なるべく平易な言葉で、初心者にも分かり易く説明したいのですが、これが結構難しい・・・、ある教授が筆者にこう言いました。
「本当に分かっている者はやさしく説明できる・・・」、確かだと思います。
さて、
前号(10)での「花粉飛散数と最低気温」ですが、ここでは、
花粉飛散数を最低気温で説明しようとしているので、この最低気温を説明変数とか独立変数とか言います。これに対して花粉飛散数は目的変数とか従属変数と言います。
「目的とする花粉数を最低気温で説明する」・・とでも覚えておいて下さい。
そして、
目的変数を[y]とし、説明変数を[x1]としますと、この関係は y=α+β.x1 の線形回帰式で表します。
これって、
1次方程式(y=a・X1+b)の事じゃないの・・・、って思われますが、算術の方程式とは区別しておきましょう。
この様な、
単純な回帰式で表すためには花粉飛散数を対数変換しておく必要がありました。
前号(10)での図2は、線形回帰式を云々するために用いた例題ではありません。
最低気温(8.5℃)を境に2つの群があることです。
8.5℃未満では最低気温の上昇に伴って花粉飛散数が増加し、反対に、8.5℃以上では減少するって・・・、おかしくないでしょうか・・・?
そうなのです!
ここでは、図1の様に最低気温は天気(1=赤、2=×、3=青)の影響を受けている様です。
図1 花粉飛散数と最低気温と天気
もちろん、
花粉飛散数は天気や最低気温だけで決まるものではありません。
気象との関連は、下記の文献を参考にして下さい。
・スギ花粉飛散開始の予測:医学と生物学;120(4), p157-161, 1990-04.
・スギ花粉飛散の地域的特質:医学と生物学;121(4), p165-169, 1990-10.
要は、
ビジネスの現場でも、この様な事例は沢山あると思われます。
よ~く・・・観察することの大切でしょう!
その観察力は、
単に統計に詳しい以前に色々な経験によって培われるものではないでしょうか。
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