ふじみ野のイオンシネマで、河瀬直美監督『光』を観た。河瀬監督前作『あん』に続く永瀬正敏の起用だ。永瀬の役は、いつも何か重いものを抱えている。
最近のオムニバス作品『ブルーハーツが聴こえる』でも永瀬脚本・主演のパートだけ、地獄絵のような暗さだった。
ストーリーは、視覚障害者のため、映画の音声ガイドを制作する女性と、失明寸前のカメラマンを軸としている。
映画作品が伝えたい核心を、目が見えない観客にどう伝えるのか、女性は迷い葛藤し、その葛藤を生み出す助言と苦言を、カメラマンが告げる役回り。
劇中の作品を仕上げていくスタイルの作品だ。
樹木希林は、劇中映画の音声ガイドのナレーションを担当する声の出演。
どんな文言にも説得力を付加していく、
樹木希林の語りは、ひとつの違反であると思った。