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主成分分析のことを長々と書いてきましたが、では、因子分析とはどの様な違いが有るのでしょうか。筆者は主成分分析派ですので最初は主成分分析を試みます。因子分析は共通の因子を探ることに対して、主成分分析は情報を縮約することだと言えるかも知れません。医学では心理尺度を除き多くは探索的主成分分析を用いることが多いようです。
しかし、心理尺度では因子分析を行うのが普通のようです。心理尺度では、最初に全データを用いて因子分析を行い固有値や累積寄与率などから採用する因子数を決めます。そして、抽出した因子を用いて2回目の因子分析を行いますが、2回目以降では直交回転とか斜交回転とかを行います。
心理的な因子を考えるときは、何度も試行錯誤しながら最終的な結論に到達するものですので回転法は大切と言えるでしょう。
最近の統計ソフトは色々な回転法を選択できますので色々と試すことが出来て便利です。最初は斜交回転を選び相関係数を見るのが良いかも知れません。相関関係が見られなければ直交回転を行うと言った考えもあります。
因子分析でも主成分分析でも同じですが、「因子抽出法は何か」、「因子数はどうやって決めたか」、「回転法は何か」、「項目の削除基準は・・」などを明らかにする必要があります。ところで、
使用する統計ソフトで微妙に数値が違っていたり、プラスマイナスが逆であったりして戸惑うかも知れません。計算過程の精度の違いによるものもありますが信頼のおける統計ソフトなら問題ないと思います。異なる2つの統計ソフトで比べてみて下さい。
因子の解釈や因子の命名など研究者のセンスをくすぐる面白さもありますので大いに利用して下さい。