サブタイトルに「小学生でも大学入試レベルがスラスラ読める家庭学習法」とある。
タイトルに惹かれて通読してみた。著者は、大分県在住で、「ブルーマーブル英語教室」代表である一方、一般社団法人「Summer in JAPAN(SIJ)」を設立し代表理事になるなどでも活躍されているようだ。
この本は、著者が運営する英語教室でのノウハウを公開したもの。小学生にどのように英語を教えていくと英語がスラスラ読めるように、話せるようになるかを論じている。
プロローグのキャッチフレーズを引用する。「まさか」を「すごい」に変える”奇跡の勉強法”初公開、という。
だが、通読して感じたことは、何もこれからの小学生に限ったことじゃない。大人にとっても、大いに役立つノウハウと言える。それこそポジティブにとらえよう。今からでも遅くはない。たちまち情報収集の英語力を必要としているのは、ビジネスパーソン、リサーチャーなどなど、日本人の大人なのだから。
本書は著者自身の英語習得術とその応用である娘との家庭学習体験、英語教室主宰の実績の積み上げをベースにしていると記す。そして、上記SIJのサマーキャンプに採用したハーバード大学生に対するリサーチ、聴き取り調査での学習法の結果を紹介しながら、主として、小学生の英語学習法についての自説を論じている。
著者は文部省が目論む”2020年英語改革”を先取り紹介しながら、現状でのその思考の問題点にも手厳しく切り込んでいく。この点、日本の英語教育を考える材料にもなる。
著者の主張点はわかりやすい。家庭での英語学習が基盤になり、親子で英語を学ぶのが基盤だということと、本書のやり方はだれでも、どこの家庭でも出来るという。
著者が強調するのは、英語力をつけるのは音読による単語の暗記、英語文の音読暗記が基本だということ。英文法から入る従来の英語学習を否定する。英語の基本は「音読」なのだと。
これでふと連想したことがある。それは江戸時代の武士が行っていたという漢書を声を出して読む素読である。漢書の文の意味が分からずとも素読して暗記するということから入ったというのをどこかで読んだ事がある。黙読がふつうになったのは、明治以降だとか。
英語「を」教えるのではなく、英語「で」世界に通用するスキルを教えることが重要なのだと論じている。著者はメソッドとして、「読む、聞く、話す、書く」の4技能を一体化し、結論⇒その理由⇒事実描写という論理展開で日本語を扱う国語力の育成を説いている。
著者が言う一流の英語力とは、英語を使い世界レベルで情報を「ゲット(収集)」できる力、英語で情報を「シェア(共有)」できる力、そして英語を使って「価値(バリュー)を創造」できる力なのだと定義する。チャラチャラとした日常会話でのコミュニケーション力レベルの英語力ではないのである。
「日常会話に困らない、なんとなくコミュ力がある中学生を育てることを目標としてきた日本」(p54)と今までの英語教育の問題点を指摘している。国は本気で学校英語を変えようとしているという動向を是としながら、そこに大問題がある点を論じている。この点、考える材料として有益である。
著者がいう英語家庭学習法は、親が小学生の子に英語を教える事ではない。子どもが英語学習をすることをサポートすること。「子どものやる気を引き出す」ことに注力することだと論じている。これなら、どこの家庭でもその気になればできることだろう。
サポートするとは、「続けられる環境」「会話をする環境」「安心できる環境」を作ることだと論じ、そのやり方、ノウハウ事例を紹介している。著者は親子での会話は勿論日本語でOKと述べているので、ご安心を。話す機会づくり、「伝えたい気持ち」の強さを引き出す環境づくりだということ。それが英語で伝えるという力に転化していくとする。 ポジティブで、失敗を恐れず、オープン・マインドであること。「ほめる」ということが「魔法のアクション」になると著者は強調する。
「英語は単語が9割! 英語力=単語力」という見出しすらあるという強調ぶりである。この見出しは、日本の公立高校から現役でハーバード大に合格した著者の娘が「ハーバードの英語は単語が9割」と断言している事実と、情報を英語で読み、聞き、収集する時に単語力が必要となることを踏まえている。意味のある英語力が求められるということである。
そして、英語学習では、「英作文は”英借文”」であり、「どれだけ大量の例文(テンプレート)を覚えているか」が勝負なのだと論じる。基本的な例文の大量の暗記から始まるという主張である。例文の音読となぞり読みを著者は勧めている。
さらに、1分間スピーチのトレーニング法を勧めている。自分の考えを15秒でまとめ、45秒で発表する。それをまず日本語でスピーチできるトレーニングから始めることのアドバイスである。結論⇒その理由⇒事実描写というスタイルでのスピーチが母国語でできる力がなしに、英語でスピーチ出来るわけがないのである。
著者はTOEFLのスピーキングテストは、「パソコンを使用し、モニター画面に映し出された問題を見て、15秒で考え、45秒でマイクに向かって英語で応えます」と説明している。1分間スピーチは、このテストへの対応でもあるようだ。逆に、この方式から推奨していると言うべきか。
最後に2点、ご紹介しておこう。
1つは、著者の論じる単語暗記の3つの極意である。
極意1 音声に合わせて音読する---口と耳で覚える
極意2 「英語→日本語」を交互に音読する---体で覚える
極意3 書かずに「なぞり読み」する---目で覚える
その詳細は、本書を開いていただければよい。第4章のp149~151である。
2つめは、本書のおもしろいところであるが、無料で動画視聴できるアクセス先を載せていることである。クリックして動画もご覧いただくと参考になるだろう。
3つの動画:英語は単語が9割!暗記法&超・音読法3つの技法
このアクセス先は、著者紹介の奥書を読むと、著者が経営する会社である。
ほかに、プレミアム特典ページというのが巻末にある。本書を開いてご覧戴くとよい。その16ページ分をちょっと立ち読みしてみることから始めるのもおもしろいかもしれない。
ご一読ありがとうございます。
タイトルに惹かれて通読してみた。著者は、大分県在住で、「ブルーマーブル英語教室」代表である一方、一般社団法人「Summer in JAPAN(SIJ)」を設立し代表理事になるなどでも活躍されているようだ。
この本は、著者が運営する英語教室でのノウハウを公開したもの。小学生にどのように英語を教えていくと英語がスラスラ読めるように、話せるようになるかを論じている。
プロローグのキャッチフレーズを引用する。「まさか」を「すごい」に変える”奇跡の勉強法”初公開、という。
だが、通読して感じたことは、何もこれからの小学生に限ったことじゃない。大人にとっても、大いに役立つノウハウと言える。それこそポジティブにとらえよう。今からでも遅くはない。たちまち情報収集の英語力を必要としているのは、ビジネスパーソン、リサーチャーなどなど、日本人の大人なのだから。
本書は著者自身の英語習得術とその応用である娘との家庭学習体験、英語教室主宰の実績の積み上げをベースにしていると記す。そして、上記SIJのサマーキャンプに採用したハーバード大学生に対するリサーチ、聴き取り調査での学習法の結果を紹介しながら、主として、小学生の英語学習法についての自説を論じている。
著者は文部省が目論む”2020年英語改革”を先取り紹介しながら、現状でのその思考の問題点にも手厳しく切り込んでいく。この点、日本の英語教育を考える材料にもなる。
著者の主張点はわかりやすい。家庭での英語学習が基盤になり、親子で英語を学ぶのが基盤だということと、本書のやり方はだれでも、どこの家庭でも出来るという。
著者が強調するのは、英語力をつけるのは音読による単語の暗記、英語文の音読暗記が基本だということ。英文法から入る従来の英語学習を否定する。英語の基本は「音読」なのだと。
これでふと連想したことがある。それは江戸時代の武士が行っていたという漢書を声を出して読む素読である。漢書の文の意味が分からずとも素読して暗記するということから入ったというのをどこかで読んだ事がある。黙読がふつうになったのは、明治以降だとか。
英語「を」教えるのではなく、英語「で」世界に通用するスキルを教えることが重要なのだと論じている。著者はメソッドとして、「読む、聞く、話す、書く」の4技能を一体化し、結論⇒その理由⇒事実描写という論理展開で日本語を扱う国語力の育成を説いている。
著者が言う一流の英語力とは、英語を使い世界レベルで情報を「ゲット(収集)」できる力、英語で情報を「シェア(共有)」できる力、そして英語を使って「価値(バリュー)を創造」できる力なのだと定義する。チャラチャラとした日常会話でのコミュニケーション力レベルの英語力ではないのである。
「日常会話に困らない、なんとなくコミュ力がある中学生を育てることを目標としてきた日本」(p54)と今までの英語教育の問題点を指摘している。国は本気で学校英語を変えようとしているという動向を是としながら、そこに大問題がある点を論じている。この点、考える材料として有益である。
著者がいう英語家庭学習法は、親が小学生の子に英語を教える事ではない。子どもが英語学習をすることをサポートすること。「子どものやる気を引き出す」ことに注力することだと論じている。これなら、どこの家庭でもその気になればできることだろう。
サポートするとは、「続けられる環境」「会話をする環境」「安心できる環境」を作ることだと論じ、そのやり方、ノウハウ事例を紹介している。著者は親子での会話は勿論日本語でOKと述べているので、ご安心を。話す機会づくり、「伝えたい気持ち」の強さを引き出す環境づくりだということ。それが英語で伝えるという力に転化していくとする。 ポジティブで、失敗を恐れず、オープン・マインドであること。「ほめる」ということが「魔法のアクション」になると著者は強調する。
「英語は単語が9割! 英語力=単語力」という見出しすらあるという強調ぶりである。この見出しは、日本の公立高校から現役でハーバード大に合格した著者の娘が「ハーバードの英語は単語が9割」と断言している事実と、情報を英語で読み、聞き、収集する時に単語力が必要となることを踏まえている。意味のある英語力が求められるということである。
そして、英語学習では、「英作文は”英借文”」であり、「どれだけ大量の例文(テンプレート)を覚えているか」が勝負なのだと論じる。基本的な例文の大量の暗記から始まるという主張である。例文の音読となぞり読みを著者は勧めている。
さらに、1分間スピーチのトレーニング法を勧めている。自分の考えを15秒でまとめ、45秒で発表する。それをまず日本語でスピーチできるトレーニングから始めることのアドバイスである。結論⇒その理由⇒事実描写というスタイルでのスピーチが母国語でできる力がなしに、英語でスピーチ出来るわけがないのである。
著者はTOEFLのスピーキングテストは、「パソコンを使用し、モニター画面に映し出された問題を見て、15秒で考え、45秒でマイクに向かって英語で応えます」と説明している。1分間スピーチは、このテストへの対応でもあるようだ。逆に、この方式から推奨していると言うべきか。
最後に2点、ご紹介しておこう。
1つは、著者の論じる単語暗記の3つの極意である。
極意1 音声に合わせて音読する---口と耳で覚える
極意2 「英語→日本語」を交互に音読する---体で覚える
極意3 書かずに「なぞり読み」する---目で覚える
その詳細は、本書を開いていただければよい。第4章のp149~151である。
2つめは、本書のおもしろいところであるが、無料で動画視聴できるアクセス先を載せていることである。クリックして動画もご覧いただくと参考になるだろう。
3つの動画:英語は単語が9割!暗記法&超・音読法3つの技法
このアクセス先は、著者紹介の奥書を読むと、著者が経営する会社である。
ほかに、プレミアム特典ページというのが巻末にある。本書を開いてご覧戴くとよい。その16ページ分をちょっと立ち読みしてみることから始めるのもおもしろいかもしれない。
ご一読ありがとうございます。