十訓抄 蛍のおもひ
十訓抄第十 可庶幾才藝事十ノ四十 後撰集にいはく桂のみこの、螢とらへてといひければ、童の衫の袖につつみて、 つつめどもかくれぬものは夏虫の身よりあまれる思ひなりけり と申す。宋玉...
十訓抄 定家の勅勘
十訓抄第十 可庶幾才藝事十ノ三十六 後鳥羽院の御時、定家卿殿上人にておはしける時、いか...
十訓抄 昇進の恨み
十訓抄第九 可停懇望事九ノ八 伊通公の參議の時、大治五年十月五日の除目に、參議四人、師...
十訓抄 筒井筒
十訓抄第八 可堪忍諸事事八ノ八 業平中將の、高安に通ひけるころ、いささかつらげなる氣色...
十訓抄 われもしか
十訓抄第八 可堪忍諸事事 八ノ七 大和に男ありけり。本の妻と壁を隔てて、めづらしき女を迎へて、月ごろ經れども、この妻、ねためる氣色もなくて過ぎけり。秋の夜の、つく/\と長きに、...
十訓抄 堪忍序
十訓抄第八 可堪忍諸事事 八ノ序ある人いはく、よろづのことを思ひしのばむは、すぐれたる&#...
十訓抄 好人
十訓抄第七 可専思慮事 七ノ三十三大宰大弐高遠の、物へおはしける道に、女房車をやりて過ぎ...
十訓抄 優雅な女性
十訓抄第七 可専思慮事 七ノ十五鳥羽院の御時、雨いと降りける夜、若殿上人あまた集まりて、...
十訓抄 忠義の出家
十訓抄第六 可存忠直事 六ノ九 橘良利は寛平法皇の世を遁れさせ給ふ時、同じく家を出でて、寛蓮大とて修行の御供に候ひける。 和泉の國、日根といふところにて、よみけ...
十訓抄 朋友
十訓抄第五 可撰朋友事 五ノ三 後三条院、東宮にておはしましける時、学士實政朝臣、任国に赴きけるに、餞別の名殘、惜しませ給ひて 州民縦作甘棠詠 州民、縦ひ甘棠の詠を作すとも 莫忘多...