城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳 19.7.24~7.26

2019-07-27 15:23:07 | 山登り
 日頃は低山歩きばかりしているので、たまには高い山に登りたくなる。しかし、衰えるばかりの体力を考えるとゆったりした行程でないと楽しめない。3年前から昔の山とものM氏を誘って、一度は訪れたことのある山を中心に登るようになった。1年目は白馬岳、2年目は北岳、秋に笠ヶ岳、3年目は雲ノ平と登った。昨年の雲ノ平では暑さにやられ、バテバテで予定の水晶岳は登れなかった。

 今年は、仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳を登る計画を昨年来立てていた。1974年秋にM氏と既に鬼籍に入ってしまったH氏とで黒戸尾根経由で甲斐駒に登り、雨の中仙丈でテントを張り、丹渓山荘付近からの河原歩きではMとH両氏は徒歩競争をするかのようなスピードで歩いたことを懐かしく思い出す。かつては峠まで数時間を要したが、今や1時間足らずで着いてしまう。かつては両山の値打ちが下がったと残念に思うことがあったが、今やバス様々と思うようになってしまった。

 北沢峠行きのバス

 問題はどのような日程で登るかだったが、最もハードルが低そうな初日早朝に家を出て、北沢峠から藪沢を登り、馬ノ背ヒュッテに宿泊。翌日、仙丈ヶ岳に登り、小仙丈から北沢峠、仙水小屋に宿泊。最終日は仙水峠から駒津峰、甲斐駒に登り、双児山経由で峠まで下山という計画にした。日時は、確実に梅雨明けが見込める24日~26日としたが、なかなか天候が安定しなかった。20日に二つの小屋に予約をしたが、少し決断が早すぎたかもしれないと思ったほどだった。幸い、3日間とも雨に遭うことはなく、展望もそれなりに楽しむことができた。

<初日> 仙流荘10:05=大平山荘10:55→馬ノ背ヒュッテ13:35
 大平山荘を11時頃出発。

 出発

 大平山荘
 
まずはなだらかな深い樹林のなかを進む。

 深い樹林帯
その後急登となり、次第に藪沢に沿って登っていく。沢には雪が残っている。沢の頭は見えているが、なかなか近づいてこない。

 沢に沿って登る
 大滝の頭方面からの道の合流点を過ぎ、緩やかな斜面を登ると鹿よけと思われる柵が出てくる。

 合流点

中を覗いても高山植物はちらほらあるだけで、全くの期待外れ。やがて馬ノ背ヒュッテが現れる。

受付の後、食堂で持ち込んだ500mlのビール、さらにはウィスキーを飲みながらのおしゃべり。そのうち、女性の二人客が日本酒利き酒セットなるものを注文した。その飲みっぷり、山小屋で日本酒が楽しめることに感心した。小屋は女性スタッフばかりで、そのうちの一人のTシャツの後には長野県のお酒の名前が一杯(確か酒造メーカーで働いているようでお酒に詳しい)。

 飲み尽きたところで小屋のまわりを散策。お花畑とは言えないが、目を凝らすと小さな花が咲いている。夕食のメニューは定番のカレー、少し物足りなさを感じた。

 小屋付近のツマトリソウ

 小屋付近のシナノキンバイ

<2日目>ヒュッテ5:30→仙丈ヶ岳7:00→北沢峠→仙水小屋12:30

 5時朝食。小屋からの情報では今日は6時頃から荷揚げへりが何回も飛び交うとのこと。その前に出発し、少し登ると丹渓新道との合流点。

 丹渓新道との合流点

森林限界を超えると、目の前に仙丈ヶ岳と小屋が見えてくる。小屋はハイテク満載で屋根にはソーラーパネル、テラスには小さな風車が何台も。

 朝の仙丈ヶ岳

 仙丈小屋

 今回、期待していたのが、カールに広がるお花畑だったのだが、期待外れに終わった。

 カール

 ミヤマシオガマ

北岳の方がはるかに花が多いと実感。カールの縁を山頂まで登っていく。ガスがかかっていて、展望はなかったが、甲斐駒と鋸がガスの中から現れた。

 山頂にて

 甲斐駒と鋸

 山頂から小仙丈に向かう途中なかなかお目にかかれない場面に遭遇した。一つは荷揚げヘリコプター、ヒュッテと仙丈小屋に何回も荷揚げが行われていた。

 荷揚げ中
二つ目は雷鳥との遭遇、もちろん何回も雷鳥は見ているが、今回目の前に現れて(最短距離50cm)、最初は親子、そのうち子どもはいなくなって、つがいで私たちの目の前で砂浴びをし出した。上は夏毛だがまだ下には白い羽根が見える。つがいだと思ったのは、2羽のうち1羽は目の縁が赤い。

 つがいの雷鳥 砂浴びしている

 ゴゼンタチバナ

 ツマトリソウ

 峠からは登山者がどんどん登ってくる。バスが定時に着くので、集団となる。この間こちらは待たないといけない。急ぐ旅でないので、どんどん譲る。北沢峠に降り立ち、ここで昼食。

 北沢峠
バス待合所の隣はクリンソウの群生地。

 クリンソウ
峠から長衛小屋に下る、小屋の前はカラフルなテントの花が咲いている。

峠から約30分で仙水小屋に到着。


 仙水小屋は随分ユニークなので、紹介する。まずは、予約の電話、かけても電源が入っていないとのアナウンス。3回目でやっとかかった。他の泊まり客もそういう状況であったと聞いた。登山道と小屋をしきるロープが張ってあって、そこには予約の泊まり客以外は入っていけないとある。私たちが入っていくと泊まり客ですかと聞かれ、時間が早いので少し待ってくだいさいと言われた(これからお昼ご飯だったようだ)。別建ての二階の部屋を用意されたが、階段までの道は石が凸凹。夜のトイレには少しつらい。続いて、トイレ前でも例の臭いが全くない。中を見れば流水トイレ、なるほどと納得。

 小屋の前で育成中のミヤマオダマキ 色々な色は見られる

 次は夕食。4時半からと少し早いが、小屋の中を覗いてもテーブルがセットしていない。そのうち幕の内弁当のような夕食が外のテーブルに届けられる。夕食の中身も豪華、刺身、天ぷら、フライ、スモモ等々。

料金が7000円、これだったら小屋の設備投資がされていなくても文句ない。お茶は、味噌汁のお椀というのも面白い。ご主人がそばでやかんを持って立っている。
寡黙なご主人である。若いバイトと二人で切り回している。今日の泊まりは少ないそうで10人前後。

<最終日>小屋4時35分→仙水峠5.22→駒津峰7.12→甲斐駒ヶ岳9:00→北沢峠12:50
 夜土砂降りだった(良く寝ていて気づかなかった)。4時から朝食、これはさすがに小屋の中。朝食に納豆が出た、嬉しい。暗いうちに小屋を出発。駒津峰に向かう途中、仙丈ヶ岳や鳳凰三山、北岳、塩見岳の展望が広がっていた。

 仙丈ヶ岳

 アサヨ峰と北岳


 駒津峰から甲斐駒ヶ岳
駒津峰から下ると回り道と直登コースの分岐に出る。74年の時は回り道を下っているので、直登コースを登る。結構な岩稜の道でバランスの悪くなった身には時間と体力が必要となる。おまけに少しガス気味なので先が見えない。

 直登ルート

 ハクサンイチゲ
やっとのことで頂上直下の砂道に出て、一安心した。山頂には多くの登山客がいた。

 山頂の小社

 山頂にて

 峠発13:10のバスに乗りたいので、ゆっくりもできない。

 下りは回り道
 摩利支天に何人かの登山者がいた。分岐の少し先で昨夜同宿の二人組に出会う。その女性に失礼ながらお年を尋ねた。そしたら85歳、今まで直登コースに5回も登ったそうだ。大菩薩で足を骨折、それでも登り続けている。今回は分岐まで行き、再び仙水小屋に泊るとのこと。気をつけてくださいと分かれた。駒津峰で軽食を取り、相棒にせかされながら峠まで急いだ。 



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コメント
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