鴨長明方丈記之抄 世の有りにくき事
すべて、世の有りにくき事、我が身と栖との、はかなく、 あだなる樣、かくの如し。いはんや、所により、身の程 に従ひて、心を悩ます事、あげてかぞふべからず。 もし、...
鴨長明方丈記之抄 大原出家
全て、あらぬ世を念じ過しつつ、心を悩ませることは、 三十余年なり。その間、折々のたがひめに、自ずから、 短き運を悟りぬ。 すなはち、五十の春を迎へて、家を出で、世を背けり...
鴨長明方丈記之抄 日野の庵
今、日野山の奥に跡を隠して、南に仮の日隠しをさし出 だして、竹のすのこを敷き、その物に閼伽棚を作り、中 には西の垣に添て、阿弥陀の画像を安置し奉りて、落日 を請て、眉間の...
鴨長明方丈記之抄 仮の庵
大方、この所に住み初めし時は、あからさまと思ひしか ど、今迄に五とせを経たり。仮の庵も、やや古る屋とな りて、軒には朽ち葉深く、土居苔むせり。自づから、事 の便りに都...
鴨長明方丈記之抄 余算山の端
大方、世をのがれ、身を捨しより、恨みもなく、恐れも なし。命は、天運にまかせて、惜しまず、厭はず。身を ば、浮雲になずらへて、頼まず、まだしとせず。一期の 楽しびは、転寝...
鴨長明方丈記之抄 目次
鴨長明方丈記之抄(嵯峨本系明暦四年本) 章段及び題は、適宜区分して題名を付け、章段毎にまとめた物。小段はページ毎で、題は概ね最初出て来る文による。小段は、漢字、句読点、送り仮名は...
八雲御抄 明暦二年版 蔵書
八雲御抄 全七冊 巻第一、二、三上、三下 巻第四、五、六 刊行年不明 ※ ...
唐詩選画本 秋日湖上 薛瑩 蔵書
らくじつ五こにあそぶ。ゑんはしよ/\にうれふ。 ふちんすせんこのこと。だれともにかとうりうにとはん。 日のくれかたに、五このほとりをながむれば、けむりやなみがたちて、...
唐詩選画本 題慈恩塔 荊叔 蔵書
かんこくさんがあり。しんりやうそうじゆふかし。ぼうんせんりのいろ。 ところとしてこゝろをいためしめざるはなし。 ぢをんじのとふに上りて、のぞみ見れば、かんの世よりのやまや河...
八雲御抄 序及び巻第一目次 蔵書
八雲抄序 夫和歌者起自八雲出雲之古風、廣于文武 聖武之皇朝、言泉流遠詞林道鮮。其降已 來貴賤翫之道俗携之。然而不学素雪丹 鳥之窓、恐詠三十一字之句。無窺玉渕争知 驪...