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多変量分散分析(MNOVA)について。
医学において一元配置分散分析はよく用いられる手法であり、とくに、ここで説明するまでもありませんが、MANOVAについては、あるいは、説明がいるかも知れません。ここでは、一元配置型の簡単な例題について、その計算過程を見てみましょう。
[例題]
2群に分けたそれぞれ異なる2種類の薬物(A1、A2)の投与前(x1)と投与後(x2)の測定値が次の様であったとします。
A1 A2
x1 x2 x1 x2
----------------------------------------
2.3 2.56 3.0 2.71
1.1 2.4 1.95 2.08
3.09 2.83 3.18 2.71
1.39 2.3 3.09 2.77
2.4 2.71 3.22 2.83
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筆算は一元配置型ANOVAを拡張したもので、全体、薬物間、誤差の平方和積和(SSP)行列を計算して、Wiliks のラムダを求めます。ここでの例題の計算はMS-Excell の表計算関数を用いて行うことが出来ます。
次のURL にアクセスして見て下さい。
URL:
http://kstat.sakura.ne.jp/dbase/dbase.html
そして、
Down Load [ MANOVA:多変量分散分析 ] をクリックして、
MS-Excell ファイル「MANOVA.xls」を開いて下さい。
例題の測定値が入力されており、SSPの計算過程を見る事が出来ます。
MANOVA の結果は、多変量分散分析表にまとめられており、p-value=0.0326 で統計的に有意になっています。すなわち、例題では水準間に有意な差があると判断され、2種類の薬物での測定値は、薬物投与前後で異なると言えます。
医学において、この様な適用事例は多いと思いますが、実際の医学データでは、もっと複雑ですので商用統計ソフトや「R」などを用いると便利でしょう(R では MANOVA で出来ます)。