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初めての訪問にも関わらず、まるで旧知の間柄のように打ち解けた団欒であった。すっかり暗くなった見知らぬ街の明かりを抜けるとフエリー乗り場に出た。
先輩から「もう、断れないナ！」の言葉を後に乗船したフェリーの客席ソファーで、長い１日の心地良い疲れからか、ウトウトトと眠ってしまった。浅い眠りの中で、多くの先生方に引き立てて頂いた幸運に感謝していた。せめて、私を引き立てて下さった先生方のイニシアルだけでも、ここに記しておこう。
Dr. Sawano , Dr.Sawano Jr. , Dr. Ohbayashi , Dr. Hashimoto , Dr. Ohguchi , Dr. Ohgata Professor , Dr,E.. Ohsaki Profesor , Dr. Takizawa , Dr. Saitou .
その病院の臨床検査科の責任者として招聘されたが、私が最初に取り組んだのは臨床検査技術の基本を教えることであった。スタッフの半数が無資格者であったが、少ない有資格者さえ、その仕事のいい加減さに呆れてしまった。連日のように勉強会を開きスタッフの意識改革に取り組んだが長年の慣習はそうたやすく改善されるものではない。そこで、私は思い切ったリストラ策をとった。無資格者でも真剣に学ぶ気のあるスタッフには資格試験を受ける機会を与え、転職を希望する者には親身で就職の世話をした。こうして何年か後には数名の事務スタッフを除き、すべて有資格者との入れ替えに成功した。そして、この病院の検査科は病院内での地位を確乎たらしめたし学術面でも数々の実績を残した。