分野において残った課題は、合意がファイナルとなる最終ステージの会合で取り上げられる予定である。このことにより、TPP参加国は、知的財産権、(公的機関の)競争、環境といった、残った最も難しい問題の解決に努力を集中させることができる>
 つまり、今から日本がTPP交渉に参加しても、関税に関する議論には参加することが出来ない、ということだ。「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対する」という自民党の公約は、TPP交渉において実現されないということが明らかになったと言えよう。

 以下、USTRによる声明文の翻訳を一挙掲載する。(翻訳はIWJが独自に作成)(声明全文邦訳)
アメリカ通商代表部(USTR)による声明発表 2013年3月13日

TPP交渉は第16回の会合で順調に進展
シンガポール  TPP交渉の第16回会合が本日終了したことを受けて、交渉責任者たちは本会合で設定していた目標を達成したと報告した。すなわち、オバマ大統領と他10か国の首脳が想定する、2013年という時間枠で次世代の包括的な合意の締結に向けて加速することへの交渉がまとまった。
TPPを通じて、アメリカは貿易や投資の枠組みを設立し、21世紀のアメリカの利害関係者が直面する問題に対処し、アメリカの競争力を高め、ダイナミックなアジア太平洋地域におけるアメリカの貿易を拡張することにより、アメリカの雇用創設を後押しすることを目指している。アメリカはまた、透明性や労働権、環境保護など、核となるアメリカの価値観について合意を進めることも目指している。
アメリカの主席交渉官でUSTR代表補のバーバラ・ワイゼルは、TPP参加国がこれまで達成した非常に多くの交渉問題に関する意見の一致に基づき、本会合において11か国の代表は、残存する問題について相互受け入れ可能な道筋を見つけ、合意の法文化を進める動きを進展させた。活発な会期間の折衝や、会合における全参加国が見せた実用主義や柔軟性の結果、関税、通信、投資、サービス、貿易における技術的障害、衛生や植物検疫の手法、知的財産、規制の統一、開発やその他の問題など、多岐に渡る領域において、多くの問題に対する解決を見出すことに成功した。この進展をもって、関税(customs)、通信(telecommunications)、規制の統一(regulatory coherence)、開発(development)を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合で法的文書に関して再度集まっての議論は行われず、これらの分野において残った課題は、合意がファイナルとなる最終ステージの会合で取り上げられる予定である。このことにより、TPP参加国は、知的財産権、(公的機関の)競争、環境といった、残った最も難しい問題の解決に努力を集中させることができる。
11か国はまた、本会合において、商品やサービス、投資、政府調達のための市場アクセスを提供する包括提案を継続して進めることにおいても進捗を見せた。産業製品、農業、繊維製品の関税一括法案に加え、原産地規則、そしていかにアメリカや他のTPP参加国の企業にとって有益となるための地域的なサプライチェーンの発展を最大限促すかということについて、生産的な意見交換が行われた。また、交渉担当者は、サービス、投資、政府調達の市場を開くための各国の提案を議論した。11か国は前回の会合から進展した市場アクセスに基づいて、会期間のさらなる課題についても合意に至り、各国首脳が目指す高いレベルの志にふさわしい結果に向けての動きを続けた。
3月6日、TPP交渉は一時中断し、交渉官たちはTPP参加国から300以上のステークホルダー(利害関係者)が参加するイベントに出席し、議論を交わした。ステークホルダーからのリクエストに応じ、シンガポール政府は交渉官と直接議論できるような場と、60のステークホルダーがあらゆる問題についてプレゼンテーションを行う場を用意した。その日はまた、ワイゼルや各国の交渉責任者はステークホルダーに交渉の概要を説明し、TPP会談の内容や進捗状況についての質疑を行った。
4月半ばに、インドネシアのスラバヤで行われるAPEC貿易担当大臣会合の合間に、TPP担当大臣の会合が行われ、これまでの進捗状況の議論や交渉官に対するガイダンスの提示が行われる予定である。交渉が最終段階をむかえていることから、残るセンシティブな問題に対処すべく、各国政府高官同士によってさらなる積極的な議論が行われることとなろう。
TPP交渉の第17回会合は5月15~24日、ペルーのリマで開催される。
USTR声明原文リンク先
http://www.ustr.gov/about-us/press-office/press-releases/2013/march/tpp-negotiations-higher-gear



TPP Negotiations Shift Into Higher Gear at 16th Round

03/13/2013

Singapore – At the close of the 16th Round of Trans-Pacific Partnership (TPP) negotiations today, chief negotiators reported that they had achieved the goal set for the round: to put the negotiations on an accelerated track toward conclusion of a next-generation, comprehensive agreement in the 2013 time frame envisioned by President Obama and the Leaders of the ten other TPP countries.

Through the TPP, the United States is seeking to help establish a trade and investment framework that supports U.S. job creation by addressing the issues faced by U.S. stakeholders in the 21st-century, promoting U.S. competitiveness, and expanding U.S. trade in the dynamic Asia-Pacific region. The United States also is seeking to advance core U.S. values in the agreement, such as transparency, labor rights, and environmental protection.

U.S. Chief Negotiator and Assistant U.S. Trade Representative Barbara Weisel reports that building on the consensus the TPP countries have already achieved on a significant number of the issues under negotiation, during this round the 11 delegations intensified their drive to find mutually-acceptable paths forward on the remaining issues in the legal texts of the agreement. As a result of active intersessional engagement, and the pragmatism and flexibility shown by all countries during this round, the delegations succeeded in finding solutions to many issues in a wide range of areas such as customs, telecommunications, investment, services, technical barriers to trade, sanitary and phytosanitary measures, intellectual property, regulatory coherence, development, and other issues. With this progress, some negotiating groups, including customs, telecommunications, regulatory coherence, and development will not meet again to discuss the legal texts in future rounds and any remaining work in these areas will be taken up in late-stage rounds as the agreement is finalized. This will allow the TPP countries to concentrate their efforts on resolving the most challenging issues that remain, including related to intellectual property, competition, and environment.

The 11 countries also made progress during this round in continuing to develop the comprehensive packages that will provide market access for goods, services and investment, and government procurement. Productive exchanges occurred on tariff packages on industrial goods, agriculture, and textiles, as well as on rules of origin and how best to promote the development of regional supply chains in order to benefit companies based in the United States and the other TPP countries. In addition, negotiators discussed each country’s proposals to open services and investment and government procurement markets. The 11 countries agreed on additional intersessional work to build on market access advances made since the last round, to continue movement toward outcomes consistent with the high level of ambition that Leaders agreed to seek.

On March 6, the TPP negotiations adjourned temporarily so that negotiators could engage with the more than 300 stakeholders from TPP countries who registered to join the stakeholder events in Singapore. In response to stakeholder requests, Singapore arranged both for direct stakeholder engagement with negotiators and for 60 stakeholders to make presentations on a wide variety of issues. Also that day, Weisel and fellow Chief Negotiators briefed stakeholders and took questions on the substance and process of the TPP talks.

In mid-April, TPP Trade Ministers will meet on the margins of the APEC Trade Ministers meeting in Surabaya, Indonesia to discuss progress to date and provide further guidance to negotiators. As the negotiations draw to a close, high-level officials will be more actively engaged with one another on ways to address the remaining sensitive issues.

The 17th round of TPP negotiations will be held in Lima, Peru, from May 15-24.


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憲法集会のご案内

2013-04-11 04:52:11 | 日記
【憲法集会のご案内】
①輝け9条・活かそう憲法 5・3ヒロシマ集会
 日時 5月3日 午前10時
 会場 YMCA国際文化センター(広島市中区八丁堀7-11)
 講演 「浮上する憲法破壊の動き~護憲の原点に立ち戻るとき~」 纐纈厚さん(山口大学副学長)
 参加費 無料
 問い合わせ 082-503-5855

②2013年憲法集会 マイライフ マイ憲法 
 日時 5月3日13時開場 13時30分開演
 開場 広島県民文化センター
 )第1部 記念講演 「はだしのゲンを語って30年、いまフクシマは・・」神田香織さん(講談師)
 )第2部 憲法ミュージカルNo.20 憲法の底力~九条改正はイケン~  
 チケット 大人2000円(当日2200円) 小中高生1000円(当日1200円) 
 問い合わせ082-222-0072

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福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ

2013-04-07 22:40:37 | 日記
http://toyokeizai.net/articles/-/13516

福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ
チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被曝影響と指摘
岡田 広行 :東洋経済 記者
2013年04月03日

福島市や全村民が避難を余儀なくされている福島県飯舘村など、福島第一原原子力発電所からの放射性物質で汚染された地域で、動物や植物に異常が多く見られることが研究者による調査で明らかになった。

3月30日に東京大学内で開催された「原発災害と生物・人・地域社会」(主催:飯舘村放射能エコロジー研究会)で、東大や琉球大学などの研究者が、ほ乳類や鳥類、昆虫、植物から見つかった異常について報告した。

原発事故による生物への影響についての研究報告は国内でもきわめて少ないうえ、4人もの研究者が一般市民向けに報告したケースはおそらく初めてだ。

稲の遺伝子に異変

まず生物への影響に関してシンポジウムで最初に報告したのが、筑波大大学院生命環境科学研究科のランディープ・ラクワール教授。「飯舘村での低レベルガンマ線照射に伴う稲の遺伝子発現の観察」というテーマで研究成果を発表した。

ラクワール教授は、つくば市内の研究所で育てた稲の苗を、福島第一原発から約40キロメートルに位置する飯舘村内の試験農場に持ち込んだうえで、放射線の外部被曝にさらされる屋外に置いた。そして生長が進んでいる根本から3番目の葉をサンプルとして採取し、ドライアイスを用いて冷凍保管したうえで、つくばに持ち帰った。



福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ
チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被曝影響と指摘
岡田 広行 :東洋経済 記者
2013年04月03日


その後、「半定量的RT-PCR法」と呼ばれる解析方法を用いて、特定の遺伝子の働きを観察したところ、低線量のガンマ線被曝がさまざまな遺伝子の発現に影響していることがわかったという。ラクワール教授らが執筆した研究結果の要旨では、「飯舘村の試験農場に到着してから初期(6時間後)に採取したサンプルではDNA損傷修復関連の遺伝子に、後期(72時間後)ではストレス・防護反応関連の遺伝子に変化が認められた」と書かれている。

「稲に対する低線量被曝の影響調査は世界でも例がない。今後、種子の段階から影響を見ていくとともに、人間にも共通するメカニズムがあるかどうかを見極めていきたい」とラクワール教授は話す。

動物に現れた異常については、3人の研究者が、チョウ、鳥、サルの順に研究成果を発表した。

チョウについて研究内容を発表したのが、琉球大学理学部の大瀧丈二准教授。「福島原発事故のヤマトシジミへの生物学的影響」と題した講演を行った。

大瀧准教授らの調査は、日本国内にごく普通に見られる小型のチョウであるヤマトシジミを福島第一原発の周辺地域を含む東日本各地および放射能の影響がほとんどない沖縄県で採集し、外部被曝や内部被曝の実験を通じて生存率や形態異常の有無を調べたものだ。大瀧准教授らの研究結果は昨年8月に海外のオンライン専門誌「サイエンティフィックリポート」に発表され、フランスの大手新聞「ル・モンド」で大きく報じられるなど、世界的にも大きな反響があった。

※原著論文は下記に掲載
http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/abstracts/39035

※日本語の全訳は下記に掲載(研究室のホームページより)
http://w3.u-ryukyu.ac.jp/bcphunit/kaisetsu.html
飼育実験で被曝の影響を検証

大瀧准教授は研究の特徴として、1.事故の初期段階からの調査であること、2.事故の影響のない地域との比較研究であること、3.飼育実験により、子世代や孫世代への影響を評価していること、4.外部被曝実験および内部被ばく実験を実施したこと――などを挙げた。

福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ
チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被曝影響と指摘
岡田 広行 :東洋経済 記者
2013年04月03日

事故から2カ月後の2011年5月および半年後の9月に福島県などからヤマトシジミを沖縄に持ち帰ったうえで、子ども世代や孫世代まで飼育を継続。一方で沖縄で採集したヤマトシジミにセシウム137を外部照射したり、セシウム137で汚染された野草(カタバミ)を、沖縄で採集したヤマトシジミの幼虫に食べさせた。ヤマトシジミの採集地点は東京都や茨城県(水戸市、つくば市、高萩市)、福島県(福島市、郡山市、いわき市、本宮市、広野町)、宮城県(白石市)の計10カ所で、研究に用いたヤマトシジミの数は5741匹に上った。

大瀧准教授の研究では、驚くべき結果が判明した。

羽が伸びきっていない羽化不全個体。口吻も巻かれていない(福島市内で採取したエサを食べた個体。大瀧准教授提供)

2011年5月の採集で、ほかの地域と比べて福島県内のヤマトシジミでは、羽のサイズが小さい個体が明らかに多いことがわかったのだ。「地面の放射線量と羽のサイズを比較したところ逆相関が見られ、線量が上がっていくにつれて羽のサイズが小さくなる傾向が見られた」と大瀧准教授はデータを用いて説明した。

また、捕獲した個体の子どもについて、「福島第一原発に近い地域ほど羽化までの日数が長くなる傾向が見られ、成長遅延が起きていたことがわかった」(大瀧准教授)。「親に異常があった場合、子どもでも異常率が高くなる結果も出た」とも大瀧准教授は語った。ただし、「これだけの実験では、遺伝性(異常がDNA損傷に基づくもの)であると断言するには十分な証拠とは言えない」とも説明した。

被曝した個体で生存率が低下

外部から放射線を照射した実験(外部被曝の検証)では、放射線を多く照射した個体ほど羽根が小さくなる傾向が見られ、生存率が低くなっていた。また、汚染されたカタバミを幼虫に食べされた内部被曝に関する実験でも、比較対照群である山口県宇部市の個体と比べて福島県内の個体で異常が多く見られ、生存率も大幅に低くなっていた。

内部被曝の研究では驚くべき結果も出た。


福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ
チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被曝影響と指摘
岡田 広行 :東洋経済 記者
2013年04月03日

羽化失敗。さなぎの殻から完全には抜け出すことができず、死亡(飯舘村内で採取したエサを食べた個体。同上)

「沖縄のエサを食べた個体と比べ、福島県内の個体は死に方でも明らかな異常が多く見られた」と、大瀧准教授は写真を用いて説明した。さなぎの殻から抜けきれずに死んだり、成虫になっても羽が伸びきれない事例などショッキングな写真を紹介。「(生体の)微妙なバランスが狂ってしまうと死亡率が上がるのではないか」(大瀧准教授)と指摘した。

続いて東京大学大学院農学生命科学研究科の石田健准教授は、「高線量地帯周辺における野生動物の生態・被ばくモニタリング」と題して講演した。
通常のウグイスなら、見たこともない「おでき」が…

石田准教授らは、福島県阿武隈高地の中でも特に放射線量が高く、現在、「帰還困難区域」に指定されている浪江町赤宇木地区(福島第一原発から約25キロメートル)で2011年8月に野生のウグイス4羽を捕獲したところ、「うち1羽から今までに私自身、ウグイスでは見たこともないおできが見つかった」(石田准教授)。これまで350羽あまりを捕獲した経験のある石田准教授が驚くほどの病状で、このウグイスには血液原虫も寄生していた。また、捕獲したウグイスの羽毛を持ち帰って放射線量を測定したところ、セシウム134と137を合わせて最高で約53万ベクレル/キログラムもの汚染が判明した。

石田准教授はその後も自宅のある埼玉県横瀬町と福島を15回にわたって行き来し、鳥類の定点観測や自動録音による野生動物のモニタリングを続けている(なお、研究成果の一部は、中西友子・東大大学院教授らの編纂した英文書籍で、シュプリンガー社から3月に出版された。電子ファイルは誰でも無料で自由に読める。(こちらからご覧いただけますhttp://link.springer.com/book/10.1007/978-4-431-54328-2/page/1

ニホンザルの白血球数が減少

そして4人目の講演者として登壇したのが、羽山伸一・日本獣医生命科学大学教授。「福島県の野生二ホンザルにおける放射性セシウムの被ばく状況と健康影響」と題した講演をした。

28年にわたってサルの研究を続けている羽山教授は、ニホンザルが北海道と沖縄県を除く全国に生息している点に着目。「世界で初めて原発の被害を受けた野生の霊長類」(羽山教授)として、ニホンザルは被曝による健康影響の研究対象としてふさわしいと判断した。




福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ
チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被曝影響と指摘
岡田 広行 :東洋経済 記者
2013年04月03日


羽山教授は、約3000頭近くが生息する福島市内(福島第一原発から約60キロメートル)で農作物被害対策のために個体数調整で捕獲されたサルを用いて、筋肉に蓄積されているセシウムの量を継続的に調査。性別や年齢、食性との関係などについて検証した。

福島と青森のサルを比較すると…

11年4月から13年2月にかけて福島市内で捕獲された396頭のサルと、青森県で12年に捕獲された29頭を比較。土壌中のセシウムの量と筋肉中のセシウム濃度の関係を検証した。その結果、「土壌汚染レベルが高いところほど、体内のセシウム蓄積レベルも高い傾向があることがわかった」(羽山教授)。また、木の皮や芽を食べることが多く、土壌の舞い上がりが多い冬期に、体内の濃度が上昇していることも判明したという。なお、青森県のサルからはセシウムは検出されなかった。

「注目すべきデータ」として羽山教授が紹介したのが、血液中の白血球の数だ。避難指示区域にならなかった福島市内のサルについては、外部被ばくは年間数ミリシーベルト程度の積算線量にとどまるうえ、内部被曝量も10ミリグレイ程度にとどまるとみられると羽山教授は見ている。にもかかわらず、ニホンザルの正常範囲より白血球数、赤血球数とも減少しており、白血球は大幅に減少していた。

「特に気になったのが2011年3月の原発事故以降に生まれた子どものサル(0~1歳)。汚染レベルと相関するように白血球の数が減っている。造血機能への影響が出ているのではないかと思われる」(羽山教授)という。

シンポジウム終盤の討論で羽山教授はこうも語った。

「本日の講演内容がにわかに人間の健康への研究に役に立つかはわからない。ただし、現在の福島市内のサルの被曝状況は、チェルノブイリの子どもたちとほぼ同じ水準。チェルノブイリの子どもたちに見られる現象がニホンザルにも起こったことが明らかにできればと考えている」


http://link.springer.com/book/10.1007/978-4-431-54328-2/page/1
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TPPに反対する研究者アピール

2013-04-07 22:37:05 | 日記
TPPに反対する研究者アピール
「TPP参加交渉からの即時脱退を求める要望書」

2013年4月〇日
内閣総理大臣
安倍晋三様

TPP参加交渉からの即時脱退を求める要望書

全国大学教員有志

 自民党は昨年12月の総選挙で
①聖域なき関税撤廃を前提としない、のほか、
②自動車等の数値目標は受け入れない、
③国民皆保険制度を守る、
④食の安全安心の基準を守る、
⑤国の主権を損なうISD条項は合意しない、
⑥政府到達・金融サービス等は我が国の特性をふまえる、が確保されない限りTPP交渉に参加しないと公約しました。にもかかわら ず、安倍首相は2月22日の日米首脳会談で農産物重要品目保護に何らの担保も得られていないのに①が確認されたと強弁し、さらに②~⑥は「公約ではない」、「参加の判断基準ではなく参加後の実現目標だ」というレトリックを用いて、3月15日に交渉参加を正式に表明しました。このような公約改ざんがわずか3ヶ月で行なわれるのでは、議会制民主主義は成り立ちません。また参加表明にあたって「国民に丁寧に情報提供していくことを約束する」「新たなルールづくりをリードしていくことができる」旨強調していますが、いずれも非現実的です。
 まずTPP交渉が完全に秘密裏に行なわれ、国民が情報アクセスできないことが交渉国間で確立されたルールとなっています。
また昨 年カナダとメキシコが参加承諾を受けるにあたって(ア)すでに既存交渉国で合意された事項は内容すら見ることなしに丸呑みする、(イ)参加後も交渉事項の追加や削除の権限はない、という念書にサインさせられたことが明らかになっており、(ウ)参加後に既存交渉国が合意する内容についても拒否権がないとの指摘すらあることからして、今から日本が参加しても極度に差別的な取り扱いを受けて対等な「ルールづくり」などに加われない、逆にできあがったルールの丸呑みになる公算が大です。
 政府はわが国がTPPに参加した場合の日本経済全体の効果はGDPべ-スでは0.66%(3.2兆円)の増加になるとの「試算」を示しました。しかし農林水産業に及ぼす影響額(▲3.0兆円)は、今でも異常に低い日本の食料自給率をさらに押し下げ、農林水産業者の営業と生活はもちろん、関連する地域経済に壊滅的な打撃を与えることを意味します。
 さらにTPPへの参加は、「試算」で全く考慮されていない非関税分野においても重大な脅威をはらんでいます。
 既存交渉参加国間では既に、食品の原産地表示への自己証明制度の導入、貿易手続の規制緩和、各国法令・国内規制を策定する過程へ外国企業の利害関係者を参加させる内国民待遇の採用、各国の著作権や医薬品・医療技術までを含む特許権のアメリカ水準への強化、そうした協定ルールに抵触したとして外国企業が投資受入国政府を当該国の司法制度を超越していわば治外法権的に訴える権利を付与する投資家対国家紛争解決(ISD)条項の導入などが協議されています。
 これらの事項は、いずれもわが国の経済自主権、国民の健康等を侵害する恐れをはらむものです。
これでは「平成の不平等条約」といっても過言ではありません。
 こうした事態が見込まれるTPP交渉にわが国が参加するのは、国民不在の「国益」=「日米同盟の絆」の証しにはなっても、守られるべき国民益を毀損することは間違いありません。
 以上から、私たちは安倍首相と日本政府に対し、TPP交渉への参加表明を撤回し、事前交渉をすみやかに中止することを要請します。
 そして、私たちは今後、国民各層、各団体と連帯して、日本政府にTPP交渉から脱退するよう求める運動を続ける意思を共有していることをお伝えします。

以上

●呼びかけ人(五十音順)2013年3月26日現在
磯田 宏(九州大学准教授/農業政策論・アメリカ農業論)   
伊藤 誠(東京大学名誉教授/理論経済学)
大西 広(慶応義塾大学教授/理論経済学)          
岡田知弘(京都大学教授/地域経済学)
金子 勝(慶応義塾大学教授/財政学・地方財政論)      
鈴木宣弘(東京大学教授/農学国際)
醍醐 聰(東京大学名誉教授/財務会計論)        
日野秀逸(東北大学名誉教授/福祉経済論・医療政策論)
渡辺 治(一橋大学名誉教授/政治学・憲法学)

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★全国の大学教員・名誉教授・元教員の皆様
 私たちは先日、日本政府が交渉に参加することを表明したTPPの危険な本質を多くの国民に伝えるとともに、この4月上旬に、安倍首相と日本政府に対し、直ちに交渉から脱退することを求める添付(*上記)のような申し入れをすることにしました。  
 つきましては、全国の大学教員の皆さまに賛同を呼びかけ、賛同者名簿を添えて安倍首相と政府に申し入れをするとともに、記者会見でこの申し入れを広く国民にアピールしたいと考えています。
 この申し入れにご賛同いただける方は下記にご記入の上、4月8日(月)までに、tpp2013@mbr.nifty.com へ送信くださるよう、お願いいたします。

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 お名前
 所属と専攻(○○大学教授・△△学専攻)  
 メール・アドレス  
 メッセージ(100字以内でお願いします。)
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注:①お名前・所属はそのまま公表させていただきます。 
  ②メッセージも原文のまま公表させていただく場合がありますので、ご了承ください。
  ③このメールをお知り合いの大学教員・名誉教授・元教員に拡散していただけましたら幸いです。
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