建仁二年九月 廿五日 天晴る。竜御前渡らる。常光院に実(まめやか)に參ずと云云。 竜寿御...

建仁二年正月 廿五日 天陰る。雨降り止む。 午の時許りに束帯して大炊御門の旧院に參ず。今日...

三百六十番歌合 393　梅の花香をのみ送る春の夜は心幾重の霞涌くらむ むめのはなかをのみを...

これらを思ひがけず前齋院の御そに、人の伝へ御覧ぜさせければ 382　時の間の夢幻になりにけ...

375　然りともと頼む心は神さびて久しくなりぬ賀茂の瑞垣 さりともとたのむこころはかみさひ...

361　花を待つ面影見ゆる曙は四方の梢に薫る白雲 はなをまつおもかけみゆるあけほのはよものこすゑにかをるしらくも　続千載 362　荒れにけり伏見の里の浅茅原虚しき露の掛かる袖かな...

345　秋来ては幾日も有らじ吹く風の身に沁むばかり成りにけるかな あききてはいくかもあらしふくかせのみにしむはかりなりにけるかな　続古今 346　葦鴨の払ひもあへぬ霜の上に砕けて...

329　如何にせむ夢路にだにも行きやらぬ虚しき床の手枕の袖 いかにせむゆめちにたにもゆきやらぬむなしきとこのたまくらのそて　新勅撰 330　誰が垣根そことも知らぬ梅が香の夜半の枕...

302　眺むれば思ひやるべき方ぞ無き春を限りの夕暮の空 なかむれはおもひやるへきかたそなき...

旅 282　都にて雪間僅かに萌え出でし草引き結ぶ小夜の中山 みやこにてゆきまはつかにもえいて...