本稿をもって「なた豆の不思議」を終えますが、”なた豆”分析のご依頼者の権利を損なわない配慮から化学的分析の詳細を明らかに出来ません。
依頼者である彼女の祖母が幼い彼女に口癖のように言っていた「困った時にはナタマメを植えね~よ」から、はじまったナタマメの研究でした。彼女はこの研究の途中でがんを発病しましたが、それを克服し学位論文を完成させ、その研究にもとづく確かな栄養補助ドリンク剤を開発するに至りました。
「がんに苦しむ人々のために」と彼女は言いますが、筆者のような俗人には”ホントなの?”
などと思ってしまいます。それが本当であることはこの分析を引き受けてから今日までの彼女の一貫した研究に対する取り組みや、日常の言動からハッキリと本物であることが分かりました。
人はキレイゴトを並べ立てていても、長い年月の間にはチョットしたことで本心を吐露するものです。
筆者の俗人ぶりを恥じているところです。
最後に、
色々な制約から彼女の論文をご紹介できないのが残念ですが、英語論文の要旨の一部を下記のホームページで紹介しています。ご参考になさって下さい。
参考ホームページ:
http://kstat.sakura.ne.jp
次回からは「情報統計研究所」と某大学との共同研究である「合成開口レーダに関する研究」についてご紹介しましょう。
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情報統計研究所は色々な技術や技能や知識や経験などを気軽に発表できる場を提供します。
現役キャリアーとキャリアーアンカーの交流の場として、「e-とぴあ・かがわ」に「レジャー&ジョブ」(L&Jクラブ)を提供しています。
なた豆と言えば「カナバリン」が代表される化学物質ですが、カナバリンを含む”なた豆”はタチナタマメであること、そして、カナバリンのリンパ球幼若化作用が本当に人体において免疫の活性化につながるのか、それを証明した指標はあるのかなど、まだまだ解明途上と言えます。
なた豆を煎じれば確実にカナバリンは消失してしまいます。なた豆のカナバリンの効用に期待するなら生豆で使用するしかありませが、カナバリンの副作用には注意すべきです。
なた豆には先にも述べましたが、植物ステロールやトリゴネリンが含まれているのです。
筆者はこれらの化学物質にもっと注目すべきと考えています。
そこで、「植物ステロール」について、少し説明しておきたいと思います。
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植物ステロールはフイトステロール(Phytosterol)とも言います。
テロールには動物性と植物性があって、動物性のものがコレステロールなのです。食事でとったコレステロールは、体内でLDLコレステロールになりますが、調理のときに植物ステロールが配合されている食用油を使うと、植物ステロールの働きによってコレステロールは腸間から吸収されにくくなります。
その結果、LDLコレステロールが減少するのです。このことは多くの研究論文で証明されています。また、植物ステロールはステロイドホルモンやプロスタグランジンの作用に間接的に影響を与えるので「癌化のもとである突然変異細胞が癌細胞となるプロモーション過程を抑制する」効果があるとも考えられています。
確かな研究論文で多くの報告がありますので、新しい機能性食品としての植物ステロールに注目したいと思っています。
ナタ豆関連のホームページ:
http://kstat.sakura.ne.jp
なた豆については、「カナバリン」ばかりに注目していました。それは、依頼者の強い要望でもあったのです。
しかし、なた豆の分析をはじめてみて、なた豆の豊富な栄養素とアミノ酸組成、そして植物ステロールや抗腫瘍性化合物として認められている「trigonelline(トリゴネリン)」の抽出など、注目すべき分析結果が得られました。
植物ステロールやトリゴネリンはファイトケミカルと言われ、最近、ビタミンやミネラルを超越した物質で”がん予防”の切り札と言われています。
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「ファイトケミカル」とはコーヒやイカやタコなどに多く含まれており、加熱によってニコチンに変わります。
ニコニンと言ってもタバコのニコンチンではありません。ビタミンB3と呼ばれており脳の神経細胞を活性化し学習や記憶の能力を高めるために新たな脳神経回路を形成するなど、脳のエネルギー代謝に重要な役割を果たす物質と言われています。
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「注目を集めるファイトケミカル」は植物が有害な光線や虫の攻撃から自分を守るために作り出す物質です。
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ファイトケミカルが人体に摂取されると抗酸化作用を発揮します。すなわち、活性酸素の害から細胞を守ってくれます。ファイトケミカルはガン予防だけでなく動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、血管障害などの生活習慣病を予防し、老化の予防にも役立つと言われています。
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”なた豆の不思議”では、こうした科学的な分析によって、その効用を明らかにして行きます。
科学的な根拠もなく”なた豆ブーム”を利用する輩の厚かましい商売に利用されなければ良いのすが?
ナタ豆関連のホームページ:
http://kstat.sakura.ne.jp
「なた豆の不思議」をチョットお休みして、「情報統計研究所」のPRをさせて下さい。
「情報統計研究所」は5年前に筆者の主宰で始めました。それは優れた”技術や技能”、”学問や知識”、”経験や経歴”などを持ちながら、個性的で独立指向が強い人材の交流の場を作りたいと思ったのです。
一つの組織にまとめるのではなく、ネットワークで仕事や研究を共有してはどうかと思いました。
そこで、お互いにコンピュータのネットワークを作り専門(得意)分野をそれぞれに受け持つ事にしました。
こうしてインターネット・コンピュータ・ネットワークが発足し次のような分野で活動しています。
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・専門分野におけるデータ解析と統計分析。
・ベンチャー企業の研究支援
・オラクル・データベース構築支援とコンサルト。
・3次元コンピュータ・グラフィックの制作。
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などなどですが、
昨年末には、独立行政法人「宇宙航空研究開発機構と総合通信研究所」の公募研究に応募した研究提案が
採用されるなど情報統計研究所の歩みがハッキリと形になって来たように思われます。
また、
「なた豆に関する研究」においても、その主成分を原料とする”ドリンク剤”、”アミノプロテイン剤”、”植物ステロールのクッキングオイル”
などの開発支援が現実のものとなっています。
また、
「e-とぴあ香川」事業に参加し「レジャー&ジョブ(L&J)」のクラブ名で色々と知的イベントを企画しています。
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あなたの個性(研究や経験)を「情報統計研究所」で語って下さい!!
なた豆と言えば「カナバリン」ですが、私は煮たり煎じたりした”なた豆”にカナバリンの薬理作用が残っているとは
思えません。生豆(種子)に熱を加えず粉末などにして飲用するとかすれば、咽頭や扁桃腺などの炎症に文献的
な効果があるかも知れません。
カナバリンについては今後の研究に期待しましょう。
私はカナバリンの抽出実験の過程で発見した化学合成物質・・・、
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「植物ステロール」
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に注目しています。
今、植物ステロールは血液中のコレステロールや中性脂肪などを減少させる物質として注目されています。
食品業界などから熱い注目を浴びている植物ステロールに関する論文は沢山あります。
そして、いずれの論文においても植物ステロールの脱コレステロール作用を認めています。
今後、植物ステロールの大量生産技術が求められるようになるかも知れません。
私は”なた豆”から植物ステロールを効率的に抽出する技術的方法を、今回の抽出実験で確立しました。
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その他に”なた豆”から注目すべき物質のシグナルを発見。
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なた豆に関する論文要旨は下記にアクセスして下さい。
情報統計研究所:
http://kstat.sakura.ne.jp