統計ブログはじめました!

各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

東京都における新型コロナ感染者数の推移

2022-11-22 14:08:09 | 日記・エッセイ・コラム

東京都における新型コロナ感染者数の推移(1週間当たり)

2020年3月17日以降における東京都の新型コロナ感染者(COC-ID19陽性者)数の推移(1週間当たり)は
図1~図3の様に推移しており、黒色点線は移動平均による平滑化である。
これによると、その周期は112日~182日であり、現在(11月11日時点)において、第8波に差し掛かっているように見受けられる。この周期は東京都民の免疫獲得に要する期間だと考えられないこともないが、予防対策など色々な要因が関与していると思われる。
図3を見ると、現在は第8波の入り口に差し掛かっているようであり、もし、この予測どおり推移すれば、第8波のピークは来年の3月頃だと推測される。
(データは「都道府県データランキング」より引用し編集した)

図1 2020年の感染者数(1週間当たり)推移


図2 2021年の感染者数(1週間当たり)推移 

図3 2022年の感染者数(1週間当たり)推移

 


統計技術:第8章 要約統計量による効果量の計算(続き)

2022-11-10 16:47:36 | 日記・エッセイ・コラム

統計技術:第8章 要約統計量による効果量の計算(続き)

第8章-2:要約統計量(Summary)による効果量(続き)

前回に引き続き、
下記URLのUCCS(Free Online Calcultoer)を使って効果量(ES:Effect Size)を求める方法の紹介です。
  https://www.psychometrica.de/effect_size.html
 
上記URLから、下記を選択してみて下さい。
   #4. Effect size estimates in repeated measures designs 

ここでの反復測定 t 検定 は、簡単に言うと、繰り返しのあるANOVA検定を2標本に適用した場合と考えて良いでしょう。
すなわち、
2 つの観測値にわたる時間または被験者内の連続結果の変化を相関関係を考慮して評価するために使用されています。
そのため、
これまでに紹介した「独立標本の t 検定」や「対応のあるt検定」とは異なります。

簡単な例題でやってみましょう。

図1 対応のある t 検定の例題(仮定)を使用

Summary data( mean, sd)を使います。

上記UCCSの「#4」を開きます。

図2 Summary data の入力と結果 

Correlation= 0.5 の場合、
 d_RM= 0.448 ( Cohen's effect size for repeated measures )
 d_RM, pooled= 0.409 
 ↓
 この値は、次式と一致します。
  S_diff= SQRT(sd1^2 + sd2^2 - 2 * r * sd1 * sd2)= 0.409

  d_av= 0.413 (Cohen's d using an average variance )
 ↓
 この値は、次式と一致します。
  d_av= mean_diff/( ( sd1+ sd2 )/2)= 0.413 

なお、
対応のあるt-test ( paired t- test ) の場合、その ES は、
 Cohen’s d= (16.4 - 0 )/9.49 = 1.7281

・・となり、
反復測定 t 検定(repeated measures t-test)のESとは異なります。
すなわち、
反復測定は、同じ測定が時間の経過とともに繰り返されるペア データのサブタイプであり、複数のレベルで同じ被験者を使用するか、類似の特性または関係に基づいて各グループで参加者をペアにするかなど、介入試験の計画によって使い分けされます。

文責:ISL assistant staff KUMI

次回に続く!

 


第Ⅲ部:第8章 要約統計量による効果量の計算

2022-11-02 11:19:17 | 日記・エッセイ・コラム

第Ⅲ部:第8章 要約統計量(Summary)による効果量の計算

ここでは、”Free Online Calculator”を利用し、”summary data”から効果量(ES:Effect Size)を求める方法を紹介しています。最近の学術誌などでは、要約統計量にESの記載が多く見られるようになり、また、査読者からESの記載を求められることが多くなってきています。そこで、
知りえた要約統計量からESを求める方法を具体的な例題でやってみたいと思います。
 既に、
「第Ⅲ部:第6章-1 独立2標本の t-検定の方法」では、下記の”Free Online Calculator”でその方法を紹介しています。
***
 # 「Psychometrica の事例」
 https://www.psychometrica.de/effect_size.html

このサイトでは、2群間の t検定によるESの計算を下記により計算します、

・ サンプルサイズが同じとき(Cohen’s d and Glass Δ)→[1] を選択
・ サンプルサイズが異なるとき (Cohen's d, Hedges' g)→[2] を選択

上記[1] の場合(2 つのグループの n が同じである場合);
 そのESは、「Cohenのd」 と呼ばれ、共通の標準偏差に関するグループ間の差を表します。

上記[2] の場合(2 つのグループの n が異なる場合);
 サンプルサイズの重みで調整することにより、標準偏差の正のバイアスを修正した「Cohenのd」 と全体的に同じで、修正された測定値であることを示しています。

上記[1][2]での、CLES(McGraw & Wong, 1992) はノンパラメトリックな効果サイズです。

第8章-1:要約統計量(Summary)による効果量(1)
この章では、下記の"Free Online Calculator"を紹介しますので、下記サイトにアクセスして下さい。

 # 「Psychometrica の事例」
 https://www.psychometrica.de/effect_size.html

上記サイトから、下記の「3」を選択して下さい。
# 3. Effect size for mean differences of groups with unequal sample size within a pre-post-control

上記[3]の場合、実験グループと対照グループの平均差のESを求めます。
例えば、介入研究で、2 つのグループ (例えば、実験グループと対照グループ) を比較するときなどに提案されている方法です(retest-postest-Control design)。
この様な場合、両方のグループの効果サイズを計算することが考えられますが、”Carlson & Smith, 1999”によると、Pre-Postの平均の差を重み付けすることを主張しています。

次の簡単な例題で試してみましょう。

図1 PreTest - PosTest Data

本例でのsample size は同じですが、異なるときは自動的に修正されます。

図2 入力と出力の画面

ESは、Morris (2008)=2.002 と Klauer(2001)=2.661 と出力され、共にHedge の g の差を表します。

ここで、単純な統計的検定として、2つのグループの前後差(diff.=Post-Pre)に注目するなら、図3のようになります。

図3 2つの前後差(diff.=Post-Pre)の比較

すなわち、効果量 ES_d=2.697 となります。

一方、
2つの前後差(diff.=Post-Pre)を独立2群のt検定を行うと次のようになりました。

図4 独立2群のt検定(前後差 diff.=Post-Pre)の結果
2群の「diff」(図1)から、その独立2群のt検定の結果は次の通りでした。
...diff......Treat Group......Control
..mean..........65...............-3.8
...sd............22.5.............28.2
....n...............5.................5

df=8
t value=4.2493
p value=0.0028

よって、effect r は次式のより求めることができます。
 √t^2/t^2+df =0.8324

この計算を、”Free Online Calculator”で確かめたいなら、下記Web site を試してみて下さい。

UCCS:
 https://lbecker.uccs.edu/
このサイトでは、下記の要約統計量で計算できます。
  (1) means and standard deviations
  (2) independent groups  t test values and df

図5 上記(1)の場合

図6 上記(2)の場合

要約統計量の丸めにより多少の違いがあります。

その他として、次のようなsite があります。
# Practical Meta-Analysis Effect Size Calculator
 https://www.campbellcollaboration.org/escalc/html/EffectSizeCalculator-R3.php

# Effect size converter
 https://www.escal.site/
 

次回に続く!

文責:ISL assistant staff, KUMI