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分散分析と言えば医学でも良く用いられる手法です。実験データの総変動を各因子ごとに分類して、その結果を調べるものですが、最近の論文などでは最小2乗分散分析法による投稿を良く見かけるようになりました。多分、パソコン統計ソフトの普及によるところが大きいと思われますが、最小2乗分散分析って・・・、思われる人もおられるかも知れません。そう・・、相関回帰分析では最小2乗法で直線回帰式などを求めました!
要するに、相関回帰と分散分析を統合したようなものです。統計ソフトによっては一般線形モデルとして扱っているものも有ります。パソコン統計ソフトの普及でデータを中心とした統計手法、すなわち、探索的データ分析(EDA)へと移りつつあるようです。EDAは1970年代にJ.W.Tukeyによって開発されたデータ分析法です。それまでの標本から母集団を仮定し推測する方法に対してデータそのものの情報を顕在化させデータの潜在的情報を探索すのがEDAの考え方です。
最近の論文でもBoxPlotによる記述が多くなりましたが、これなどは正規分布仮定の乱用に終止符が打たれようとしているように思えます。先に述べた最小2乗分散分析、あるいは、抵抗性の低い線形モデルである抵抗直線での相関回帰など、そして、多変量解析が普通に使用されるようになってきたこともEDAの潮流かも知れません。