前回はFriedman's test 後のPos-Hoc test で Neimenyi と Dann について検証しました。
今回は、全ての群と対象群を比較するとき、Nemenyi's test に代わってBonferroni Dann's test をファミリー全体(検定の組合せ)で有意水準を名目の値にコントロールするための一般的な方法を検証してみましょう。
この方法(Bonferroni)は古典的ではあるけれどNeimenyi's test よりも強力な場合もあると言われています。例題は、
前回と同じ http://kstat.sakura.ne.jp/medical/med_022.htm の「例題29」の気管支喘息患者の病態別 IgE 値を用いることにしましょう。検定等計量の計算は次の通りです。
「アトピー型の平均順位(R1)」-「混合型の平均順位(R2)」=0.417
「アトピー型の平均順位(R1)」-「感染型の平均順位(R3)」=1.584
から、Z1=0.417/SE を計算します。
SE=SQRT(k(k+1)/6N)=0.577 ですので、次の様にまとめることが出来ます。
R1-R2=0.417、Z1=0.723、p-value(two side)=0.4697
R1-R3=1.584、Z2=2.754、p-value(two side)=0.0061
となります。
ここで、p-value を小さい順位に並べ替えて有意確率(αi)と比較します。
- i Classifer Z p-value α/i
- 1 感染型 2.745 0.0061 0.05/2=0.025
- 2 混合型 0.723 0.4697 0.05/1=0.050
そして、
p-value<αi ならば帰無仮説を棄却できます(有意差あり)。
例題では、i=1のp-valueが0.061<0.025ですのでアトピー型と感染型のIgEに有意差があると言えます。
Dunnett's test については次回に検証してみたいと思います。