宮応かつゆきの日本改革ブログ

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日ロ平和条約ー「第2次大戦の結果容認が絶対的な第一歩」ーラブロフ外相(ロシア)(3)

2018年12月09日 | 千島返還問題と日本共産党

「神奈川新聞」(12月8日付=モスクワ共同)の記事に注目させられました。 同記事の要旨を紹介します。

 「ロシアのラブロフ外相は7日、今後の日本との平和条約締結交渉について、『第2次大戦の結果を認めることが絶対的な第一歩だ』と述べ、北方領土はロシア領と日本が認めることが交渉の前提とする」と語った」

 「ラブロフ氏は『平和条約締結とは第2次大戦の結果を認めることを意味する。(日本側が認めるよう)期待している。 そうでなければ、どんな問題も議論できない」

 今月1日のブエノスアイレスで行われた日ロ首脳会談で、平和条約締結交渉の日本側責任者に河野太郎外相、ロシア側の責任者はラブロフ外相となるのとが確認され、今月中にも初会合が行われる見通しと報道されています。

 河野外相は、国会でも野党議員の質問には、どんな立場で交渉に臨むのか一切語りませんでした。 これでは、本格的な交渉の前から、「領土・平和条約交渉の結果」が見えているように思わざるを得ません。

 ロシアのラブロフ外相の「第2次大戦の結果が絶対的な第一歩」という「根拠、そして大義」とはどんなものでしょうか。 それは、ヤルタ会談1945年2月のヤルタ会談と「秘密協定」が根源となり、1951年のサンフランシスコ平和条約へと一連の戦後処理に関する不公平な国際的な体制がつくりだされました。

 1945年2月の「ヤルタ会談とヤルタ協定の問題」について、28年前の1990年10月6日のシンポジウムで不破哲三氏の発言が時代を超えて、生々しく感じられますので、ご一緒に考える参考になると思い、紹介させていただきます。

 「ヤルタでのスターリンの意図の問題です。 ヤルタで千島を引き渡すにいたった経過では、この取り決めはルーズベルトとスターリンの米ソ秘密会談できめられたもので、チャーチルさえ協定ができたのちに、既成事実の承認を求められただけでした。 チャーチルは『第2次大戦回顧録』のなかで『われわれとしては、相談されることなく、ただ承認を求められただけであった』という形で不満を表現しています」(つづく)

 「しかし太平洋戦争という主にアメリカの問題なのだから、自分には『口だしする権利はなかった』と半ばあきらめ口調で、語ってはいますが」

 「そのヤルタで、スターリンがルーズベルトとの会談で何といって千島を要求したのかですが、この問題について、私が見た限りで、スターリンの言葉をもっともまとまった形で記録しているのは、アメリカの当時の国務長官ステチアスの回想録だと思います」(『ルーズベルトとロシア人』邦訳『ヤルタ会談の秘密』)」

 「彼は、この秘密会談に出席してはいないのですが、ルーズベルトに近いハリマン公使やホプキンス顧問からきいた話をもとに、スターリンの発言を次のように整理して記録しています」

 「ソ連が対日戦争に参戦するためには、ソ連が極東で欲している一定の利権が認められることが肝要であるのは明白である。 もしこの条件がつかなければ、ソ連最高人民会議も国民大衆も、一体なんのためにソ連が極東で参戦したのか怪しむだろう。 ソ連国民は、ドイツ軍が祖国を攻撃した理由によって、対独戦争についてはすでに十分に理解している」

 「しかるに極東では、日本軍の歴然たる敵対行動が少しもない以上は、ソ連の対日参戦を正当化するために利権の譲渡が必要である」(「千島問題と平和条約」不破哲三 著 125頁~127頁 )


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