統計ブログはじめました!

各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

医学と統計(91)

2012-11-07 11:28:22 | 日記・エッセイ・コラム

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統計ソフト「gretl」を使ってみよう(4)!

gretl を使って自己相関(コレログラム)をやってみましょう。
前回と同様に下記URLから「gretlAutocorr.xls」をダウンロードしておきましょう。

gretl を起動→File →Open data→ Import で→ 「gretlAutocorr.xls」ファイルを読み込み、
一旦→ 「gretlAutocorr.gdt」として保存しておきましょう→

それから、
変数名「NormalD10」を選択し
Variable→ Correlogram→ Maximum lag[50]→ OK

とすれば、コレゴグラムが得られます。
変数名「BressD10」も同様にして下さい。
コレログラムの「ACF」は自己相関、「PACF」は編相関です。

このコレログラムは、
通常時呼吸と強制時呼吸(数息間呼吸)を比較したものです。

図1 通常呼吸時のコレログラム
Autocorr_n

図2 強制呼吸時のコレログラム
Autocorr_d

コレログラムに使用したデータは心電図のRR間隔時間ですが、
RR間隔時間の第1階差を用いています。

詳しくは、下記URLを参考にして下さい。
http://myopenarchive.org/documents/view/165

次回は、
チョットばかり計量経済統計ソフトらしく”パネルデータ”を紹介する予定?・・です。

 

 


医学と統計(90)

2012-11-04 16:09:28 | 日記・エッセイ・コラム

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医学と統計(90)

統計ソフト「gretl」を使ってみよう(3)!

本来、”gretl”は計量経済分野の統計分析に使われることが多いようです。
いわゆる、経済変動を時系列的に分析するのに有用なソフトと言えます。
ここでは、
医学分野の例題を取り上げていますので、多少、勝手が違う感が無きにし非ずってとこでしょうか。
今回は、その様な事にお構いなく、時差相関を試してみたいと思います。

これらは、すでにOCNブログ人の医学と統計(48)で紹介しています。
http://blog.goo.ne.jp/k-stat/d/20100704

血中の好塩基球数(Ba)と IgE値の時系列変動をみたもので、要するに、血中のBaの増加から遅れて血中のIgEが増加するかどうかです。

このデータは「gretl」から、ファイル名「gretlTimeLag.xls」をダウンロードしておきます。

gretl→ File→ Open data→ Import→ Excel→ gretlTimeLag.xls→ Open→
Start inport at, →column[1], row[1], Sheet to import [Sheet1]→ OK→ Yes→
→ Structure of dataset→ ◎Time series→ Forward
Time series frequency→ ◎Annual→ Forward→ Forward→ Apply

gretl に取り込んだデータは下記により保存しておきましょう。
File→ Save data→ [gretlTimeLag.gdt]

データの変数名(Ba)の単位は 個/μL、変数名(IgE)の単位は IU/L であり単位が異なりますので、時差相関には標準化した変数名(NorBa)と変数名(NorIgE)を使用します。
それでは、
View→ Cross correlogram→ Analiable vars の[Nor_Ba, Nor_IgE]を選択し→ Selected vars に移動→ Lag order[5]→ OK

時差相関は表1と図1の通りです。
表1 血中Ba と IgE の時差相関係数
Timelagcorr

時差相関係数は時差2(LAG=-2)で最大(r[2]=0.5522)になっており、血中Baの出現から遅れて血中IgEの増加がみられることを示唆しているかも知れません。この様な現象は医学で良くあることですので、現象の解析に時差相関が役立つかも知れませんね。

図1 血中Ba と IgE の時差相関グラフ
Timelag

MS-Excel や統計解析環境「R」による方法は「医学と統計(48)」を参考にして下さい。

次回は、gretl による自己相関分析の予定です。