九州、豊後、坪内藩の城下町の剣術道場主である20歳の青鳴権平と17歳の妹千草、12歳の弟勘六の三人が中心となる物語。神妙活殺流の道場主青鳴一兵衛が去年の5月に亡くなり、間もなく一周忌を迎えるという時点から話が始まる。
四万八千石という小藩に過ぎないが、かつて坪内藩では、藩主の前での御前試合を盛んに行い、身分を問わず、剣術の達者な者を士分とするならわしがあった。現在の藩剣術指南役を務める羽賀弥十郎はその一人である。領内の庄屋の息子が、士分に取り立てられ、剣術指南役にまでなったのである。
城下には青鳴道場も含めて、6つの道場があった。藩の重臣たちの中には、気に入りの道場主を剣術指南役に推す動きすらあった。現在の弥十郎に勝つ力量があるのは、青鳴一兵衛だと見られていた、腕が立ち、人柄も練れているため、多くの門人で道場が栄えていた。
その一兵衛が剣術道場主たちの会合に出て小料理屋で酒を飲み、帰路なぜか地元の素戔嗚神社の石段であしを滑らせて頭を打って亡くなったのである。一兵衛は未だ46歳という壮年だった。死ぬような年齢ではない。青鳴道場の繁栄を妬む者の仕業ではないかという噂もあった。
その一兵衛が亡くなり一周忌が来るのである。道場を継いだ権平は、昼行灯のような性格で、竹刀を用いての稽古では、気が乗らないとあっけないほどの弱さで弟子達に打たれて負けてしまう。そのため、「あおなり」とよばれるようになっていた。青瓢箪とかうらなりという陰口が、姓の青鳴と合わさったのである。
一方、千草は日頃から男装を好み、一兵衛に仕込まれたあため剣術の腕前は立つ。門人には、兄上は神妙活殺流の奥義に達していて、自分など足元にも及ばないと言っていた。そんな千草が、権平があっさりと弟子に打たれるのに対し、千草が門人に荒稽古をするのだった。そのお陰で、門人はこの頃ゼロのいなってしまう。禄のない町道場で門人がいなくなれば、収入が途絶える。
勘六は、幼い頃から儒学者の塾に通い、天神小僧と呼ばれるほどの秀才で、大人に対してもこましゃくれた口を利く。四書五経をそらんじていて弁がたつ。
給金が払えないので、使用人には泣く泣く出ていてもらう羽目になり、ついに米櫃がそこをつく状態のなってきたのだ。そこで三人は話し合いをする。その結果、城下の町道場に道場破りを仕掛けて、勝つことによりなにがしかの金を稼ぐという手段に出ることにする。道場に乗り込み、そこそこの試合をすれば、看板を奪わなくても、道場主があいさつ代わりに銀子を包んでくれる。道場破りがうまく行けば、再び門人も戻ってくるだろう、と千草が説く。それが、権平の力を見せることになり、道場の再興の道につながると。
権平は千草の言う奥義は必死に使うもので、使えば怪我人にや死人が出るから使えぬと。しかし、大義名分を思いついたという形で言う。「父の仇を捜すために道場破りをする」と。だが、それは権平の本心でもあると思われる。
なぜなら、父が亡くなったとき、権平は番所に呼ばれて、遺体をあらためていたのだ。後ろ頭に石段で打ったらしい傷があったが、その下にはおそらく木刀で打ったと思われる傷が隠れているのを発見していたのである。
つまり、この小説は道場破りという形を借りた、父の仇を捜す探索ストーリーである。権平は、俗に言う<天狗飛び斬り>の技を石段という地の利を使い実行したと推測していたのである。そして、この技はどの流派にも名称は違え、相手を跳び越えての逆内の技としてあるという。その種の技を使え、一兵衛と互角あるいはそれ以上の剣術者を見つけられればよいと言うことになるのだ。
権平の言い出した道場破りの大義名分は、うまくゆさぶりをかける契機になっていく。
この小説、千草の発案という形をとりながら、権平が父の仇という殺人犯人捜査を己が動くことである意味囮となって行動していく物語である。坪内藩という城下でのミステリー劇である。
権平たち3人は、新当流の柿崎源五郎の道場への道場破りから始める。城下で最も古株の柿﨑はすでに60歳を超えていて、温厚そうな人柄の人物でもあったからだ。
最後に立ち合った柿崎は、青鳴の取った最後の構えに、<天狗斬り>を使わせようとする腹の内が見えたので、参ったと言い立ち合いを辞めたと、奧の座敷で語ったのだ。青鳴が父の仇を討とうと思い立ったと読んだのだ。そして、柿崎は道場破りは恨みを買い、危険だと忠告する。案の定、敗れた柿崎の門弟が青鳴たち3人を待ち伏せしていた。
その場で、青鳴は<神妙活殺>の技を使うことになる。なんと、柿崎はそれを陰で眺めることで、その技を見て盗もうとしていたのである。得体の知れなさの一方、町道場主としての世渡りのうまさを見せていく。そして、最後に、柿﨑の真の姿が明らかになるという面白さで、黒子的役割も果たしていく。
道場破りを続けて行く。次は、無念流、尾藤道場である。尾藤は城下の剣術道場主の中での長老で、近頃は病勝ちの身。孫娘の由梨が道場を任され、師範代になっているという。無念流は、刀だけでなく、薙刀も教えているという。由梨が立ち合うときは薙刀を使うそうなのだ。
この小説の構成で面白いのは、それぞれの道場破りにおいて、その場面がエピソード風に描き込まれていくことである。立ち合いシーンをいろいろと愉しむことができる。そして、そこで犯人捜しにつながる情報が、様々な形でもたらされることになる。権平が動き回ることで、波風が大きく立ち、うねり始めるのである。
尾藤は一兵衛が<神妙活殺>を若い頃に工夫した技だということを知っていて、それが使われるのを一度見たことがあるという。<神妙活殺>が権平に伝わっているとしたら、敵を引き寄せると予告する。
看板料を権平は由梨から受けとろうとしたとき、権平の手が由梨の指にかすかにふれて、一瞬どきりとし赤い顔になる。千草はそれを目ざとく見ていたのだ。
その十日後、尾藤道場から権平に呼び出しの手紙を門弟が届ける。黒装束の賊が侵入し、尾藤一心を斬ったのだ。賊と闘った由梨も怪我をしたが、一心の部屋で数を数え、<神妙活殺>と声を響かせたという。権平たちが駆けつけた後、一心は何事か口にして亡くなる。勘六は一心の口の動きを見ていて、「あおなり」という言葉が浮かんだと言う。
遂に、敵がおぼろに姿を見せ始めたのである。うねりだしたといえよう。
権平は由梨に仇捜しへの助力を頼む。
なぜ、父が殺されることになったのか。道場破りを続ける中で、父に関わる過去の背景情報が少しずつもたらされてくる。柿崎は一心の通夜の席で、権平に秘技というものに関わるものの見方について、ヒントを与えられることになる。心影流の戸川源之亟が近頃、<無明剣>という技を極めたと称していると聞く。そこから、権平は次の道場破りを戸川道場と決める。
3日後に、由梨が青鳴道場を訪れて、祖父の遺品整理を整理していて、ある書状を見つけたという。それを権平たちに見せるためにやってきたのだ。その書状は、たった一行記されたもの。「あおなりいちひょうえをあやめよ -闇」
この日、由梨が帰った後、権兵は戸川道場に行き、<無明剣>の技を確かめるために道場破りに行く。戸川と立ち合った後、源之亟の口から、権平たちは紙包みを受けとるとともに、由梨が権平に見せた書状に関連すると思われる事実の一端を聞かされるのである。5年前になくなった父から源之亟が聞かされた内容だった。源之亟の父はその内容については嫌っていたという。源之亟もまた、源平の味方に加わっていく。
源之亟の教えたことは、権平を今までに道場主たちが関わっていた闇の一端に触れさせたことになっていく。それは犯人捜しの闇の深さにさらに一歩足を踏み入れることでもあった。
道場破りがきっかけで、闇の仕掛けが、徐々に明るみに出てくる。それは坪内藩の主家の内情に繋がって行くという展開になっていく。
一方、青鳴一兵衛という人物の姿が明らかになっていく過程でもある。権平が知りつつ秘していたこと。また権平が知らなかった事実が明らかになってくる。権平自身が息を呑む事実が。
メインストーリーのこの後の展開は、語らずにおこう。ぜひ、本書を広げてその顛末を愉しんでいただきたい。
一兵衛の到達した<神妙活殺>の技の真髄が何であったかを、遂に会得した権平が、<神妙活殺>の技を使うというもう一人の男と、真剣勝負を行うファイナルステージへと読者は導かれていく。
この小説のテーマは「絆」ではないかなと私は思う。印象深いフレーズがいくつかある。ご紹介しよう。
*会ったこともない血縁のひとのことを考えるより、ともに生きて慈しんでくれるひとの方が大切だと思ったのです。 p152
*血がどうであれ、心がいったん通じ合ったならばおやこであることに変わりはない。 p111
*わたしにはわかったのです。大切にされたかではない。誰を大切に思っているかなのだと。 p149
*ひとを大切に思うものは、ひとから大切に思われているのです。 p149
青鳴道場が、あおなり道場の看板を江戸で掲げるということで、エンディングとなる。 「そうか、わたしたち三人はまだまだ未熟で青いが江戸で何かになろうとするのだからな」
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徒然に読んできた作品の印象記に以下のものがあります。
こちらもお読みいただけると、うれしいかぎりです。
『孤蓬のひと』 角川書店
『秋霜 しゅうそう』 祥伝社
『神剣 一斬り彦斎』 角川春樹事務所
『辛夷の花』 徳間書店
『風かおる』 幻冬舎
『はだれ雪』 角川書店
『鬼神の如く 黒田叛臣伝』 新潮社
『決戦! 大坂城』 葉室・木下・富樫・乾・天野・冲方・伊東 講談社
『決戦! 本能寺』 伊東・矢野・天野・宮本・木下・葉室・冲方 講談社
===== 葉室 麟 作品 読後印象記一覧 ===== 更新4版(37+1冊)2016.1.27
四万八千石という小藩に過ぎないが、かつて坪内藩では、藩主の前での御前試合を盛んに行い、身分を問わず、剣術の達者な者を士分とするならわしがあった。現在の藩剣術指南役を務める羽賀弥十郎はその一人である。領内の庄屋の息子が、士分に取り立てられ、剣術指南役にまでなったのである。
城下には青鳴道場も含めて、6つの道場があった。藩の重臣たちの中には、気に入りの道場主を剣術指南役に推す動きすらあった。現在の弥十郎に勝つ力量があるのは、青鳴一兵衛だと見られていた、腕が立ち、人柄も練れているため、多くの門人で道場が栄えていた。
その一兵衛が剣術道場主たちの会合に出て小料理屋で酒を飲み、帰路なぜか地元の素戔嗚神社の石段であしを滑らせて頭を打って亡くなったのである。一兵衛は未だ46歳という壮年だった。死ぬような年齢ではない。青鳴道場の繁栄を妬む者の仕業ではないかという噂もあった。
その一兵衛が亡くなり一周忌が来るのである。道場を継いだ権平は、昼行灯のような性格で、竹刀を用いての稽古では、気が乗らないとあっけないほどの弱さで弟子達に打たれて負けてしまう。そのため、「あおなり」とよばれるようになっていた。青瓢箪とかうらなりという陰口が、姓の青鳴と合わさったのである。
一方、千草は日頃から男装を好み、一兵衛に仕込まれたあため剣術の腕前は立つ。門人には、兄上は神妙活殺流の奥義に達していて、自分など足元にも及ばないと言っていた。そんな千草が、権平があっさりと弟子に打たれるのに対し、千草が門人に荒稽古をするのだった。そのお陰で、門人はこの頃ゼロのいなってしまう。禄のない町道場で門人がいなくなれば、収入が途絶える。
勘六は、幼い頃から儒学者の塾に通い、天神小僧と呼ばれるほどの秀才で、大人に対してもこましゃくれた口を利く。四書五経をそらんじていて弁がたつ。
給金が払えないので、使用人には泣く泣く出ていてもらう羽目になり、ついに米櫃がそこをつく状態のなってきたのだ。そこで三人は話し合いをする。その結果、城下の町道場に道場破りを仕掛けて、勝つことによりなにがしかの金を稼ぐという手段に出ることにする。道場に乗り込み、そこそこの試合をすれば、看板を奪わなくても、道場主があいさつ代わりに銀子を包んでくれる。道場破りがうまく行けば、再び門人も戻ってくるだろう、と千草が説く。それが、権平の力を見せることになり、道場の再興の道につながると。
権平は千草の言う奥義は必死に使うもので、使えば怪我人にや死人が出るから使えぬと。しかし、大義名分を思いついたという形で言う。「父の仇を捜すために道場破りをする」と。だが、それは権平の本心でもあると思われる。
なぜなら、父が亡くなったとき、権平は番所に呼ばれて、遺体をあらためていたのだ。後ろ頭に石段で打ったらしい傷があったが、その下にはおそらく木刀で打ったと思われる傷が隠れているのを発見していたのである。
つまり、この小説は道場破りという形を借りた、父の仇を捜す探索ストーリーである。権平は、俗に言う<天狗飛び斬り>の技を石段という地の利を使い実行したと推測していたのである。そして、この技はどの流派にも名称は違え、相手を跳び越えての逆内の技としてあるという。その種の技を使え、一兵衛と互角あるいはそれ以上の剣術者を見つけられればよいと言うことになるのだ。
権平の言い出した道場破りの大義名分は、うまくゆさぶりをかける契機になっていく。
この小説、千草の発案という形をとりながら、権平が父の仇という殺人犯人捜査を己が動くことである意味囮となって行動していく物語である。坪内藩という城下でのミステリー劇である。
権平たち3人は、新当流の柿崎源五郎の道場への道場破りから始める。城下で最も古株の柿﨑はすでに60歳を超えていて、温厚そうな人柄の人物でもあったからだ。
最後に立ち合った柿崎は、青鳴の取った最後の構えに、<天狗斬り>を使わせようとする腹の内が見えたので、参ったと言い立ち合いを辞めたと、奧の座敷で語ったのだ。青鳴が父の仇を討とうと思い立ったと読んだのだ。そして、柿崎は道場破りは恨みを買い、危険だと忠告する。案の定、敗れた柿崎の門弟が青鳴たち3人を待ち伏せしていた。
その場で、青鳴は<神妙活殺>の技を使うことになる。なんと、柿崎はそれを陰で眺めることで、その技を見て盗もうとしていたのである。得体の知れなさの一方、町道場主としての世渡りのうまさを見せていく。そして、最後に、柿﨑の真の姿が明らかになるという面白さで、黒子的役割も果たしていく。
道場破りを続けて行く。次は、無念流、尾藤道場である。尾藤は城下の剣術道場主の中での長老で、近頃は病勝ちの身。孫娘の由梨が道場を任され、師範代になっているという。無念流は、刀だけでなく、薙刀も教えているという。由梨が立ち合うときは薙刀を使うそうなのだ。
この小説の構成で面白いのは、それぞれの道場破りにおいて、その場面がエピソード風に描き込まれていくことである。立ち合いシーンをいろいろと愉しむことができる。そして、そこで犯人捜しにつながる情報が、様々な形でもたらされることになる。権平が動き回ることで、波風が大きく立ち、うねり始めるのである。
尾藤は一兵衛が<神妙活殺>を若い頃に工夫した技だということを知っていて、それが使われるのを一度見たことがあるという。<神妙活殺>が権平に伝わっているとしたら、敵を引き寄せると予告する。
看板料を権平は由梨から受けとろうとしたとき、権平の手が由梨の指にかすかにふれて、一瞬どきりとし赤い顔になる。千草はそれを目ざとく見ていたのだ。
その十日後、尾藤道場から権平に呼び出しの手紙を門弟が届ける。黒装束の賊が侵入し、尾藤一心を斬ったのだ。賊と闘った由梨も怪我をしたが、一心の部屋で数を数え、<神妙活殺>と声を響かせたという。権平たちが駆けつけた後、一心は何事か口にして亡くなる。勘六は一心の口の動きを見ていて、「あおなり」という言葉が浮かんだと言う。
遂に、敵がおぼろに姿を見せ始めたのである。うねりだしたといえよう。
権平は由梨に仇捜しへの助力を頼む。
なぜ、父が殺されることになったのか。道場破りを続ける中で、父に関わる過去の背景情報が少しずつもたらされてくる。柿崎は一心の通夜の席で、権平に秘技というものに関わるものの見方について、ヒントを与えられることになる。心影流の戸川源之亟が近頃、<無明剣>という技を極めたと称していると聞く。そこから、権平は次の道場破りを戸川道場と決める。
3日後に、由梨が青鳴道場を訪れて、祖父の遺品整理を整理していて、ある書状を見つけたという。それを権平たちに見せるためにやってきたのだ。その書状は、たった一行記されたもの。「あおなりいちひょうえをあやめよ -闇」
この日、由梨が帰った後、権兵は戸川道場に行き、<無明剣>の技を確かめるために道場破りに行く。戸川と立ち合った後、源之亟の口から、権平たちは紙包みを受けとるとともに、由梨が権平に見せた書状に関連すると思われる事実の一端を聞かされるのである。5年前になくなった父から源之亟が聞かされた内容だった。源之亟の父はその内容については嫌っていたという。源之亟もまた、源平の味方に加わっていく。
源之亟の教えたことは、権平を今までに道場主たちが関わっていた闇の一端に触れさせたことになっていく。それは犯人捜しの闇の深さにさらに一歩足を踏み入れることでもあった。
道場破りがきっかけで、闇の仕掛けが、徐々に明るみに出てくる。それは坪内藩の主家の内情に繋がって行くという展開になっていく。
一方、青鳴一兵衛という人物の姿が明らかになっていく過程でもある。権平が知りつつ秘していたこと。また権平が知らなかった事実が明らかになってくる。権平自身が息を呑む事実が。
メインストーリーのこの後の展開は、語らずにおこう。ぜひ、本書を広げてその顛末を愉しんでいただきたい。
一兵衛の到達した<神妙活殺>の技の真髄が何であったかを、遂に会得した権平が、<神妙活殺>の技を使うというもう一人の男と、真剣勝負を行うファイナルステージへと読者は導かれていく。
この小説のテーマは「絆」ではないかなと私は思う。印象深いフレーズがいくつかある。ご紹介しよう。
*会ったこともない血縁のひとのことを考えるより、ともに生きて慈しんでくれるひとの方が大切だと思ったのです。 p152
*血がどうであれ、心がいったん通じ合ったならばおやこであることに変わりはない。 p111
*わたしにはわかったのです。大切にされたかではない。誰を大切に思っているかなのだと。 p149
*ひとを大切に思うものは、ひとから大切に思われているのです。 p149
青鳴道場が、あおなり道場の看板を江戸で掲げるということで、エンディングとなる。 「そうか、わたしたち三人はまだまだ未熟で青いが江戸で何かになろうとするのだからな」
ご一読ありがとうございます。
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徒然に読んできた作品の印象記に以下のものがあります。
こちらもお読みいただけると、うれしいかぎりです。
『孤蓬のひと』 角川書店
『秋霜 しゅうそう』 祥伝社
『神剣 一斬り彦斎』 角川春樹事務所
『辛夷の花』 徳間書店
『風かおる』 幻冬舎
『はだれ雪』 角川書店
『鬼神の如く 黒田叛臣伝』 新潮社
『決戦! 大坂城』 葉室・木下・富樫・乾・天野・冲方・伊東 講談社
『決戦! 本能寺』 伊東・矢野・天野・宮本・木下・葉室・冲方 講談社
===== 葉室 麟 作品 読後印象記一覧 ===== 更新4版(37+1冊)2016.1.27