シャルロット・ゲンズブールが演じ切るユダヤ系ポーランド移民のシングル・マザー。
息子役は、イヴ・サンローランを演じたピエール・ニネであるから、静かで感傷味溢れる作品かと思ったが。
さにあらず、肝っ玉かあさんが、一人息子をしばりつけ、一人前の男に育て上げるストーリー。
バッタモノの洋服を作り、はったりで開店した洋装店で大金を稼ぎ、破綻する。フランスに移り住んで、一出入り業者からホテルを入手し、息子をパリの大学に入れる算段をする。
痛快な母と、母の意のままにハードルを飛び越えて行く息子。ユダヤ人であることの辛酸も舐めながら。
軍人でありながら作家を目指し、小説を書き続けたロマン・ギャリーの実話。
250通の手紙を書き、それらを戦地の我が子に届ける段取りに命をかけた激情型マザーのストーリー。