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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

統計技術 第Ⅲ部 第6章-2:対応する2標本のt-検定の方法

2022-10-09 15:18:09 | 日記・エッセイ・コラム

今回の投稿から、ISLの”久美”(アシスタント・スタッフ)が担当致しますので、どうぞよろしくお願い致します。

第Ⅲ部 Free Online Caluclator (例題集)
第6章-2:対応する2標本のt-検定の方法

前章前項は独立2標本のt検定をsummary data を用いて検定する方法であり、統計技術的に"Free Online Calculator"を用いた簡単・容易な技術を紹介しました.
ここでは、
対応する2標本を手軽におこなえる方法を紹介しましょう.
この方法については、本稿「統計技術」で既に紹介していますが、"summary data" を用いて方法を簡単な例題でやってみたいと思います.

例題は、Gooブログ:統計技術 第Ⅰ部「第7章-5 対応する2標本の差の検定について」です.
 http://toukei.sblo.jp/article/187434857.html

Summary data は次の通りです.

.......................夫のスコアー.....妻のスコアー
データ数(n)...........10
平均値(mean)........182.4...............147.6
標準偏差(sd).........14.57................13.69

使用する「Free Online Calculator」(下記Web サイトの場合)

# Statistics Kingdom
https://www.statskingdom.com/paired-t-test-calculator.html

実行
図1 sammary data の入力画面


Average(Xd:)は差の平均値(34.8)、Sample SD(sd:)は差の標準偏差(20.093)です.

[ Calculate ]

図2 出力結果

1. H0 hypothesis
Since the p-value < α, H0 is rejected.
The Before population's average is considered to be not equal to the After population's average.
In other words, the difference between the averages of Before and After is big enough to be statistically significant.
つまり、
1.H0仮説
p 値 < α であるためH0 は棄却され、前後の母集団の平均差は、等しくない、すなわち、前後で有意な差があると見なされる.前後 の平均値の差は、統計的に十分に有意であると言える.

2. P-value
The p-value equals 0.0003917, ( P(x≤5.4769) = 0.9998 ). 
It means that the chance of type I error (rejecting a correct H0) is small: 0.0003917 (0.039%). The smaller the p-value the more it supports H1.
つまり、
p 値=0.0003917 で、タイプ I エラー (正しい H0 を拒否する) の可能性が小さいことを意味しており、p 値が小さいほど、H1 を支持してしている.

3. Test statistic
The test statistic T equals 5.4769, which is not in the 95% region of acceptance: [-2.2622, 2.2622].
The 95% confidence interval of After minus Before is: [20.4263, 49.1737].
つまり、
検定統計量 T=5.4769 で、95% の許容範囲 [-2.2622, 2.2622] にはなく、前後の 95% 信頼区間は [20.4263, 49.1737] である.

4. Effect size
The observed effect size d is large, 1.73. 
This indicates that the magnitude of the difference between the average of the differences and the expected average of the differences is large.
つまり、
観測された効果量 d =1.73 で、前後差の平均が大きいことを示している.

もし、
携帯(スマートフォーン)なら、下記の「KASIO」サイトが便利かも知れません.

# KASIO
 https://keisan.casio.jp/exec/user/1490619220#!

図3 CASIO の入力と出力画面

データの入力;
標本平均[34.8]、標本分散分析[403.73](sd^2)、サンプルサイズ[10]

***
別の"Free Online Calculator"として、下記Webサイトを紹介しておきましょう.

# EPITOOLS (One-sample t-test on summary data)
 https://epitools.ausvet.com.au/onesamplettest

summary data の入力は図1と同じ様にすれば良いでしょう.

***
文責:ISL asistant staff 久美

 

 

 

 



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