より良き明日の為に

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白夜の国のお客さん

2008-05-03 18:28:49 | ジェットの丸窓から

 先輩講師から聞いた話ですから1980年頃の夏のお話です。 教育センターにVTRの技術を学びにきたスカンジナビア3国からの数人の技術者がいました。 5時に初日の研修を終えた彼らはそこから5キロ程離れた海岸に向かったのです。 朝のオリエンテーションで講師が近場の観光地として地図を渡し、交通手段も教えていたのでした。 ただし講師は休日に訪れる場所として教えたつもりであり、まさか5時過ぎから出かけるとは思ってもいませんでした。 彼らは郊外電車に乗って海岸の駅に着きました。 そこから渚までは歩いてすぐです。 寄せ来る波の背が夕日に赤く染まり、はるか沖合の白い船も夕日に映えてゆっくりと動いて行くさまを眺めては、しばしエキゾチックな気分に浸っていたのだそうです。

 しかしそれも束の間だんだんにあたりが暗くなり、あれよあれよという間もなく夜になってしまいました。 これは彼らにとって全くの予想外でした。 だってまだ7時になったばかり、彼らの国ならまだ夕方に差し掛かった程度で、10時くらいまでは明るいはずでした。 周りでは店じまいも始まり、あわてた彼らは駅にとって返しましたが、すでに終電は出た後で、終バスも同様でした。 しばし途方に暮れた彼らでしたが、やがて駅員さんらの助けを借りて公衆電話から担当講師の自宅へ電話を掛けることになんとか成功しました。 もしもの時の電話番号は彼らに教えられていたのです。 自宅で夕食の最中に電話を受けた講師が自家用車で駆けつけ、彼らを無事宿舎に送り届けたのは9時近かったそうです。 



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