朝からの雨でゴルフ賢交会は延期となりました。
ライブラリーで借りてきた本5冊のうちの吉村昭氏の「死顔」(5つの短編)
を読みました。
最近、身近な人の死(自分より齢若い)に接し、あまり考えたくもない「死」
についてやはり考えてしまいます。
「死顔」の著者吉村昭氏については、かねがね好きな作家の一人でした。
昭和2年生まれの作家です。2年余り前、すい臓がんを病んで、「死」を
覚悟したその最後(自ら延命措置を外した)が報道され話題になりました。
著書「死顔」は吉村氏の遺作となったもので、兄の死を題材に自らの死生観
を見つめ、自らの死の直前まで推敲続けたそうです。
著者の妻は小説家の津村節子氏で、遺作の後書きに代えて、
吉村氏は遺書を克明に書き、延命治療は望まない。死は3日間伏せ、
遺体はすぐ骨に、葬式は妻と長男長女一家のみの家族葬に、そして、
「死顔」は親戚にも見せぬようにと書かれたとのことでした。
死が迫った時、点滴の管のつなぎ目を抜き、首の下のカテーテルポート
の針をも引き抜いた「もう死ぬ」と言って最後を迎えたそうです。
家族も止めようがなく「もういいよね。」と・・・・・
延命治療を拒んで死を迎えることーそれはある種の「自死」とも言えるが、
「自然死」であることに変わりない。ー吉村氏の延命措置に対する違和の
表明でしょう。