goo

商店街

 私の住む市の中心部にある商店街は、雨が降っても傘をささずに歩けるようにアーケードで覆われている。2つの商店街が隣接していて、長いほうはバス停で言えば一区間分くらいの長さがあり、道路の左右に商店がずっと並んでいる。

 

 歴史的にはかなり古くからある商店街だし、私が子供の頃は人であふれていて、かなりの活気があった。しかし、街の産業が次第に衰え、大型店舗の進出も相次いだために、今では写真のように閑散とした通りになってしまっている。私もめったに買い物に行くこともないので、どれだけ寂れているのかよくは分からないが、昨日この写真を撮るためにざっと歩いてみたところ、シャッターが下りている商店がかなりある。まるで虫食い状態だ。

  

 地方都市の商店街が疲弊しきっていることはよくTVなどで取り上げられるが、それらの都市と比べれば、まだわが市の商店街は頑張っているほうだと思う。いろいろなイベントを催しては人を集めようと努力している。先日開催された「招き猫まつり」もこの商店街が主催者の1つになっていた。そうしたイベントが開かれるとかなりの人が集まるようだが、問題なのはそれが一過性で終わってしまっていることだ。イベントが何もない時期には、商店街を歩くのは老人ぐらいしか見当たらない・・。
 私の中学の同級生で生家がこの商店街にあった者が何人かいた。薬屋の息子、自転車屋の息子、歯医者の息子、誰も今はこの地にいない。商店主の子供が魅力を感じずに出て行ってしまうのだから、購買客を集めるのは並大抵のことではないだろう。もう少しすれば、クリスマスのイルミネーションも飾られて少しは華やいだ雰囲気になるだろうが、それでどれだけの人が集まるだろう。私もできるだけこの商店街を利用しようとは思うのだが、なんといっても広い駐車場が完備されていないのがネックになって、どうしても足が向かない。少し車を走らせれば広い駐車場を完備して、何でも安く売っている大型店があるのだから、自然にそちらに行ってしまう。魅力ある商店街造りとはなかなか難しいものだ・・。

 私の今ちょっとした楽しみは、月水金曜日に高校生の授業が終わった後、生徒を送りながらこの商店街の真ん中をバスで走っていくことだ。夜11時を過ぎれば車の走行が許されるので、普段は走れないアーケードの下をバスで走って行く。シャッターがバスの風圧でガタガタいうのを聞きながら走るのはちょっとした快感だ。

  

こんなことをやって喜んでいる私のような者が商店街の行く末を案じるなんてチャンチャラおかしいよなあ。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする