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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

医学と統計(53)

2010-09-26 12:04:29 | 日記・エッセイ・コラム

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多変量分散分析(MNOVA)について。
医学において一元配置分散分析はよく用いられる手法であり、とくに、ここで説明するまでもありませんが、MANOVAについては、あるいは、説明がいるかも知れません。ここでは、一元配置型の簡単な例題について、その計算過程を見てみましょう。

[例題]
2群に分けたそれぞれ異なる2種類の薬物(A1、A2)の投与前(x1)と投与後(x2)の測定値が次の様であったとします。

          A1             A2
  x1   x2      x1    x2
 ----------------------------------------
  2.3   2.56   3.0   2.71
  1.1   2.4   1.95  2.08
  3.09  2.83   3.18  2.71
  1.39  2.3    3.09  2.77
  2.4   2.71   3.22  2.83
   -----------------------------------------

筆算は一元配置型ANOVAを拡張したもので、全体、薬物間、誤差の平方和積和(SSP)行列を計算して、Wiliks のラムダを求めます。ここでの例題の計算はMS-Excell の表計算関数を用いて行うことが出来ます。
次のURL にアクセスして見て下さい。
URL:
http://kstat.sakura.ne.jp/dbase/dbase.html

そして、
Down Load [ MANOVA:多変量分散分析 ] をクリックして、
MS-Excell ファイル「MANOVA.xls」を開いて下さい。
例題の測定値が入力されており、SSPの計算過程を見る事が出来ます。
MANOVA の結果は、多変量分散分析表にまとめられており、p-value=0.0326 で統計的に有意になっています。すなわち、例題では水準間に有意な差があると判断され、2種類の薬物での測定値は、薬物投与前後で異なると言えます。
医学において、この様な適用事例は多いと思いますが、実際の医学データでは、もっと複雑ですので商用統計ソフトや「R」などを用いると便利でしょう(R では MANOVA で出来ます)。