発菩提心 　かくて、日西に傾き、月東にいづるほどに及びて、あひしたしき佐藤さゑもんのじ...

佐藤義　　そもそも靜かに案ずるに、にんじんを受くること、ぼんてんより糸をくだして、大海の底なる針をつらぬくがごとしといひ、また、佛法に會ふこと、まうきのうきぎの穴に逢へるに同じと...

明月記 建久七年六月 十九日 天晴る。巳の時、大炊殿に參じ、御共して參内す。小時にして九條の御堂に渡りおはします。例講始むるの程に退出す。今夜齋院、密々七條坊門大納言の局舊宅に渡...

第八　可堪忍諸事事 四 西行法師、男なりける時、かなしくしける女の、三四ばかりなりける...

57　西行法師大峰に入り難行苦行の事 西行法師、大峰をとをらんと思ふ志深かりけれども、入...

家長日記 「手習ひといふ琵琶を持たりし、尋ねよ」と仰せ侍りしかば、大原へ消息して侍りし...

文机談 さて、有安には、鴨長明と聞へしすき物もならひ伝へり。わづかに、楊真操までうけとりて、のこりはゆるさずしてうせにけり。長明は和哥のみちさへ聞へければ、世上の名人にてぞ侍りけ...

おなじたびの百首に、伊豆守仲綱の哥に「ならはしがほ」などよみたりしをば大貮入道聞て か...

明月記　建仁二年八月 廿二日天晴る。…略… 一品宮御目の病、此の間忽ちに御平滅。広隆寺より直ちに院の御所におはしますべしと云々。此等の事、皆...

明月記 正治元年七月 十八日天晴る。辰の時許り、大臣殿に參ず。巳の一点に御出。院に參ぜしめ給ふ。地下進退谷まると雖も、應ひて參入す。昇らしめ給ふの後、下侍《殿上の下》の縁の邊りに昇...