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平均値の差の検定における検出力について考えて見ましょう。
例題は「やさしい医学統計手法」(http://kstat.sakura.ne.jp/medical/med_014.htm)の「例題20」です。例題は次ぎの様になっています。
Age N mean sd
A年代 30 122.5 10.85
B年代 20 133.4 12.24
C年代 10 139.0 20.40
例題の平均差の検定結果は次の通りです。
2群間 t-value p-value e.s.
A年代とB年代 3.297 0.0018* 0.952
A年代とC年代 2.445 0.0325* 0.893
B年代とC年代 0.799 0.4398 0.309
但し、C年代間はWelch test で、「*」は統計学的に有意(p<0.05)を示しています。
なお、e.s. は効果量(Effect Size)と言い、検定で有意な結果が得られる確率は、標本の大きさに影響されますので、これに左右されない効果量(e.s.)を t-value と共に併記することが求められようとしています。そして、
e.s.=ABS(t-value)*sqrt((Na+Nb)/(Na*Nb))
ABS(t-value)=e.s. * N
ですので、有意差は e.s. と N で決まります。そこで、
検定での有意差には e.s. を併記すべきとの意見が出る訳です。
図:PlotMeanによる比較
次回は、効果量(e.s.)と検出力について考えます。