「夏」という季節は、最も好きな季節。 世の中がギラギラと
輝いて見える季節。 特に海の輝きは目も開けていられないほどである。
昼の力強い日差しから、いくぶん柔らかさを取り戻した夏の夕暮れに、
パナマ帽にサングラスをかけ、清涼感のある横風を軽く頬に感じながら、
マリーナのベンチに半ば寝転び、缶ビールを飲んでいる自分を想像する
だけで、至福の時間が体中をゆっくりと流れていく。
マリーナの桟橋の向こうから、長い髪をそよと吹く風に泳がせながら、
私に気が付いているのかどうかわからないようなそぶりで近づいてきて、
横を通り過ぎる瞬間にチラッと流し目なんか向けられて、口元を少し
ゆがめて微笑んだりされた日にゃーもうあなた、こりゃたまらん。
両眼がハートマークになるほどの心の高揚をぐっと押さえ込み、
缶ビールをひと口飲み込んで、軽く微笑みながら、手首から先だけ
を僅かに動かしてクールに挨拶を返す。
あーー、そんな大好きな夏がもうそこまで来ているというのに、今年は
やや緊張しているのだ。 なぜかというと、高円寺の部屋の中で、
本格的なあの夏の暑さに耐えることができるのだろうか。当初エアコンを
使わず、扇風機だけで乗り切ろうと考えた。しかし、ここ数日の暑さで
既にそれは挫折を予感させる。 今はまだ、窓をあけて風通しを良くしたり、
扇風機を回したりすれば何とかなる。 しかし梅雨が明けた瞬間から、
あの猛烈な日差しによって温められた空気に、エアコンなしで太刀打ち
できる気は、全くしないのだ。
集合住宅の1階である。 たとえ40代半ばを過ぎた男性とはいえ、
窓を全て開放して、パンツ一丁ってわけにはまいらぬ。
そんなの、エアコンを使えばいいだけじゃん。 そう確かにそうなのだ。
1日の内のピークとなる時間帯に節電を求められるだけで、それ以外の
時間帯であれば、使っても問題ないはずだ。 じゃ、ま、挫折ってことで。
輝いて見える季節。 特に海の輝きは目も開けていられないほどである。
昼の力強い日差しから、いくぶん柔らかさを取り戻した夏の夕暮れに、
パナマ帽にサングラスをかけ、清涼感のある横風を軽く頬に感じながら、
マリーナのベンチに半ば寝転び、缶ビールを飲んでいる自分を想像する
だけで、至福の時間が体中をゆっくりと流れていく。
マリーナの桟橋の向こうから、長い髪をそよと吹く風に泳がせながら、
私に気が付いているのかどうかわからないようなそぶりで近づいてきて、
横を通り過ぎる瞬間にチラッと流し目なんか向けられて、口元を少し
ゆがめて微笑んだりされた日にゃーもうあなた、こりゃたまらん。
両眼がハートマークになるほどの心の高揚をぐっと押さえ込み、
缶ビールをひと口飲み込んで、軽く微笑みながら、手首から先だけ
を僅かに動かしてクールに挨拶を返す。
あーー、そんな大好きな夏がもうそこまで来ているというのに、今年は
やや緊張しているのだ。 なぜかというと、高円寺の部屋の中で、
本格的なあの夏の暑さに耐えることができるのだろうか。当初エアコンを
使わず、扇風機だけで乗り切ろうと考えた。しかし、ここ数日の暑さで
既にそれは挫折を予感させる。 今はまだ、窓をあけて風通しを良くしたり、
扇風機を回したりすれば何とかなる。 しかし梅雨が明けた瞬間から、
あの猛烈な日差しによって温められた空気に、エアコンなしで太刀打ち
できる気は、全くしないのだ。
集合住宅の1階である。 たとえ40代半ばを過ぎた男性とはいえ、
窓を全て開放して、パンツ一丁ってわけにはまいらぬ。
そんなの、エアコンを使えばいいだけじゃん。 そう確かにそうなのだ。
1日の内のピークとなる時間帯に節電を求められるだけで、それ以外の
時間帯であれば、使っても問題ないはずだ。 じゃ、ま、挫折ってことで。