今日のシネマ
2020年 日本
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32歳で命を絶った夭折の歌人・萩原慎一郎のデビュー作にして遺作となった歌集を原作に、
現代をもがき生きる人々の苦悩と希望をオリジナルストーリーで描いた人間ドラマ。
厚生労働省の若手官僚・鷹野は、激務の中で仕事への理想を失い、無力な自分に思い悩んでいた。
そんなある日、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストが、NPO団体によって持ち込まれる。
追及を受けた鷹野は、リストの中から自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、
彼が死を選んだ理由を調べ始める。
一方、将来への不安を抱える30代後半の切り絵作家・翠は、
子どもを欲する自身の思いを自覚しながらも、夫との関係に違和感を抱いていた。
また、幼なじみを助けたためにイジメの標的となった中学2年生の学級委員長は、
シングルマザーの母に心配をかけまいと1人で問題を抱え込む。
それぞれ悩みを抱える3人の人生は、やがてひとつの道へと繋がっていく(映画comより)
俵万智さんの「サラダ記念日」・・大ブームになったのは今からもう30数年前
萩原信一郎さんもこれに刺激を受けて高2で短歌を始めたそうです
中高時代に野球部で受けたいじめ、非正規雇用での仕事の悩み
それらを綴った歌集「滑走路」
「滑走路」というタイトルは ”今いるところから少しでも高く飛び立ちたい”
という願いから・・
いじめの後遺症に苦しんでいた萩原さんはずっと精神科に通い続けていたそうですが
歌集の出版を目前にしながら、苦しみを言葉に変えてきた人生に自ら終止符を打ちました
映画は、彼の生い立ちを追っているわけではなく、
現代社会の中にあり 誰もが抱える不安や葛藤をオリジナルストーリーとして描いています
厚労省の若手官僚、鷹野(浅香航大)、切り絵作家の翠(水川あさみ)、
友人を助けたことでいじめの標的になった中学生の学級委員長(寄川歌太)
立場も年齢も違う三人の人生が平行して進み、最後には一つにつながります
胸が痛くなるシーンが多いですが、萩原さんの存在と叫びをストーリーの端々に感じながら観ました
”きみのため 用意されたる滑走路 きみは翼を手にすればいい”
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