近畿旅客鉄道 佐倉線

明日の鉄道員を夢見る男の物語

ありがとう300系新幹線~のぞみ609号乗車Report

2012年03月17日 | 3番線:「Train Report」

はじめに
 ・今回の記事は乗車時の雰囲気を最大限に伝えるべく5本の車窓動画を使用しました。
  (中でも新大阪駅~新神戸駅間、小倉駅~博多駅間はノーカットで収録しました )


今日は約20年間に渡って東海道・山陽新幹線で活躍し続けた300系新幹線の最終運転日です。
初代「のぞみ」車両として親しまれた300系新幹線は今日、「のぞみ609号」として最後の華を飾ります。

今回も大量の画像と動画を交えて「のぞみ609号」の様子を徹底的に紹介します。
もう2度と営業列車では見る事の出来ない300系新幹線の雄姿をご覧下さい。


朝6時30分。私は新大阪駅に降り立ちました。
 
まずは午前8時00分から発売される記念入場券を入手する為に窓口に並びます。


列車が発車する23番線ホームに到着すると先頭部分を中心に賑わいを見せていました。
 
(今日は報道関係者などを除いて三脚・脚立の使用が禁止されています。)


そして午前10時47分。いよいよ新大阪駅のホームに今回乗車する「のぞみ609号」が入線してきました。
     
最後の運転に使用された編成は西日本編成であるF7編成でした。
これから新大阪駅から博多駅まで2時間36分間の最後の活躍劇が幕を開けます。


お待たせしました。それではグリーン車指定席である8号車(禁煙車)の様子をご紹介します。




         
JR東海の300系はブラウン系のモケットで重厚感を出していますが, こちらはグレー系の物を使うことで爽やかな出来に仕立てています。
しかし"さくら・みずほ"などの普通車でもグリーン車並みの座席に座れるようになった今, この設備ではグリーン料金を支払う意味はそれほど感じれません。
( こう考えると20年間で乗客のニーズは結構変わるものなんだと痛感させられます )


続いて座席以外の客室設備の様子を紹介しましょう。
   
客室の出入口には大型の電光掲示板と号車案内表示、一部デッキ部分には列車種別表示板が設置されています。
これだけでも100系新幹線に比べれば中々のサービスアップですが, 航空機を彷彿とさせる間接照明は特に斬新だったといえるでしょう.


さてこの300系新幹線, トイレ内や洗面台をよく観察してみると金属部がむき出しになっている個所がほとんどないことに気付くはずでしょう.
     
そうです. 実は300系新幹線は今となっては当たり前となったFRP製の洗面台や便器を採用した最初の車輛なのでした.
( これには金属特有の寒々しさがないだけでなく, 各掃除も容易になるといった利点があります )


午前10時52分。列車は駅長や大勢の撮影者などに見送られ新大阪駅を後にしました。
(この動画は720pハイビジョン画質で再生可能です。)

いよいよ300系新幹線の最後の活躍劇が幕を開けます。


そして列車は新神戸駅を出ると一気に最高速度まで加速します。
(この動画は720pハイビジョン画質で再生可能です。)

列車は新神戸駅を出ると一気に加速し、西明石駅、姫路駅…と途中駅を全速力で通過していきます。
また姫路駅では停車中の500系新幹線を抜き去る光景が見られました。


さて岡山駅に到着する放送がされると, 何やら途端に車内が急に騒がしくなりました。
         
なんと岡山駅では一瞬とはいえ, 300系新幹線と100系新幹線が同じホームに並ぶという小さなサービスが行われました.
( 発車時には特製の横断幕によって見送られる光景も見られました )


午前11時40分。列車は大勢の人々に寄って見送られ岡山駅を後にしました。
(この動画は720pハイビジョン画質で再生可能です。)

岡山駅発車後の車内放送では300系新幹線についての紹介も行われました。


さて新倉敷駅を通過する頃、車掌から乗客全員にこんな物が配られました。

紙製の記念乗車証です。裏側には簡単に歴史や車両性能が表記されています。
( ちなみにJR東海のラストランではピンバッジが配られたそうです )


そして福山駅を通過した頃に私は昼食をとることにしました。
 
新大阪駅で購入した「とんかつ弁当」(980円)です。
(あえて引退記念弁当は購入しませんでした。)


午後0時19分。列車は広島駅に1分間停車した後に駅を後にします。
(この動画は720pハイビジョン画質で再生可能です。)

列車は新関門トンネルを抜けて、最後の途中停車駅である小倉駅に向います。


午後1時10分。列車はいよいよ最後の途中停車駅である小倉駅を出発しました。
(この動画は720pハイビジョン画質で再生可能です。)

とうとう300系新幹線は約20年の活躍に幕を下ろそうとしています。
(博多駅到着前には車掌によって「さよなら放送」が行われます。)


午後1時28分。ついに終着駅である博多駅に到着しました。
   
先頭車両の付近では写真を撮影しようとする人々によって激しく熱狂していました。
(1号車付近では引退式典が行われました。)


最後は蛇足かもしれませんが私の300系新幹線に関する思い出です。

私にとって300系新幹線は数ある鉄道車両の中でも1番最初に覚えた鉄道車両です。
また幼少期には何時でも何処でも画用紙などに新幹線の絵を描いていた事を今でも鮮明に覚えています。
(この時、私は「のぞみ」=300系新幹線、「ひかり」=100系新幹線という感じで覚えていました。)

晩年では「ひかり・こだま」での運用が中心でしたが今日は「のぞみ」として最高の走りを魅せてくれました。
明日からは営業列車としての300系新幹線の姿は見る事は出来ません。それ故に多少の寂しさは感じます。


午後1時45分。最後の300系新幹線は博多総合車両所へ向けて去って行きました。
   
今まで活躍してくれてありがとう…本当にありがとう。


↑見られた方は上の画像をクリックして下さい。(鉄道コムのページへ移動します。)