第7章-2 独立2標本の平均について(有意差検定)
正規母集団から取られて2つの標本の分散(バラツキ)が”等しい”なら「Student's t-test」を、”等しくない”なら「Welch's t-test」を採用する為に、分散比の検定を行った.
この様な、原理原則を頑なに守る必要があるなら、自然界のデータの多くは、厳密に”等分散”のモノは少ないだろう.
だったら、最初から「Welch's t-test」を行えば良さそうなものであるが、熱烈な「Student's t-test」のファンなどは、「ステューデントの t検定」はロバスト(和訳:頑健)だから、少々のバラツキの違いは問題ないと」主張する人々もいる.
一般的に、
多くの商用統計ソフトでは両方の結果を出力して判断を実践者にまかせている様で、これは後付けではないか・・、と思う人もいる.
これには、
統計の現場で日々分析に当たっている者は困ってしまう.
偉大な先人達は、AグループとBグループの平均値差の検定方法を発表した.それが、あまりにも有名な
「ステューデントの t検定」なのに、本ブログでは「ウエルチの t検定」を指示しているように見受けられるだろうか・・?
「ウエルチのt検定」に付いては下記に詳しいと思うのでご紹介しておこう.
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The Generalization of Student's' problem when Several Differen Population Variance are Involved (B.L.Welch)
要するに、
「ステューデントのt検定」は正規性・等分散性(バラツキが等しい)の条件が付いている.それでは、
バラツキが等しくない非等分散のときはどうするのだ・・・、との疑問に対して「ウエルチ」が 「Welch's t-test」 を発表した(「統計学を拓いた異才たち」より).
そこで、
等分散かどうか分からないなら、まず「ウエルチ」の t検定をやってみる・・・、そして、実験計画や測定データを見直してもなお、等分散と言えないなら積極的に「ウエルチのt検定」を用いる・・、もし等分散なら用いる必要はないと言える.とくに、海外の学術誌の査読者は厳しい様だ.
ただ、
一つ注意すべきは、「対応あり」なのに「対応なし」(独立)の t検定をするのは大きな誤りにつながるが、これについては別章で紹介する.
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