夕映えに

陽が落ちるまで輝きたい、くさぐさの記録(日々の出来事、読書、スポーツ、友だち)

晴耕雨読の1日  「死顔」 吉村昭 著   ー死生観ー

2008-10-14 21:13:44 | Weblog

   朝からの雨でゴルフ賢交会は延期となりました。

   ライブラリーで借りてきた本5冊のうちの吉村昭氏の「死顔」(5つの短編)
   を読みました。
          

   最近、身近な人の死(自分より齢若い)に接し、あまり考えたくもない「死
   についてやはり考えてしまいます。

   「死顔」の著者吉村昭氏については、かねがね好きな作家の一人でした。
   昭和2年生まれの作家です。2年余り前、すい臓がんを病んで、「死」を
   覚悟したその最後(自ら延命措置を外した)が報道され話題になりました。

   著書「死顔」は吉村氏の遺作となったもので、兄の死を題材に自らの死生観
   を見つめ、自らの死の直前まで推敲続けたそうです。

       著者の妻は小説家の津村節子氏で、遺作の後書きに代えて
    吉村氏は遺書を克明に書き、延命治療は望まない。死は3日間伏せ、
    遺体はすぐ骨に、葬式は妻と長男長女一家のみの家族葬に、そして

    「死顔」は親戚にも見せぬようにと書かれたとのことでした。

   死が迫った時、点滴の管のつなぎ目を抜き、首の下のカテーテルポート
   の針をも引き抜いた「もう死ぬ」と言って最後を迎えたそうです。

   家族も止めようがなく「もういいよね。」と・・・・・

      延命治療を拒んで死を迎えることーそれはある種の「自死」とも言えるが、
   「自然死」であることに変わりない。ー吉村氏の延命措置に対する違和の
   表明
でしょう。