一つの作品の中で複数の事件が解決されていくというのがこのシリーズのおもしろいところである。この作品も、メインテーマはステファニー出版という企業及び代表取締役・城ケ崎七海に対するマルサの脱税捜査である。万能鑑定士Qの経営者凜田莉子がマルサの依頼に協力しいくという物語。そしてメインテーマの謎を追う過程でいくつかの事件を解決するという脇道に入るという次第だ。それぞれが違う領域の事件解決であり、楽しめる。
この作品を読み始めて最初に戸惑うのは、凜田莉子がステファニー出版の第二秘書として冒頭から登場するのだ。編集長第一秘書は入社5年目、27歳の園部遥菜である。編集長というのは代表取締役城ケ崎七海のことである。遥菜は編集長の「クオリティの高い表現こそ、なにより優先すべきもの」という方針のもとに、月刊女性誌『イザベル』の電子版を取り仕切っている。
場面は今年最後の電子版、クリスマス特集号の配信直前の場面から始まる。配信直前にミスがあると編集長が遥菜に電話連絡してくる。編集長は絶対に編集ミスを許さない。配信までのタイムリミットは23分間。タイムリミットまでに修正し完璧なものを配信しなければならない。その総指揮をやり遂げなければ、遥菜の地位は保証されない。緊迫したシーンからストーリーがはじまるから、おもしろい。電子版雑誌の裏舞台が垣間見える感じである。そこに莉子が第二秘書として颯爽と登場する。莉子は鑑定手腕を発揮して、独自にミスを発見し、その修正段取りを先回りに進めていたのだ。この登場のさせ方がまずおもしろい。そして、これを事件解決に数えるならば、先取りでミスを発見した理由が語られていく。莉子の博識話として、なるほど・・・・という次第。電子版配信までの緊迫感が実に興味深い。
なぜ莉子が第二秘書としてステファニー出版に転職したのか? そのきっかけが4ヵ月前の時点にあったのだ。
それは、『イザベル』にコラムを連載している香水評論家-早稲田大学の非常勤講師を兼ねている-菊原琢麿が『バラと女と香水と』という題名の純愛小説を角川書店から出版したことにある。その作品が出版される3週間以上前に藪野稔著『フゼアとハーブとオーデコロン』が精進書店を版元として出版されていたのだ。その内容が菊原の小説とまるで同じだった。菊原は藪野が盗作したと主張する。だが出版時期の事実を見れば、菊原こそが藪野の作品を盗作したことになる。
この不祥事がいずれ問題視される可能性から、遥菜は菊原にコラム連載の打ち切り、コラムの単行本化の無期延期を通告する。菊原には晴天の霹靂の如きもの。香水評論家の名誉にも関わってくる。
菊原はあわてて早稲田大学の准教授氷室の研究室に駆け込んでいく。氷室から聞いていた万能鑑定士Qの経営者を紹介してほしいと言う。たまたまその時、莉子はお店に鑑定依頼にある女性が持ち込んだ品の分析結果を知るために氷室の許に来ていたのだ。これがきっかけで、莉子は菊原の小説盗作事件の解決に関わっていく。この盗作の解明プロセスがやはり、一つの読みどころとなる。文字変換のプロセスの事後解説が私には実に興味深い。菊原の存在が莉子を『イザベル』にリンクさせる伏線になる。
では、莉子は何を氷室研究室に持ち込んだのか? それは金の延べ棒もどきの奇妙な合金だったのだ。それはQの店に痩せ細った30代後半の女性が持ち込んだ鑑定依頼品。後日来ると言って、鑑定依頼品を置き、身を翻してQの店を立ち去ったといういわくがある品である。
形状は金の延べ棒、打刻された純度は”Au99.9999%”となっている。だが表面は黄金色というよりは赤褐色に近くしかも色ムラが見える状態だった。後日、その女性がQの店に来店する。彼女は同行した専門家のその場での分析結果を得て、紛れもなく純金だった金の延べ棒を10本、相当の値段で購入したというのだ。10本のうち1本は彼女の選んでその場で切断し、同行の専門家が切断面の隅々まで検査分析したのだという。
純金が無価値な合金に変化してしまう。正に錬金術の逆である。全財産を無くしたのではと思われる依頼主。持ち合わせの金を鑑定料として莉子に手渡し、鑑定品の合金を取り上げて、ふいに踵をかえしてQの店を出て行った。莉子の性分として、黙っている筈がない。この逆錬金術の謎を追っていくことになる。
菊原の盗作事件を解決したことが、ステファニー出版を内偵するマルサに莉子を結びつける契機になる。合同庁舎で禿げ頭の中年の職員から見せられたのが、莉子が既に目にしていたあの逆錬金術の合金と同種のものだった。その職員に代わって、国税庁査察部の風峰颯太が事情を説明する。脱税者がその無価値な合金を純金だと騙されて財産の隠匿手段にしていたという。そして、ステファニー出版と城ケ崎七海の脱税行為の内偵に莉子が協力することになる。脱税者に合金を売っているのは同一のブローカーのようであり、そのブローカーが次に狙っているのが城ケ崎七海と目されるのだという。
そして、ちょうどその時点で、ステファニー出版は編集長第二秘書を急募していたのだ。風峰はその職に莉子が応募し、協力を要請したのだった。莉子は城ケ崎七海の面接を受け、即決で採用されることになる。
城ケ崎七海が脱税行為をしているかどうかの解明は、同時に悪質ブローカーの検挙に結びつく可能性を秘めている。
これがどう展開するか、それがこの作品のメインテーマと言える。
さて、そこで第二秘書として働く莉子が、5億円のペンダント紛失事件の謎解きを行うことになっていく。それは『イザベル』電子版の発信が終了し、恒例のクリスマス・イヴのパーティがステファニー出版のビルで開催された中で発生する。
不動産王から城ケ崎七海がグラビア写真撮影用に借り出し、社内で撮影後GPS機能付きの手提げ金庫に保管の為に遥菜が納めた後、わずかの隙にその金庫が盗まれるのだ。GPS機能が働いている。それが示す位置情報から金庫がビルの外に持ち出された形跡はない。犯人はこのパーティに出席している社員の誰かということになる。莉子は遥菜に協力して、ペンダントの取り返すための追求を始める。
この事件がメインテーマとも思える位の位置づけでストーリーが展開していく。短編小説として、この事件を切り出しても小品になる部分である。犯人捜しの展開、構成もおもしろい仕上がりになっている。読み応えがある。ここでも莉子の論理的思考と推理は冴えている。
この事件の解決で城ケ崎七海は莉子に対する信頼感を増す。七海は莉子に、小説『プラダの悪魔』をしているかと尋ね、莉子が読んだと答えるのを聞いたうえで、莉子に言う。「いまあなたが置かれた立場でそう実感できるのなら、わたしにとって喜ばしいことだわ。そのまま常識と節度を忘れずにいてほしいわね。わたしに対しては、必要なことだけ進言して。サポートを怠るのは秘書として無能の証よ。いいわね」と。
そして、それは七海の脱税行為の事実に連なっていくステップとなる。莉子は莉子の判断で必要なことだけ進言し、サポートすることになる。メインテーマの事案は大団円を迎えていく。
編集長第二秘書としての4ヵ月の勤務後、莉子は再び飯田橋の本業の仕事場に戻っていく。ステファニー出版がどうなるか? 本作品の最終章「新天地」をお読みいただくとよい。その内容を味わうには、やはり最初から読み通すべきであろう。
ご一読ありがとうございます。
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本書関連の語句から少し脇道に入る項目も含め、いくつか検索してみた。一覧にしておきたい。
国税局 :ウィキペディア
税務調査 :ウィキペディア
金地金 :「田中貴金属工業」
約26兆円分の金塊・金の延べ棒・ゴールドバーがまるで映画のように山積みにされているイングランド銀行の保管庫はこんな感じ :「Gigazine」
沈没船から金の延べ棒1億円超 米南部沖、金融恐慌の原因説も
2014.5.6 19:07 [米国] :「msn産経ニュース」
オー、マイゴールド!:NYの貴金属商が偽金の延べ棒を発見!
2012年 09月 20日 :「Kazumoto Iguchi's blog」(井口和基の公式ブログ)
ひやむぎ :ウィキペディア
素麺 :ウィキペディア
ダイヤモンド :ウィキペディア
フローレス・ダイヤモンド ← 最高級ダイヤモンド :「GALLERY PRECIOUS」
プレタポルテ :ウィキペディア
オートクチュール :ウィキペディア
『プラダを着た悪魔』 :ウィキペディア
The Devil Wears Prada (novel) From Wikipedia, the free encyclopedia
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その点、ご寛恕ください。)
万能鑑定士Qに関心を向け、読み進めてきたシリーズは次のものです。
こちらもお読みいただけると、うれしいです。
『万能鑑定士Q』(単行本) ← 文庫本ではⅠとⅡに分冊された。
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅲ』
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅳ』
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅴ』
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅵ』
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅸ』
『万能鑑定士Qの事件簿 ⅩⅠ』
『万能鑑定士Qの事件簿 ⅩⅡ』
この作品を読み始めて最初に戸惑うのは、凜田莉子がステファニー出版の第二秘書として冒頭から登場するのだ。編集長第一秘書は入社5年目、27歳の園部遥菜である。編集長というのは代表取締役城ケ崎七海のことである。遥菜は編集長の「クオリティの高い表現こそ、なにより優先すべきもの」という方針のもとに、月刊女性誌『イザベル』の電子版を取り仕切っている。
場面は今年最後の電子版、クリスマス特集号の配信直前の場面から始まる。配信直前にミスがあると編集長が遥菜に電話連絡してくる。編集長は絶対に編集ミスを許さない。配信までのタイムリミットは23分間。タイムリミットまでに修正し完璧なものを配信しなければならない。その総指揮をやり遂げなければ、遥菜の地位は保証されない。緊迫したシーンからストーリーがはじまるから、おもしろい。電子版雑誌の裏舞台が垣間見える感じである。そこに莉子が第二秘書として颯爽と登場する。莉子は鑑定手腕を発揮して、独自にミスを発見し、その修正段取りを先回りに進めていたのだ。この登場のさせ方がまずおもしろい。そして、これを事件解決に数えるならば、先取りでミスを発見した理由が語られていく。莉子の博識話として、なるほど・・・・という次第。電子版配信までの緊迫感が実に興味深い。
なぜ莉子が第二秘書としてステファニー出版に転職したのか? そのきっかけが4ヵ月前の時点にあったのだ。
それは、『イザベル』にコラムを連載している香水評論家-早稲田大学の非常勤講師を兼ねている-菊原琢麿が『バラと女と香水と』という題名の純愛小説を角川書店から出版したことにある。その作品が出版される3週間以上前に藪野稔著『フゼアとハーブとオーデコロン』が精進書店を版元として出版されていたのだ。その内容が菊原の小説とまるで同じだった。菊原は藪野が盗作したと主張する。だが出版時期の事実を見れば、菊原こそが藪野の作品を盗作したことになる。
この不祥事がいずれ問題視される可能性から、遥菜は菊原にコラム連載の打ち切り、コラムの単行本化の無期延期を通告する。菊原には晴天の霹靂の如きもの。香水評論家の名誉にも関わってくる。
菊原はあわてて早稲田大学の准教授氷室の研究室に駆け込んでいく。氷室から聞いていた万能鑑定士Qの経営者を紹介してほしいと言う。たまたまその時、莉子はお店に鑑定依頼にある女性が持ち込んだ品の分析結果を知るために氷室の許に来ていたのだ。これがきっかけで、莉子は菊原の小説盗作事件の解決に関わっていく。この盗作の解明プロセスがやはり、一つの読みどころとなる。文字変換のプロセスの事後解説が私には実に興味深い。菊原の存在が莉子を『イザベル』にリンクさせる伏線になる。
では、莉子は何を氷室研究室に持ち込んだのか? それは金の延べ棒もどきの奇妙な合金だったのだ。それはQの店に痩せ細った30代後半の女性が持ち込んだ鑑定依頼品。後日来ると言って、鑑定依頼品を置き、身を翻してQの店を立ち去ったといういわくがある品である。
形状は金の延べ棒、打刻された純度は”Au99.9999%”となっている。だが表面は黄金色というよりは赤褐色に近くしかも色ムラが見える状態だった。後日、その女性がQの店に来店する。彼女は同行した専門家のその場での分析結果を得て、紛れもなく純金だった金の延べ棒を10本、相当の値段で購入したというのだ。10本のうち1本は彼女の選んでその場で切断し、同行の専門家が切断面の隅々まで検査分析したのだという。
純金が無価値な合金に変化してしまう。正に錬金術の逆である。全財産を無くしたのではと思われる依頼主。持ち合わせの金を鑑定料として莉子に手渡し、鑑定品の合金を取り上げて、ふいに踵をかえしてQの店を出て行った。莉子の性分として、黙っている筈がない。この逆錬金術の謎を追っていくことになる。
菊原の盗作事件を解決したことが、ステファニー出版を内偵するマルサに莉子を結びつける契機になる。合同庁舎で禿げ頭の中年の職員から見せられたのが、莉子が既に目にしていたあの逆錬金術の合金と同種のものだった。その職員に代わって、国税庁査察部の風峰颯太が事情を説明する。脱税者がその無価値な合金を純金だと騙されて財産の隠匿手段にしていたという。そして、ステファニー出版と城ケ崎七海の脱税行為の内偵に莉子が協力することになる。脱税者に合金を売っているのは同一のブローカーのようであり、そのブローカーが次に狙っているのが城ケ崎七海と目されるのだという。
そして、ちょうどその時点で、ステファニー出版は編集長第二秘書を急募していたのだ。風峰はその職に莉子が応募し、協力を要請したのだった。莉子は城ケ崎七海の面接を受け、即決で採用されることになる。
城ケ崎七海が脱税行為をしているかどうかの解明は、同時に悪質ブローカーの検挙に結びつく可能性を秘めている。
これがどう展開するか、それがこの作品のメインテーマと言える。
さて、そこで第二秘書として働く莉子が、5億円のペンダント紛失事件の謎解きを行うことになっていく。それは『イザベル』電子版の発信が終了し、恒例のクリスマス・イヴのパーティがステファニー出版のビルで開催された中で発生する。
不動産王から城ケ崎七海がグラビア写真撮影用に借り出し、社内で撮影後GPS機能付きの手提げ金庫に保管の為に遥菜が納めた後、わずかの隙にその金庫が盗まれるのだ。GPS機能が働いている。それが示す位置情報から金庫がビルの外に持ち出された形跡はない。犯人はこのパーティに出席している社員の誰かということになる。莉子は遥菜に協力して、ペンダントの取り返すための追求を始める。
この事件がメインテーマとも思える位の位置づけでストーリーが展開していく。短編小説として、この事件を切り出しても小品になる部分である。犯人捜しの展開、構成もおもしろい仕上がりになっている。読み応えがある。ここでも莉子の論理的思考と推理は冴えている。
この事件の解決で城ケ崎七海は莉子に対する信頼感を増す。七海は莉子に、小説『プラダの悪魔』をしているかと尋ね、莉子が読んだと答えるのを聞いたうえで、莉子に言う。「いまあなたが置かれた立場でそう実感できるのなら、わたしにとって喜ばしいことだわ。そのまま常識と節度を忘れずにいてほしいわね。わたしに対しては、必要なことだけ進言して。サポートを怠るのは秘書として無能の証よ。いいわね」と。
そして、それは七海の脱税行為の事実に連なっていくステップとなる。莉子は莉子の判断で必要なことだけ進言し、サポートすることになる。メインテーマの事案は大団円を迎えていく。
編集長第二秘書としての4ヵ月の勤務後、莉子は再び飯田橋の本業の仕事場に戻っていく。ステファニー出版がどうなるか? 本作品の最終章「新天地」をお読みいただくとよい。その内容を味わうには、やはり最初から読み通すべきであろう。
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国税局 :ウィキペディア
税務調査 :ウィキペディア
金地金 :「田中貴金属工業」
約26兆円分の金塊・金の延べ棒・ゴールドバーがまるで映画のように山積みにされているイングランド銀行の保管庫はこんな感じ :「Gigazine」
沈没船から金の延べ棒1億円超 米南部沖、金融恐慌の原因説も
2014.5.6 19:07 [米国] :「msn産経ニュース」
オー、マイゴールド!:NYの貴金属商が偽金の延べ棒を発見!
2012年 09月 20日 :「Kazumoto Iguchi's blog」(井口和基の公式ブログ)
ひやむぎ :ウィキペディア
素麺 :ウィキペディア
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プレタポルテ :ウィキペディア
オートクチュール :ウィキペディア
『プラダを着た悪魔』 :ウィキペディア
The Devil Wears Prada (novel) From Wikipedia, the free encyclopedia
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万能鑑定士Qに関心を向け、読み進めてきたシリーズは次のものです。
こちらもお読みいただけると、うれしいです。
『万能鑑定士Q』(単行本) ← 文庫本ではⅠとⅡに分冊された。
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅲ』
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅳ』
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅴ』
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅵ』
『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅸ』
『万能鑑定士Qの事件簿 ⅩⅠ』
『万能鑑定士Qの事件簿 ⅩⅡ』